「日本、北京五輪に閣僚派遣見送りの可能性」で思っていること

「日本、北京五輪に閣僚派遣見送り」なら、それなりに評価するのだけど。
ただし苦言を言わせてもらえれば「なぜ、そうするのか?」に一貫性を持たせてもらいたい。
「アメリカがするから、世界の流れが人権に敏感だから」とその基準が自分の  “外” にあるのであれば、
「日本は右にならえな国で自分の考えを持っていない」となる。
日本はタイプ6の国である。タイプ6は自分の安心・安全・安定の確保が最優先で周りとの関係性に生きている性格タイプである。
なので、自分の安心・安全・安定を捨ててまで取り組む内発的道徳観というものは無い。周りとの関係性の上での道徳観しかない(「気を遣いましょう」とか「皆と仲良くしましょう」とか)。
周りとの関係性を気にするタイプ6は、 “世間体せけんてい”  を意識する。
今の日本は、国際社会においての世間体を気にして行動している部分もある。
内発的に動かないから決断は遅くなる。周りを見る。周りに影響される。そこに世界を引っ張るリーダーシップはない。

それで、
「周りに合わせるのが日本だ」「日本の態度は周りに影響される」「日本には自己が無い」と世界に認識され出すと、
日本を説得せずに、周りの国を説得する外交政策を取られ出す。
どういうことかと言うと、日本は外交上無視されるということである。
尖閣でも、中国は日本とは交渉せず、アメリカと水面下で交渉をし始める。日本は蚊帳かやの外となる。そういえばオバマ大統領時代に「尖閣上陸に目をつむってくれれば…」という取引を習近平国家主席が持ちかけていた、という話をネット記事で読んだ覚えがある。そのような感じで日本の知らないところで日本に関する取引が行われていく。
アメリカとさえ話をつければ、日本はそれに従う。嫌々でも従う。と見られ始める。

結果が同じだとしても、そこに一貫性のある主張なり、よその国を引っ張って意見を形成するリーダーシップなり、相手国を追い詰めて議論ができるなり、そういったものがないと、今後も国際社会での地位は低下していくであろう。
なぜなら、日本を考慮に入れなくとも国際社会の合意形成に影響は無いから。日本以外の  “うるさい”  国々と合意形成をした後、日本には「決まったことだから」とだけ言えば良いから。

これはタイタニック・ジョークの中にも現れている。
氷山にぶつかった豪華客船タイタニックでは、脱出用のボートの数が足りない。
男たちは後回しにしたいとき、どう説得するか困る船員に船長はこう指示を出す。
「ドイツ人には、これが規則だと言え」「アメリカ人には、あなたはヒーローになれると言え」「日本人には、皆さんそうしてますよと言え」

それでもって、日本が後回しにされ出すと、
日本側の心情としては、我慢に我慢を重ねて 堪忍袋の緒が切れる となるのであろうが、
この 堪忍袋の緒が切れる という感覚、国際社会では通用しないから日本の孤立がさらに深まることになる。

日本の中のタイプ6の人でも「やさしい○○さん」と評判の人が、ストレスがつのる中でバーンと暴発しちゃって、被害にあった人がそのギャップに驚くことがあったりするくらいだから。
タイプ6の暴発は、タイプ6の大切にする関係性においてマイナスに作用しがちである。
世界の中の日本がバーンと暴発した場合は、驚く以前に厳しく見られると思う。つまり同情は得られず、それよりも、その反対の感情で迎えられることだろう、と予想している。

冒頭で書いたことを再度言ってこの話は終わりにする。

「日本、北京五輪に閣僚派遣見送り」なら、それなりに評価するのだけど。
苦言を言わせてもらえれば「なぜ、そうするのか?」に一貫性を持たせてもらいたい。

蛇足で書くと、中国の人権問題が分かり易い形となって現れている最近あった事件、つまり現在自由を奪われている中国人の女性テニスプレイヤー、彭帥(ポン・シューアイ)さんの事を問題にするのか? ウイグルの問題なのか? 両方なのか? それがよく分からない。そういった意見や立場も鮮明にしてもらいたいとも思う。

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