失敗と混沌を嫌う日本人だから

昔読んだ、ジーコ氏のインタビューの引用は「またか」と飽きられているからしたくないけど、

「きっと国民性なのだと思う。他の国では考えられないのだけど、なぜか失点に対して過剰な恐怖感や失望感がある」

http://tvstation.jp/sport/soccer/brazil-report/5619/

というのがあって(結局引用した)。

安心・安全・安定が好きでそれが崩れた状態を嫌うエニアグラムのタイプ6な国民性である日本人は失敗と混沌を嫌います。

それで「○○すればいいじゃないか」という意見があると「失敗したらどうするんだ!」の反論が出ます。
私もそういったとき反論します。でも、やってみて間違えたと思ったら引き返したり方向を変えても良いとも思っています。

日本は失敗と混沌を嫌うので、間違えがあると大バッシングとなる傾向があり、
また、政策等を実行するのも日本人なので、失敗を嫌いますし、混沌を起こすことを嫌いますし、バッシングや批判されるこを嫌います。

それで、根回ししたり、前例踏襲したり、権威を頼ったり、委員会にして多数決にしたり、
とにかく「自分は悪くない」という状況を作って政策なり計画を実行します。

それで成功すれば良いのですが、
行き詰ったり、失敗したりすると、その混沌の前に立ちすくみます。

本当なら撤退や方向転換の決断をしなくてはならないのですが、
その決断が本当に安心・安全・安定につながるのか自信が持てませんし、根回しのやり直しが必要ですし、決まったことを続けるのは踏襲なので楽ですが変化とは今進んでいるものが変わるということで持続に安定を見ている人にとっては抵抗が出てきます。
それで積極的な行動が取れなくなってしまいます。

そんなわけで、

ビルマで日本との戦いを指揮し、日本軍指導者の体質を“道徳的勇気の欠如”と指摘したイギリス軍のウィリアム・スリム司令官の言葉が想起されるわけです。

「自分たちが間違いを犯したこと、計画の練り直しが必要なことを認める勇気がない」
「日本軍は、計画がうまくいっている間は、アリのように非情で大胆である。しかし、その計画が狂うと、アリのように混乱し、立て直しに手間取って、元の計画にいつまでもしがみつくのが常(以下略)」

これ、新型コロナが猛威をふるったなかでの東京オリンピック開催もそうでした。
そのころのアンケートでは、東京オリンピックを不安視する声も聞かれたのに、直前にあった、7月の東京都議会選挙では、民意として明確な反対は示されませんでした。
個々人ではそれなりに判断できても、決断までは行かないところは上から下まで一貫したものです。

今だって、与党自民の中には、老害が出て来ているし、統一教会との関係は断ち切れていないようだし、他の政策でもアンケートを取ればそれなりに不評は出てくるわけです。

でも、

それが選挙における決断にまではつながらないわけです。

岸田政権支持率も、与党支持率も、下げ止まっている感がありますし、
不支持の人も、消極的に不支持となっているだけで、隠れ自民党です。
プランAがダメだったとき、プランBとしての野党に支持を変える人はわずかです。
野党を選んだときの失敗と混沌を恐れ嫌っているわけです。
ですから現状維持となるのです。
「知らない悪より知った悪」です(どこかの国のことわざでこんな言葉があるそうです)。

こういった傾向はストレスがかかるほどに強くなります。

これが現在のタイプ6日本の姿です。

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