1986年、20歳のクリストファー・ナイトは、米マサチューセッツ州の自宅から車でメイン州へ向かい、そのまま森の中へと姿を消した。彼は深い森の奥にテントを張って暮らし、近隣の別荘から盗んだものを食べて生き延びた。30年近く、他人と会話をすることはなかったが、最後は障害者用のサマーキャンプ場に盗みに入ったところを逮捕された。

今回は、この人の話からエニアグラムのタイプを考えてみたいと思います。

記事の中では、隠者を何種類かに分けています。

※ 隠者(いんじゃ)とは、一般社会との関係を絶ち(隠遁)、生活する人のこと。特にキリスト教や仏教など多くの宗教の宗教者、または宗教的背景をもった隠者が多数知られる。  ウィキペディアより

隠者としては、宗教家の説明もありましたが、それは飛ばして引用します。

「抗議者」とは、世界のありように対して怒りを感じている人々であり、彼らについては古代中国から現在に至るまで、さまざまな記録があります。彼らは社会を去ることによって、戦争、消費者主義、貧困などに抗議の意を示します。

これは「切る人」にあたるタイプ1・4・5が該当しそうです。

各タイプのあだ名(ニックネーム)を紹介しておきます。

タイプ1のあだ名は、『改革する人(ドン・リチャード・リソ)』『完全主義者(ヘレン・パーマー/レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』

タイプ4のあだ名は、『芸術家(ドン・リチャード・リソ)』『夢想家(ヘレン・パーマー/レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』

タイプ5のあだ名は、『考える人(ドン・リチャード・リソ)』『傍観者(ヘレン・パーマー)』『観察者(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』

となります。

「追求者」は現代に最も多いタイプの隠者で、芸術的、科学的、個人的理由から社会を去る人たちのことです。このタイプにはたとえば、自らの内なる世界を旅するために森へ入った作家のヘンリー・デビッド・ソローがいます。アインシュタイン、ミケランジェロ、アイザック・ニュートンも隠者を自称し、芸術的、知的世界における飛躍的な進歩を社会に持ち帰りました。

タイプ5的なものを感じます。あとはタイプ4。でもタイプ4は寂しがり屋さん だから、どうかな。

ナイトは、この追求者タイプにも当てはまりません。彼は文章を書くことも、写真を撮ることもしませんでした。泥棒ではありましたが、彼の孤立状態は、人類史上の誰が経験したものよりも揺るぎなく、完全なものでした。ナイトはソローのことを「道楽者」だと評しています。ソローがウォールデン湖畔の丸太小屋で暮らしたのはわずか2年であり、しかも洗濯は母親がやっていました。ナイトに言わせれば、ソローはわざわざ外界へ出ていって本を書き、「どうだ、俺はすごいだろう」と自慢した、ただの目立ちたがり屋でした。
ナイトは誰もいない森の奥に住んでいたわけではありません。彼はしばらく放浪して住むのに適当な場所を見つけ、そこで25年間暮らしました。そこは私有地の中で、一帯には数百棟の別荘が点在します。あたりには小さな町もいくつかあり、未舗装の道路が何本も通っています。言うなれば、彼は社会の真ん中にいたのです。

これは、以前紹介したタイプ5の

大勢の中で1人でいたい

に近いかも。

(略)彼の野営地へと足を運びました。うっそうとした森で、木が密生していて、容易に方向感覚を失いそうな場所です。道はなく、大きな岩が行く手を塞いでおり、シカでさえ歩くのに苦労するでしょう。ナイトはそういう森の中を、夜中に、物音ひとつ立てずに歩くことができたのです。

一人でも平気なタイプと言えば、真っ先に思い浮かぶのがタイプ5です。
少なくとも「(関係性を)切る人」のタイプ1・4・5のどれかだと想像します。

今回は、27年間、一人で生活していた男の性格タイプを考えてみました。

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