日本は、本当は中国市場で圧倒的な競争力を持っているのだそうです

本日の日経ビジネスオンラインでは中国に関する話題が2つ出ています。
ひとつが
中国の「反貧困キャンペーン」はどこへ向かうか(福島 香織)
ひとつが
日本企業が欧米企業よりも中国で成功するワケ(山田 泰司)

後者のほうで、
キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之氏
に話を聞いているのですが(今回はその第一回、明日が第二回)、氏の指摘が面白いです。

交通、住宅、食生活、たぶんサービス産業の仕組みも、(略)日本と中国の共通項なんですよ。
こういう前提があるのですから、中国市場において日本企業は弱いわけがない。
だから(欧米企業に比べて)本来圧倒的競争力を持っているんですよね、日本企業は中国において。
ただその一方で、日本企業は相変わらずマーケティング能力が低いですよ。先進国の中で最低だと思います。
日本企業って多くの人が自分の会社しか知らないじゃないですか。(略)
日本の社長は、1つの会社にいて、しかもある事業部にずっといて偉くなることも多い。(略)ほかの部門の技術的なことはあまりよく分かってなくて、自分の事業部しか分かっていない。なおかつほかの会社の経営の実態も知らない。
だから、会社の経営をやるときに、何を押さえたらその会社がうまく回るのかという一般的な経験が足りないですよね。たまたま出身の事業部が伸びるときは成功するかもしれません。ただ、例えば重電一筋でやってきた人が突然半導体が伸びる時代に来ちゃったとか、もしくはITの時代に来ちゃったとかいうと、どうしたらいいかさっぱり分からないわけですよね。これじゃあ勝負にならない。
それともう1つ。やっぱり企業って売ることが目的じゃないですか。お客様のニーズに合った製品を売って初めて技術が生きます。(略)業界横断的に幅広く見て、自分の闘える分野を探してきてそこに合わせた製品・サービス開発を研究開発部門にやらせて、どんどん市場の開拓をするというのがマーケティングなんです。ただ、日本の営業マンにそれをやれと言っても普通は無理ですよね。他部門を指揮する権限が与えられてない。
そもそもそういう教育を受けてない。経験もない。ほかの会社のことを知らない。自社のほかの事業部のことも知らない。それじゃあやっぱり勝負にならない

日本は、エニアグラムのタイプ6の国民性と言われていて、タイプ6は安心・安全・安定がとても大切です。
ですから、今ある安心・安全・安定に安住して外に出ようとはしません。
また、今ある安心・安全・安定を損なうかも知れない「判断」や「決断」を、「する」ことも「される」ことも嫌うという性質があります(基本的には前例踏襲で現状維持)。

ただ、この話の中には、いろいろとヒントがあって、
安心・安全・安定を損ねない形で、ある程度対応できるものもありそうです。

お客様のニーズの話は、
前回に書いたパックンさんの「聞くこと」「柔軟な対応」とも共通する話ですね。


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