「正しく恐れる」で思うこと

日本で『正しく恐れる』という言葉が用いられるときには、「無闇に恐れない」という意味で使われることが多いと思います。
日本はエニアグラムのタイプ6の国です。タイプ6は安心・安全・安定がとても大切でそれが崩れた状況をとても嫌います。
また、それが崩れる可能性も嫌います。
なので、危険が迫っているほどにタイプ6は大丈夫だと言い始め、その延長線上に、始めに挙げた『正しく恐れる(=無闇に恐れるな)』が出てきます。
でも、『正しく恐れる』は、“しっかりと恐れる”という解釈だって可能なわけです。

『102日ぶりに感染者発生のニュージーランド…4人の陽性反応を受けて、3日間の厳重なロックダウンへ(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース』

ニュージーランドでは、102日ぶりにコロナウイルスの症例が報告された。

感染したのはオークランドの1世帯4人

これを受けて、ジャシンダ・アーダーン首相は、オークランドで3日間、レベル3の制限を復活させ、公共の場や学校を閉鎖し、人々に家に留まるように求めた。
ニュージーランドの他の地域ではレベル2の制限が再び導入され、人が集まるのは100人以下に制限し、社会的な距離を置くことを要求している。

日本で、4人の感染者が出ただけで、ニュージーランドのようなことができるでしょうか?
また、そういった政策が支持されるでしょうか?


タイプ6日本は未知や混沌に弱くそれを無視する傾向があります。

『レバノン爆発事故、安保当局が7月に大統領と首相に危険性警告(ロイター) - Yahoo!ニュース』

レバノンの首都ベイルートで4日発生した大爆発事故の原因とされる港に保管されていた2750トンの硝酸アンモニウムについて、アウン大統領やディアブ首相は安全保障当局から事前に危険性を警告されていた。ロイターが、当局による報告書や複数の安全保障担当高官の取材を通じてこの事実を突き止めた。

こういうのも他人事ではなくて、例えば311のフクシマ電源消失だって、その問題を事前に指摘していた人はいたわけです。これは今だって同じで様々(さまざま)な問題が様々な分野で今でも指摘され続けています。

『正しく恐れる』は「無闇矢鱈に恐れるな」ではなく「しっかり混沌に向き合って恐れる」としなければなりません。
先憂後楽で事に当たる必要があるわけです。

未知や混沌が苦手なタイプ6日本にとってこれは超えられないハードルです。
ですから先ずは自覚しておくだけで良いと思います。

「問題点を認識できれば、問題の半分は解決している」という言葉もありますし。


蛇足で書けば、
タイプ6社会にあって、なお問題点を指摘する人は貴重な存在です。
こういう人が一定数存在しないと日本は完全に手遅れとなってしまいます。

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