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オリンピックを控えた2021年7月東京都議会議員選挙の結果をメモとして残しておく

オリンピックを控えた2021年7月4日東京都議会議員選挙の結果を残しておきます。
少しだけ感想も書いています。

今回の投票率は、42.39%で、
50%を割ったのは8年ぶり、過去2番目に低い投票率だそうです。

秋までに実施される衆院選の前哨戦とされたが、都政で目立った争点がなかったことや、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出控えなどが影響したとみられる。

と書かれています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0caceb5d89b8d579339962e0edd918b4a18bb53
より

お天気も悪かったみたいです。
https://kishojin.weathermap.jp/diary.php?ym=202107&ame=44132

一方で、「期日前投票」は前回より7万人も増えて142万5千人の過去最多だったそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a8389bddf6be0a8eb808b09a510061b1bf0ac4
より

投票率は悪かったものの投票率アップの努力はなされていたようです。
『都議選投票率アップへ 選管はSNS駆使 市民団体は飲食割引(産経新聞) - Yahoo!ニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/f903c317cc36853b613246c8054483abfc59d660


気になる投票結果です。
都民ファースト31、自民+公明56、過半数64なので過半数政党は無し。
自民党が33議席で第一党。

    告示前 ⇒ 今回
都民    45 ⇒ 31 (-14)
立憲     8 ⇒ 15 (+7)
共産    18 ⇒ 19 (+1)
維新     1 ⇒ 1 (同数)
ネット    1 ⇒ 1 (同数)
無      5 ⇒ 4 (-1)
公明    23 ⇒ 23 (同数)
自民    25 ⇒ 33 (+8)

https://www.asahi.com/senkyo/togisen/2021/kaihyo/
より
※ 政党の順番はコピペによる順番です。
※ 都民のかたは、このリンク先で自分の選挙区の当選者と得票数を確認できます。


毎日新聞などの、東京都議選の投票を終えた有権者を対象にしたインターネット調査では、

東京五輪・パラリンピックをこのまま開催することに「賛成」と回答したのは全体の37%、「反対」は56%だった。

そうです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/004ec8994d49136b5ee5ebf85edf4368fdff00f8
より


オリンピック開催に反対は半数以上だけど、それを“積極的”に政治に反映させるつもりの人は少なく、支持政党がある人は、それを変えるつもりはない。
といったところでしょうか?

支持政党を変えた人、変えなかった人の意見、そして投票に行かなかった人の思いは、それこそ調査で明らかにして欲しいところで、そこを想像するのは難しいと思います。

ですが、ですがですが、そこをあえて無理矢理想像すると、
「今回は、“消極的”反対者がいたのかも知れない」
と思いました。

どういうことか説明すると、
「いつもは○○党に投票しているけども、オリンピックには反対、でも他に良い政党は無いし、だから今回は投票しに行かない」
「○○党を裏切るわけにはいかないから、他の党には入れられない。だけども、今回投票すると今だって日に日に感染拡大している中で後から問題が出たときに誰かから文句を言われるかも知れない。だから、天候の悪さや外出を控えていているのを言い訳に、今回は投票しに行かない」
といった感じで、支持政党が決まっている人が、あえて行かないことにより、“消極的”意思表示として選挙に行かず票を入れなかった可能性があると私は見ています。

投票率が低いから「政治への参加意識が無い」のでは無くて、“消極的”な形ではあるのですが、参加はしているのです。
なので単純に投票率だけ見て文句を言うのも違うのではないか?と思っています。

私がよく書くエニアグラム・タイプ6の国民性で表現すれば、「あえて積極的に未知や混沌と関わらずサイレント・クレーマーとして、静かに立ち去ることにより意思表示を行なった」ということになります。
お店に問題があるとき苦情は言わず二度と行かない、もしくは改善されるまで周りが受け入れるまで行かない心理と同じだということです。
こういった行動も、タイプ3なアメリカから言わせるとパッシブアグレッシブとなるのかも知れません。

※ 『アメリカ人の言う「Passive Aggressive(受動攻撃)」とタイプ6について

ですから、この文章の最初のほうで「“積極的”に政治に反映させるつもりの人は少なく」と書きました。

私が見る範囲で「“消極的”反対者」のことを書いているコメントが無かったので、(8年ぶりに50%を割れるという)低投票率の一つの解釈として「そういう人もいるだろう」と、この感想を書いてみました。

蛇足となりますが、
とすると、騒ぎが収まりさえすれば、政権支持率と共に投票率も戻ってくることになります。通常、一番選択の負荷の無いところ(考え悩まなくていいところ)に日本人は向かうということです。
誰か、政権支持率・政策支持率・投票率(あと政党や政治家のポジティブ/ネガティブ・メディア取り上げ数)の相関を調べて欲しいものです(政策支持率が落ちると考え悩むことなるので、政権支持率と投票率が落ちるものと予想しています。プランBが無いので、積極的に政権交代までにはならない。プランAの力が弱まる形で出てくる)。

余計な感想を書き加えれば、投票率を上げるためにスマホ投票を求める動きについては懸念しています。
これが今後スマホ投票などができるようになれば、投票を逃げる言い訳ができないし、ごまかしもきかないので、誰かの監視のもとの強制投票がまかり通ってしまう可能性がネットで指摘されていて、これは有り得ると思っています。“消極的”反対もできなくなるでしょう。見かけ上、投票率は上がるでしょうが、集会所からお互い監視しあって一斉に投票するとか、票の売買も起こってくると思っています。


おまけ
ヤフコメより

『都議選、投票率は42.39% 過去2番目の低さ(時事通信) - Yahoo!ニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0caceb5d89b8d579339962e0edd918b4a18bb53

今回はさすがに若い人たちも選挙行って投票率のびるかなって楽しみにしてたのに、ため息…
ネットで文句言ってるだけじゃ何も変わらないんだよ
選挙いかないと!
これじゃ老人たちに有利な政治から抜け出せないよ?
数年前まで一切選挙投票をしなかった。誰がやっても大して変わらないと思っていた。
でも気が付いた、誰かに投票するということは積極的な支持ではなくても、今の体制じゃ駄目だ、というNoの意思表示の手段でもあるということだ


『【東京都議選】期日前投票数は過去最多、4日の推定投票率は前回より低調(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a8389bddf6be0a8eb808b09a510061b1bf0ac4

なんで選挙行かないのか意味わかんない。
あとマスコミがほとんど都議選の話しないのも闇を感じる。

選挙行かない人だけ余分に税金負担してほしい。
こちらは消費税10%にするような政党に票を投じたことないし。
この天気ではって言ってる場合か!?
日本は有権者の方が自ら民主主義を放棄している
一体、何の為誰の為の選挙権なのか?
このまま菅政権の下でずっと苦しい生活を続けたいんだ
自分達でこの国を変えようなんて気概は皆無なんだな
とんでもないドMが多いな、この国は

これは、東京都以外の人の意見なのか、東京都でも選挙に行く4割の意見なのかは分かりません。
オリンピック開催で意思表示する、ほぼ最後のチャンスでもあったので、積極的に発言する人は、このような意見になるのかも知れません。


2021/07/10追記
はてな でのコメントに、

前回都ファについた公明が、今回自民についた、という前提がないと、「自民勝ってるじゃん」って思っちゃうよね。公明ブーストなしでここまで取れた都ファは躍進だし、公明ブーストつきでここまでしか伸びない自民。
文京区の共産トップは五輪中止、都立病院独法化反対を掲げてたのが共産だけだったから、コロナ病床で振り回された大病院を多く抱える文京区の医療従事者も流れたんじゃないかと推察(なお前回も共産は215票差で次点)

というのがあったので、調べてみました。

東京都議会議員選挙、共産党が一位だった文京区の場合

        2017年             2021年(今回)
全体      95964            ⇒ 85989(-9975)
共産(福手裕子)26782(落選)        ⇒ 30815(1位当選)(+4033)
都民(増子博樹)42185(公明支持、1位当選) ⇒ 30077(2位当選)(-12108)
自民(中屋文孝)26997(2位当選)      ⇒ 25097(公明支持、落選)(-1900)

簡単な解説
共産党に4千ちょっとの票が動いた。
都民は、公明の支持が無かった。オリンピックの影響は不明だが1万2千百の票が逃げた。それでも2位当選した。
自民は、公明の支持があったにも関わらず、全体として千9百の票が逃げ、3位落選となった。
全体としては、前回より1万の人が投票をしなかった。
都民・自民、合わせて1万4千(14008)の票が逃げたが、共産に動いた票はその内、4千ちょっと(4033)、約3割(29%)だった。残りは無投票だった。


別の区もひとつだけ調べてみました。
世田谷区の場合
2021年の候補者が18人・議席8

        2017年   2021年(今回)
全体      375635 ⇒ 285601(-90034)
都民(福島理恵子)70471 ⇒ 43096(-27375)
共産(里吉ゆみ) 34621 ⇒ 34225(-396)
公明(栗林のり子)42208 ⇒ (高久則男・公明・新人)32200(-10008)
自民(小松大祐) 25805 ⇒ 26486(+681)
自民(三宅茂樹) 33019 ⇒ 25819(-7200)
立憲(山口拓)  29838 ⇒ 25644(-4194)
立憲(風間穣)新人      23849
自民(土屋美和)新人     22040

世田谷区の場合は、前回に比べ9万もの人が投票に行っていなかったようです。
その中で、自民の小松大祐氏が一人光っています。
天候が悪く、新型コロナで出歩くのに抵抗がある人がいる中、また新型コロナやオリンピックの問題で逆風が吹いている自民党において得票数を一人伸ばしています。

世田谷区の場合、全体に票が少なくなっているのを見ると、新型コロナやオリンピックに不満を持つ人の票がどこにも流れていないことが分かります。
というか、ちょっと無気力なような感じすら受けます。
「都民ファーストの会」の福島理恵子氏は元東芝社員、前回、今回とも支持・推薦なしでトップ当選です。
ですが、得票数は、前回に比べ2万7千票落としています。

各候補者への落胆度合いがマイナス票で分かるようにも思います。


2021/07/11追記
有権者数を選挙ドットコムで調べました。以下の記述は選挙ドットコムと朝日新聞デジタルのデータで書いています。

文京区の2021年投票率は48.66%、前回投票率は、56.5%。
有権者数は、180,945人 前回より +7,790人だそうです。
今回は、2人目の最下位当選が30077なので、16.2%で当選となるようです。全投票数で言えば35%です(1位が35.8%)。
前回の2人目の最下位当選は26997で、有権者数は173155なので、15.6%で当選となるようです。全投票数で言えば28%です(1位が44%)。
1位の共産党候補は前回(3位落選)より4033票増えたわけですが、これは、全有権者数の2.2%です。
この2.2%が浮動票となるようです。かなり少ないですね。


世田谷区の2021年投票率は 43.93%、前回投票率は、51.33%。
有権者数は、761,047人 前回より +18,842人だそうです。
今回は、8人目の最下位当選が22040なので、2.9%で当選となるようです。全投票数で言えば6.7%です。
前回の8人目の最下位当選は18048で、有権者数は742205なので、2.4%で当選となるようです。全投票数で言えば4.8%です。
世田谷区では、はっきりと浮動票と分かるものはありませんでした。

この2つの区だけで結論を述べるのは乱暴ですが、
浮動票は0~3パーセントの間なのかも知れません。

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