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論文レビュー:お母さんが知っておきたいトランス脂肪酸の危険性

食べるプラスチックと言われるトランス脂肪酸。健康への危険が警鐘されて
いますが、改めて何が問題になるのかを確認していきましょう!
今回、参考にしたのは下記の論文です。

炎症および細胞死の増強剤としての<i>trans</i>-脂肪酸:それらの病理学的作用の分子基盤 (jst.go.jp)

トランス脂肪酸とは何か?

トランス脂肪酸(TFA)は、食品に含まれる特定の種類の脂肪酸で、通常は液体の植物油を固体に変える過程で生成されます。トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング、スナック菓子、ファストフードなど、多くの加工食品に含まれており、食生活の中で知らず知らずのうちに摂取されがちです。

なぜトランス脂肪酸が問題なのか?

トランス脂肪酸の摂取が心血管疾患や神経変性疾患などの健康リスクを高めることは、多くの研究で明らかにされています。具体的には、トランス脂肪酸は体内で炎症を引き起こし、細胞の死(アポトーシス)を促進します。これが、心臓病や脳の病気につながる主な原因となります。

トランス脂肪酸が体に与える影響

多くの研究で、トランス脂肪酸が特に強く炎症を引き起こし、細胞死を促進することが確認されました。トランス脂肪酸が体に入ると、体内で炎症を引き起こすことがわかっています。具体的には、トランス脂肪酸が損傷した細胞から漏れ出す特定の物質(細胞外ATP)や、抗がん剤のようなDNAを傷つける物質によって細胞の死(アポトーシス)を強く促進します。このプロセスでは、体がストレスを感じたときに働く特定のタンパク質(Mが活性化します。これによって、炎症が広がり、細胞が次々と死んでいきます。
他の脂肪酸、特に飽和脂肪酸やトランス脂肪酸のシス異性体(構造が少し異なるもの)では、同じような強い影響が見られないことです。つまり、トランス脂肪酸だけが特に強く炎症を引き起こし、細胞の死を促進するのです。

トランス脂肪酸を避けるためのアドバイス

健康を守るためには、トランス脂肪酸の摂取を控えることが重要です。以下のポイントを参考に、日常生活で実践できる方法を紹介します。

  1. 食品ラベルを確認する: 加工食品を購入する際には、成分表示を確認しましょう。「部分水素添加油」や「トランス脂肪酸」が含まれている場合は、その商品を避けることが推奨されます。特にスナック菓子、クッキー、クラッカー、冷凍ピザなどには注意が必要です。

  2. 自然の食材を選ぶ: 新鮮な野菜、果物、魚、肉など、加工されていない自然の食材を中心にした食事を心がけましょう。これにより、トランス脂肪酸の摂取を自然と減らすことができます。

  3. 外食を控える: ファストフードやスナック菓子にはトランス脂肪酸が多く含まれていることがあります。自宅で調理することで、使用する油や食材を自分で選ぶことができ、トランス脂肪酸の摂取を抑えることができます。

  4. 健康的な油を使用する: 調理に使用する油を選ぶ際には、オリーブオイルやキャノーラオイルなどの健康的なオプションを選びましょう。これらの油は、トランス脂肪酸を含まず、心臓の健康をサポートする脂肪を提供します。

バランスの良い食事が重要

健康への影響を避けるためのさらなる対策

トランス脂肪酸を避けるためには、食品選びだけでなく、生活習慣全般にも注意を払う必要があります。

  • バランスの取れた食事を心がける: トランス脂肪酸の摂取を避けるだけでなく、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。適度な量の炭水化物、たんぱく質、健康的な脂肪を摂取し、栄養バランスを保ちましょう。

  • 運動習慣を取り入れる: 定期的な運動は、心血管系の健康を維持するために非常に重要です。毎日のウォーキングや軽い運動を取り入れることで、心臓の健康をサポートし、トランス脂肪酸の影響を軽減することができます。

まとめ

トランス脂肪酸の摂取は、心臓病や脳の病気など、重大な健康リスクを引き起こす可能性があります。研究では、トランス脂肪酸が特に強力な炎症と細胞死を引き起こすことが明らかになりました。健康を守るためには、トランス脂肪酸の摂取を控え、自然の食材を中心としたバランスの取れた食事を心がけることが重要です。
自宅での調理では油の種類に注意しながら楽しく食事をしましょう。


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