<特別病室事件>再考(1)
ハンセン氏病患者協議会編『全患協運動史』には、患者たちの「事実」と「誇り」が書き綴られている。日本患者同盟会長長宏は「序文」に次のように書いている。
『全患協運動史』を私に手渡したのは、長島愛生園の金泰九さんだ。ある日、彼の居宅を訪れた私に本場韓国のインスタントラーメンとこの本を渡して、「この本を読めば、ハンセン病の歴史がわかるよ」と言った。自宅に帰り、早速読み始めてすぐに、目の前にまるでその場にいるような映像が流れてきた。あまりの残酷さと理不尽さのなかで、立ち上がっていく