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インディーゲーム開発者向け【超有益】Steamキー転売ヤー対策 誠実なレビュアーを見つける方法を教えます

こんにちは、ゲームレビュアーのえむ(@emu_game2020)です。

本記事ではSteamキーの転売問題から誠実な配信者やレビュアーにSteamキーを届ける方法について考えてみたいと思います。

私は現在ゲームレビュアーとして活動しており、アドベンチャーゲームシミュレーションゲームのレビューサイトを運営しています。

そのなかで大手パブリッシャーから少人数開発のデベロッパーまで、規模を問わずレビュー依頼を頂いています(みなさん、ありがとうございます!)。

そのため、本記事はレビュアーとしての目線で書きます。

自分たちのゲームをレビューして欲しい開発者と誠実な配信者、レビュアーがつながることを願って。

Steamキーの転売問題とは

Steamキーの転売について、整理しておきたいと思います。

簡単に流れを説明すると、
①インディーゲーム開発者などに「自分のチャンネルで配信してあげる(キュレーターページでレビューする)からSteamキーをくれ」と連絡をしてくる。
②キーをもらうと配信やレビューをせずにトンズラ
③もらったキーを転売する。
という流れでSteamキーが転売されているようです。

転売問題で話題になった記事

転売ヤー撃退の事例

転売問題はたびたび話題になりますが、直近ではGame*Sparkの記事に端を発して盛り上がりを見せました。

Steamキーを催促する人たちに対して、開発が体験版のキーを送り、転売ヤーたちはそれをそのまま売ってしまう。結局払い戻しになった転売ヤーたちは報復で悪いレビューを投稿するという流れのようです(詳細は上記の記事を参照)。

ちゃんとプレイした人は体験版だと分かるので、なかなか良い対策だと思いました(このゲームは体験版でも結構ボリュームがあったので、別途製品版をもらってやり直すのは大変そうだけど……)。

Steamキーの送付をやめる事例

Game*Sparkの当該記事がアップされてから2日後、AUTOMATONからもSteamキー転売ヤーに関する記事がアップされました。

11 bit StudiosがSteamキュレーターにSteamキーを送るのを止めたという内容です。
キーのリクエストはほとんど転売ヤーで、彼らのレビューに価値を見いだせないからという理由のようです(詳細は上記の記事を参照)。

日本の開発者の事例

約1年前にもAUTOMATONから転売に関する記事が出ています。

さまざまな方の実体験ツイートが紹介されているので、こちらも詳細は記事を読んで頂きたいのですが、内容としては前出の2記事と同じようなものです。日本のクリエイターの話なので、より身近に感じます。

誠実な配信者・レビュアーにSteamキーを届けるには

そもそも売りこみは手間がかかるもの

ゲームでもなんでも知ってもらわないことには売れません

今までに見たこともないようなエポックメイキングな作品であっても、メディアの記事やSNSの投稿などが一切なければプラットフォームのサイトで発見されるまで存在に気がついてもらえません

見つけたとしてもゲームの魅力が上手く説明されていなければ、購入までのハードルはかなり上がります。

魅力を知ってもらうためにはメディアにプレスリリースを送ったり、SNSの投稿やトレーラーの製作など、ゲームを作る以外の作業が発生します。

ゲームを作りたかったのであって、売るための付随作業がやりたいわけじゃない。面倒くさいと思う開発者がいても当然です。本業じゃないのですから。

配信やレビューを依頼する相手の選定も面倒で手間のかかる作業です。その人となりをじっくり観察して、信頼に足る人物かを見定める必要があります。

そこまでやっている余裕がない開発者もいると思うので、簡略化できないかを考えてみました。

最低限の実績を確認してからキーを送る

配信者やSteamキュレーター、私のようなレビューサイト運営者に到るまで、過去の実績はチェックするべきです。

配信者:今までの配信動画を確認する。
Steamキュレーター:レビュー内容が短文コピペではないかを確認する。
サイト運営者:過去のレビュー記事を見る。

きちんと運用されているのであれば転売されるリスクは少なくなるはずです。運用履歴が長いとなお良し。

メールが届いたら、相手が本物か確認する

有名な配信者だと偽ってSteamキーをかすめ取ろうとする輩がいるようなので、Steamキーを送ってほしいというメールが届いたら、相手が本物か確認しましょう。

サイト運営者からのメールであれば、運営しているサイトのドメインとEメールのドメインが一致するかを確認する。
私はパブリッシャーやデベロッパーとのやり取りは運営サイトのドメインを使ったメールを使用しています(TwitterのDMも併用)。

事務所所属の配信者であれば、所属会社に問い合わせるのが有効ですが、それ以外の場合は以下がおすすめです。

配信チャンネルやSteamキュレーターページ、運営サイトからリンクされているSNSから開発者のSNSアカウントにDMを送ってもらうように依頼します。

偽物であれば、DMは送れません。これで本物かどうか分かります。

SNSアカウントで「〇〇(ゲーム名)に興味がある」とツイートしてほしいと依頼すればよいという意見がありましたが、おすすめできません

キー提供を対価としてツイートを要求した場合、ツイートする側がPRと記載しないとステマと判断される可能性があるためです。

私もこのゲームおもしろそう!とツイートした後に、じゃあやります?的な感じでキーを頂く機会はありますが、時系列が逆になることはありません。

消費者庁のサイトに掲載されている「資料4 ステルスマーケティングに関する実態調査」P.15に商品提供とステマの関係が記載されています。

おわりに

ここで挙げた対策は万能とは言えないかもしれません。しかし、転売ヤーを回避する確率は上がります。

本記事が少しでも開発者の役に立ち、誠実な者同士がマッチングできるように願っていますし、その結果として優れたゲームがより多くの人に認知されるといいなと思っています。

私は面白いゲームを世に広めたいと思い、レビュー活動をしています。
気になった方はTwitterやサイトをチェックしてみてください。レビュー依頼も受け付けていますので、お気軽にどうぞ!(最後にちゃっかり宣伝するのであった……)

※今回はKeymailerなどのキー配布サービスについて記載していません(私は登録だけして使っていないので、内容が分からないため)。
必要があれば、一条さんの『インディーゲームサバイバルガイド』P.146-147に該当の記載があります。


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