印象深いアドベンチャーゲームをサブジャンルごとに紹介する
筆者はアドベンチャーゲーム専門ブログ『えむべんちゃー』を運営しているが、今までアドベンチャーゲーム遍歴や印象に残ったゲームを紹介する機会がなかった。
そこで本記事では過去にプレイしたアドベンチャーゲームのなかで印象に残ったゲームをサブジャンルごとに紹介したい。
はじめてのアドベンチャー『必殺仕事人』
筆者も周囲の子どもたちと同じく、親にせがんでファミコンを買ってもらった。
しかし、ソフトのチョイスがおかしかったのだ。
『必殺仕事人』
どうみても子ども向けではない。プレイしはじめてすぐにぶん投げた記憶がある。
当時は必殺シリーズ自体を見たことがないし、主役の中村主水が誰かも分からなかった。
なぜ『必殺』を買ったのか、正直よく分からない。今考えると親がやりたいゲームを買ったではないか?と訝しんでいる。(マリオとかもっと無難なのがあっただろうよ……)
でもそのおかげで、王道よりもちょっと変わったゲームを好み、楽しめるようになった。
その後にセガサターンで発売されたアクションゲーム『必殺!』を買うことになった話はまた別の機会に……。
アクションアドベンチャー
私のなかで『シェンムー』は大きな存在だ。
最初にプレイしたのは本編ではなく、体験版『What’s シェンムー ~湯川(元)専務をさがせ~』
当時ドリームキャストの販促キャラクターとなっていた湯川常務(当時)がシェンムーの世界に飛び込んだゲームで、今考えるとかなりキワモノゲーだった……。
シェンムーの主人公・涼が湯川常務を追いかけるQTEがやたらと記憶に残り、これはおもしろそうと思って本作を買ったところ、大ハマリ。
モブキャラまでもが生き生きと過ごしている世界観、父の仇という分かりやすいストーリー、涼の男気あふれる姿に感激した。
I、IIが発売され、次はどうなるのかと楽しみにしている間にすっかり大人になってしまったが、18年も待って『シェンムーIII』が出たときには(ゲーム内容は置いておいて)、とてもうれしかった。
ホラー
一番印象深いホラーアドベンチャーは『SIREN』をおいて他にない。
ひなびた田舎町・羽生蛇村を舞台とした陰鬱な雰囲気が見事に表現された和風ホラーの名作だ。
屍人の視界をジャックしながら、その存在を避けて進み、いざ出くわしてもガンガン倒していくことはできない。無力であることでより恐怖を感じた。
すべてを語らないストーリーテリングにも魅力があった。複数キャラクターの視点で体験する群像劇のスタイルとアイテムから全容を読み解いていく作りで考察が捗った。
筆者は友人と交代でプレイしてなんとかエンディングまでたどり着いたが、その難易度の高さも印象に残っている。
期間を空けて発売された『SIREN:New Translation』では世界観はそのままに登場キャラクターを外国人に変えたが、戦闘でゴリ押しできるようになってしまったことで恐怖が薄れ、凡作となってしまったのにはしょんぼりした……。
推理アドベンチャー
推理アドベンチャーで思い出深いのが『時空探偵DD 幻のローレライ』だ。
吸血鬼探偵・鳴神雷蔵と助手の霧姫が活躍する推理アドベンチャーで、父を探してほしいと依頼された雷蔵たちが過去にタイムトラベルして謎を解く。
続編も出たため、そこそこ売れたのでは?と思っていたが、今話しても知らない人が多く、世間的にはあまりウケなかったようだ。
当時としては美麗な3Dグラフィックで、筆者は冒頭で描かれる真夏の描写が本当に暑そうだと感じ、スゴイ!と関心した記憶がある。
正直、ゲームとして、ストーリーは練られたものではないし、ボリュームもないため、おもしろい!と太鼓判を押すタイトルではない。
しかし、筆者はその雰囲気にハマってしまい、未だに記憶に残るタイトルとなった。
『探偵 神宮寺三郎シリーズ』のハードボイルドな雰囲気も好きで、行き詰まったらとりあえず使う『タバコを吸う』コマンドがお気に入りだった。
サウンドノベル
私の人生でターニングポイントになったアドベンチャーはチュンソフトから発売されたサウンドノベル『街』だ。(当初は「〜運命の交差点〜」という副題はなかった)
ゲームショップの前で配布していた体験版をもらい、家でプレイしたとき、衝撃を受けた。
テキストを読むことがベースながら、背景には実写の渋谷の街。
8人の主人公がお互いを意識せずとも関わり合い、誰かの行動が別の誰かに影響を与える。
それをプレイヤーが選択して、主人公たちの人生を紡いでいく。
今までの読書体験とは違う。これはゲームでないと出来ないと驚いた。
もちろん、元々小説が好きで文字を読むことに抵抗がなかったのも大きかったのだろうが……。(周囲の友人たちは文字ばかりだと離脱していった)
『街』のおかげで、ゲーム内で文字を読むノベルゲーに興味を持った。
ギャルゲー
はじめてプレイしたギャルゲーはドリームキャストで発売された『月は東に日は西に 〜Operation Sanctuary〜』(通称:はにはに)。
当時は美少女ゲーの移植だとは知らずにプレイしていて、こんなジャンルのゲームもあるのかと思っていた。
『はにはに』は空からヒロインが降ってくる荒唐無稽な話だったが、そんなことに疑問を持っていたら負け。普通に楽しめた。
最初におもしろいと思えるタイトルに出会ったことが今のギャルゲー好きにつながっている。
次に印象深いのがドリームキャスト『北へ。White Illumination』
北海道を旅行中の主人公が各地でヒロインたちと出会うストーリーで、透明感のあるイラストがふんわりとした雰囲気を出していて良いゲームだが、度肝を抜かれたのはOP曲。
透明感なんて知らんわ!と言うかの如く「北へ~ゆこう ランララン」と元気に歌い出すOP曲のぶっ飛び感には呆然とした。
現在、ゲームの記憶はほぼなく、このOP曲だけが記憶に残っていることを考えると、実は名曲だったのかもしれない……。
私の性癖に影響を与えた『Thread Colors〜さよならの向こう側〜』も忘れがたいタイトルだ。
詳細は記載しないが、おかげで闇(病み)のあるヒロインがいるタイトルが好きになってしまった。
ギャルゲーはヒロインがかわいいかはもちろん、個性的であるか、病みキャラがいるかが気になる。
あとは主人公が苦悩するストーリーがあるのが好きだ。ヤンデレ登場でホラー展開になると大興奮する!
百合ゲー
私が百合に目覚めたのは最近だ。百合漫画から入り、百合ゲーも少しずつプレイしている。
とくに素晴らしいと思うのは『FLOWERS』だ。
淡く儚げなキャラクターと硬質な文体、ストリングスとピアノが印象的な音楽。どれを取っても高貴でこの世のものではないような雰囲気が最高だった。
これからも素晴らしいアドベンチャーゲームがリリースされるのが楽しみだ。
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