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「駅に2000人いる顔」相席スタート山添さんの魅力

2021年3月1日、相席スタートの山添さんが様々なゲストと一緒にコントを行うライブ・山添展を見た。

私は去年の第一回山添展を見た衝撃が未だに忘れられない。以来、すっかりこのライブの虜になった。ゲストが豪華であるとか、幕間に生歌があるとか、開演前の演出も遊び心があるとか、このライブの魅力はたくさんあるのだけれど、私が思う一番の魅力は「色々な山添さんが見れること」である。

山添さんは、数年前にアメトーークの「イマイチ印象残らない芸人」でリーダーを務めたくらい、目立った特徴がない。吉本男前ランキングの上位に入るほどのイケメンではないが、ネタになるほど不細工だったりスタイルが悪いわけでもない。まさに、駅に2000人いる顔。己の個性を武器に勝負するお笑いの世界において、この絶妙なモブ顔は大変だろうなあ...とこの回の放送を見てぼんやり思った記憶がある。

でもこの山添展は、「特徴がない」という特徴が最強の武器になっていると思う。
もし個性の強い芸人さんが同様のライブを行う場合、役名を全て変え、世界観をもっと作り込み、観客はその世界に没頭する必要があるだろう。
しかしこの山添展は、全てのコントが「山添寛」のまま行われる。それにより観客である私は、あくまでも日常に軸足を置いたまま、様々な山添寛が生きる世界を違和感なく覗き見できた気がした。
そのお陰で、この発想ってどこまでがネタでどこからが本音なの?とか、こういう人って周りにいてもおかしくないわ〜とか、意味不明な主張だけど、ずっと聞いていると何だか納得しそうになってくる...とか(それは最早詐欺師のテクニック)、爆笑している時間と俯瞰に戻る時間が繰り返される独特なライブだったなあと思う。

話は少し逸れるが、私が大学に入学して初めて受けた基礎ゼミで、担当教授から「【普通】という言葉を使うのはやめなさい。普通の基準は人によって違うのだから。」と教わったことをよく覚えている。その教授の言う通り、真実はいつも一つかもしれないけれど、普通は人の数だけ存在するのだ。

だからこそ、すぐに果てる男も、自分に都合の良い男も、流されやすい男も、小狡い男も、紳士的だけど魅力に欠ける男も、爽やかに変態な男も、恋愛の常識がバグっている男も、己の肩書きに自惚れる男も、憑依する男も、突き抜けて狂った男も、全部全部、世界のどこかには「それが普通」な人間がいるはずなのだ。

そんな普段は忘れがちな世の中の真理を、この山添展で、山添さんが、山添さんのまま教えてくれた気がした。

私はこのライブの大大大ファンなので、(もちろん相席スタートのお2人が大好き)本当ならば、事務所の垣根を越えた豪華ゲストとのここでしか見られないコントを、幕間のにゃんぞぬデシちゃんの歌声を、そして一人十役をこなす山添さんを生で見て聴いて笑って、直接拍手を送りたかった。

来年の山添展はこの願いが叶うと信じて。
ピザとコーラを片手に生配信を見た、大の山添展オタクより。

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私の相席スタート愛は別の記事でも書いてます▶︎https://note.com/emto_3/n/n893c862b9001
山添展も相席スタートのラジオもまたやってほしい〜〜頼むぞどこかの偉い人〜〜〜!


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