「しない権利」を認める共同意思決定(コンコーダンス)
みなさん、こんにちは!エンパブリックスタッフの渡邉です!
この記事では、empublic Studio内で毎週開催しているランチトークの様子をご紹介します♫
今回の企画は?
今回は「動画をみよう」回!
エンパブリックスタジオでメンバー向けに配信しているテーマトーク動画や手法の解説動画などを掘り出してきて、一緒に視聴しようという企画です!
今日は、スタジオ内で配信中の「元公務員萩元直樹の住民主体のまちづくりch」から「#5 shall we コンコーダンス?」の動画を試聴しました!
「コンコーダンス」って?
1、2月の時期といえば、行政の連続講座では最終回に向けてラストスパートをかけていたり、会社であれば新年度に向けて研修を進めているところもあるのではないでしょうか?
そして、最近は「一方的なセミナーや講義だけではなく、ワークショップなど主体的に参加できる形式で行いたい」という声もよくお聞きします。
とはいえ、「主体的に参加してください!」とストレートに言っても、動くものではないですよね・・・
そんな時に、
「主体的に動きなさい」と指示するわけでもなく、「主体的に動いてくれたら〇〇してあげる」と誘導するわけでもなく、参加者とコミュニケーションしながらお互いに「そうしよう!」という状態になるために必要なのが「共同意思決定(コンコーダンス)」という考え方です。
「しない」権利を認める
そもそも「コンコーダンス」という言葉は、英国の保健省と薬学会による、薬の飲み忘れや中断問題の議論の中で生まれてきた言葉とのことでした。
みなさんもつい薬の飲み忘れをしてしまったり、服薬途中でやめてしまったりなどの経験はあるのではないでしょうか…?
医療者側から見れば、診断して最適手段として選ばれた治療法や薬は「守るべきもの」ですが、患者の情報の受け取り方や価値観、生活スタイル等などさまざまな理由によって、医者と患者の考えや行動が行き違ってしまうことは多くあります。
そこで、専門家としての医者の方針と実際の治療を実践する患者を"調和"させる考え方として、出てきたのがコンコーダンスでした。
ここで大切なのは、治療を進める主体を医師から患者に移し、するもしないも患者が選ぶということにあります。
医師が治療の主体となる場合は、「治療・服薬をする」ことがベースとなってコミュニケーションが進んでいきますが、それが患者にうつることで(医師が判断した治療・服薬)を「しない権利」が生まれます。
そんな「しない権利」を認めつつも、医者としての専門的な知見を持ち寄り、双方納得できる治療方針を決めていく、ということがまさに共同で意思決定の意味になります。
コミュニケーションをし続ける
しかし、患者の感情や考えに合わせるわけでもなく、医者の知見や方針に従うわけでもない、そこで行うコミュニケーションというのはあまりイメージがつかない方も多いと思います。
そんな時に必要なのは、
1. 相手の考えを聴き、自分も考えを伝えていきながら相互理解を深めること
2. コミュニケーションをし続けていくこと
でしかない、とのことでした。
お互いの価値観や考え方を共有する中で、「お互いこういう考えなんだね」ということが見えてきてはじめて、「じゃあどうしようか」という話が始まる。
それが、お互いの意見を"調和"することであり、まさにコンコーダンス的なコミュニケーションであるとのことでした。
「いやあ時間がかかるなぁ…」と心の中で呟いてしまいましたが、動画内では、代表の広石から「人はそう簡単に合意しないよ….!(迫真)」というセリフも出てきていました。
そうか、とにかくやるしかないないんだなと思うと、なんだかちょっと元気が出ますね….^^
どう声を受け止めて、どう進んでいく?
とはいえ、相互理解とコミュニケーションを続けていくことはわかったけれど、実際にどう話していけばいいのか、受け止めた声をどう活かしていくのかなどなど、悩みは尽きません・・・
そこで、エンパブリックスタジオでは、今年の1〜2月を「住民主体をすすめるキャンペーン」として、住民主体をテーマにした対話のセッションやイベント、商品紹介をおこなっていきます!
キャンペーン後でも、引き続きこのテーマについて考えていこうと思いますが、ぜひこの機会を「住民主体って?」を考えるきっかけにしてみてください^^!
★おすすめ書籍の紹介
今回試聴した動画の元にもなっている「専門家主導から住民主体へ」では、地域を中心とした現場で住民主体を進めていくためのコツやヒントとなる事例を紹介しています。
「今超モヤモヤしてます!」という方、あなたが共感できる言葉が詰まっていますので、ぜひ参考書のようにお使いください(笑)
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