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日常から学ぶ力が未知の状況への力になるー広石コラムVOL.20

緊急事態宣言が延長されるようですね。なかなかコロナが落ち着かず先々の不安が多い中、今こそこのコラムにある「学び」のような事が大切なのではないかなと思い、紹介させていただきます。(事務局新村)
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5/10に、ベテラン・コンサルタントの加藤誠也さんを招いて「ビジネスがおかしくなっている時、何を見失っているのだろう?」をテーマに対話を行いました。
加藤さんが企業の現場に入って一番危機感を覚えるのは「自分がわからないことを重要ではない」と考える人の存在です。これまでの自分の仕事経験から重要、重要でないと考える。それ自体は悪くないけども、それがすべてになってしまうと、経験則に当てはまらないこと、想定外のことが目の前で起きていると目に入らない、目に入ってもスルーしてしまう。その背景にあるのは、「自分には、まだまだわからないことがある」という畏怖の気持ちが薄まっていることだと指摘されていました。

自分のこれまでやってきたこと、誰かの指示「バランスをとる」といった耳障りのいい言葉に頼り、自分自身で考えるのを避ける=学ぶのをやめるのが、仕事も会社も弱まらせてしまう危険性が高いのだと。

ここで、「学ぶ」という概念の転換がポイントになってきます。「学ぶ」を情報の獲得や技能の習得を"教えてもらうこと"と考えてしまうと、経験を積めば、「こうすれば、こうなる」とわかるようになります。そうすると、作業は効率的になります。そうすると、新しい状況や困難さ、自分の仕事にとっての不都合な真実に向き合い、考えることよりも、今までやってきてミスしない作業の方にエネルギーを傾ける。そこに罠があります。

しかし、日々の困難や環境の変化の中で、自分の仕方が通用しない状況、自分が理解できない状況に対して、どうしたらいいか考え、情報を集め、工夫を試行錯誤し、自分なりの知恵(=intelligence)を獲得していくのも「学ぶ」ことです。そう考えると、いつも自分の周りに学びはあります。そして、学ぶ力が新しい未知の状況に向き合う力を与えてくれます。

根津スタジオで大切にしているのは「日常で学び続けていく力」です。「雑談から始まるファシリと場づくり」は、ファシリテーションのヒントを日常の中で学び続けていくコツを得ることを目的としています。「問いかけゼミ」は、より質の高い学びを得るために、どのような問いを設定するのか、そこに焦点を当てています。そして、日常の中で違う考えや立場の人と学びあう関係をつくる「ソーシャルラーニング」についての講座も開催します。

「相手から学べること」「共に学ぶこと」に関心を寄せれば、相手への関心も高まり、一緒にチャレンジに挑む勇気もわいてくる。そんな学びあいについて理論から実践法までを、対話「地縁とイノベーション」のゲストで、持続可能な開発の専門家として数多くの実践現場に関わってきた佐藤真久さんを迎えて、共に考えます。

どうしたら学び続ける組織や地域をつくれるか。みなさんと一緒にこれからも考え続けたいと思います。       
                   エンパブリック代表 広石拓司
                   (2016年5月17日記)

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エンパブリックもリモートで社内ミーティングを行っていますが、このミーティングの中でいつも日常的に学び続けていく大切さを実感します。そのような環境に居られてこそ感じられることなのだと思いますが、いろんな方に共有したいなと思い、紹介させていただきました。(新村)

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