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活動報告:新宿区地域支え合い講座開催しました!~地域の活動の再発見って?

エンパブリックで講座事務局の仕事をしていると、地域の隣人や仲間のことを思い活動をしている人たちがたくさんいるということ、また、現場の中で一つ一つ丁寧に運営されていることを知り、本当に頭が下がる思いをします。
しかし、コロナウイルスの感染の影響で、地域の活動が以前のようにできない状況が続いています。
そのような中で、11月より新宿区地域支え合い講座を開催しましたので、そこでの気づきをまとめてみます。

なぜ、タイトルに「再」がついているのか

本講座は、地域包括ケアを推進していく中で、地域の支え合いを実現するため、地域の方々による活動を増やしたり、活動に参加する人を増やしたり、地域の活動に興味のある人の初めの一歩を応援するというのが目的です。

講座運営をするときには、講座のタイトル付けはとても重要なプロセスなのですが、
今回の講座は、
第1回目は「あなたの活動を再発見!~今、地域できることを考えよう 」
第2回目は「ご近所力再発見! ~身近なつながりを見直そう 」
となりました。
どちらも「再発見」がついています。なぜ、再発見だったのでしょうか。

コロナで「当たり前」ができなくなって気づく価値

今年、コロナの感染拡大を経験し、誰もが、日常で意識せずに行われていたものがなくなり、改めて、その価値に気づくという経験をしたのではないでしょうか。
私自身は、苦痛だったはずの通勤の時間すら、オンとオフの切り替え効果があったと気づきました。

それと同じことが、地域の活動にも起きています。
コロナで活動ができなくなってみて
「月に1回の集まりだったけど、自分にとって大事だったんだと気付いた」
「この活動が自分たちの居場所だったんだと気付いた」
「自分たちの活動の○○だけは大切にしたいと思った」
そんな地域の声をききました。

それぞれ、ご自身にとっての活動の意義を改めて認識されたということではありますが、実は、コロナ以前から、地域の活動の社会的価値については、多面的で多様な意味を持っているとされてきました。それは地域包括ケア推進においても期待されるところです。
例えば、地域の「合唱サークル」には、「歌を楽しむ」と共に、「仲間に会う」「見守り」「地域の知り合いを増やす」「自分を活かす」というように様々な意味があります。元気なうちから、地域でそうしたつながりを作っておくことの意義ともなっています。

これを講座の中でお伝えすると「コロナ禍における日ごろの活動について捉え直す良い機会となりました」といった感想も。

しかし、お話を聞いてみると、講座で私たちがお伝えする前から、コロナで活動が止まっても、会員同士で電話やメールで連絡を取り合ったとか、会報で情報を届けたといった団体さんもたくさんいらっしゃることもわかり、自覚をされていなくても、「見守り」「つながり」の部分を果たされているんだと、これまた改めて頭が下がる思いとなります。

「なぜ」を考えると次の一歩が見えてくる

コロナの感染が広がっている中で、活動をどう続けていくかは、団体運営の方を悩ましているところでもあります。
講座の中では、そういう時こそ「なぜ」を考えてくださいとお伝えしています。
目の前の「やること」に注目していると、それができないから、活動もできないとなります。合唱サークルも、歌はこの状況ではなかなか厳しい、お食事の会もコロナ感染といった意味では開催はかなり難しい、じゃ、感染対策も大変だし、やめようかとなります。
しかし、その時に、改めて自分たちがなぜこれを続けている意味を考えて、例えば、「月に1度仲間と会うのが楽しみ」が理由ならば、歌でなくても、食事でなくて、とりあえず集まって、違うことをしてみましょうかという展開も考えられるようになります。
講座の中で、このように、何をするか、どうするかだけだと活動が行き詰まってしまうかもしれませんが、なぜを考えると、新しいやり方が見えてくるのではとお伝えすると、「なるほど、自分たちは何をどうやるかに注目していた、なぜを考えてみようと認識を新たにした」いった声を聞くことができました。

オンラインへのシフトもそういう考えを基にしたらよいのではないでしょうか。「歌をうたう」にだけ着目するとオンラインでは無理となりますが、仲間と会いたいという発想からなら、何とかつながろうとして、オンラインも一つの方法かなと、考えられるのではと思います。

まとめ

ということで、今回の新宿区の地域支え合い講座は、
・地域の活動の社会的な価値を再発見!
・なぜを問うことで、自分たちの活動の根幹を再発見!
そんな意味も込めた講座でした。

地域の方が、実際に地域や現場の中で実施されていることに対して、リスペクトをしつつ、その価値について改めて振り返って頂く場を提供する。普段思っているが表にできていないこと「口にする場」を提供する。そして、そこから、活動の次の一歩へとつなげて頂く。
それが、地域で講座をするエンパブリックの役割の一つではと考えます。

ちなみに、新宿区の事業の中で、リアル&オンラインのハイブリッドで講座を開催したのが最初ケースだったようで、そういった点からも注目されていた講座でした。オンライン利用はなかなか「オンラインでもできるんだ」というイメージがつきにくいというのもあります。その部分の先陣を走るというのもエンパブリックの役目であると思っています。
(スタッフ 矢部)

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