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ここの所、肩こりがひどい。おそらく眼精疲労からきているやつだろう。肩通り越して首まで痛い…
夜、道を歩いていると街灯の下に雲がうずくまっていた。 「浮かび方をわすれてしまって」 気の…
1 あー人間に擬態して生きんのしんどいわ。けど、うまい飯が買えて暖かい家知っちゃったらさ。…
ラーメンを前に後悔している。 「食べたい味コレじゃなかった…」 迷った挙句にいつも“コレじ…
「今年の依頼はどんな状況だ。報告を」 小柄で目つきの鋭い人物は、傍らの部下を促した。同じ…
① 玄関を開けると、白い枕のようなものが転がっていた。いや、寝そべっていた。それはもぞも…
ふと あの世にいこう と思い立った。 命を絶つわけではない。 いわゆる死後の世界ではなく、ここではないどこかという意味での、あの世。 そこに行くには高いところからとばなければならない。だから乗り合い飛空船に乗った。 年季の入った船体が軋む音がする。 飛空船には、他にもあの世に行こうとしている人がたくさん乗っていたので、情報交換が盛んだった。 どうやら自分の行こうとしているところへは、通行証が必要という噂を耳にした。 それが本当かどうかもわからない。それにどうやったら手に入
わたしは海のほとりにひとり立っていた。 海の色は反射するエメラルドグリーン。反射する光が…
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わたしたちの仕事は、深く潜り、見つけて持ち帰ること。 それはさながら、海女のしぐさに似て…
道の真ん中にさあ、よく軍手が落ちてるでしょ。 あれでね、生き物をおびき寄せるんだ。タコつ…
寝つけずに寝転んでいる。 大量の水が落ちてきた音がした。 強い光も点滅する。 夜中の嵐だろ…
なるほど、そういうことだったのか。 今までの人生での違和感がようやくわたしの腑に落ちた。…
為政者のもとに、ひとりの子どもが歩みよって言った。 「あなた、ずいぶんほこりがあるようですね。少し減らした方がよいのではないでしょうか」 為政者は落ち着きはらって答えた。 「そうとも、私はほこり高き者と言われている。ほこりを失うことは考えたくはないな」 子どもは、為政者の体をはたきながら、驚いたように言った。 「ほんとですね。叩けば叩くほど、いくらでもほこりが出てきます」 その後すぐに、為政者は失脚した。