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働く女性の葛藤 出産かキャリアか

2024年の日本の出生率は過去最低を記録し、合計特殊出生率は1.20にまで低下しましたよね(総務省)。こうした状況の中で、女性社員や、女性管理職にとって出産のタイミングは大きな課題の一つです。

私の経験も赤裸々にお伝えしていきますので、女性社員を抱えている男性上司の皆さんや、経営者・人事の皆様や、ご結婚前後の男性にも読んでいただけると嬉しいです😊


キャリアと妊娠・出産ははトレードオフ?

「仕事を休んだら私のキャリアはどうなるんだろう」
多くの女性管理職と出会う中で、「産み控え」や「バースコントロール」といったキーワードがよく話題に上りました。このように出産とキャリアの両立は難しいと考えられがちで、出産によって一時的に仕事から離れることになるため、キャリアとのトレードオフは避けられないように感じている人も多いのではないかと思っています。

かつての私もそのような考えの持ち主でした。26歳で結婚したものの、20代は仕事に没頭し「あと1年、あと1年」と出産を先延ばしにしているうちに、タイミングを逃してしまいました。その結果、不妊治療に苦しみ多くの悲しみを経験しました。私の周りでも、卵子凍結や不妊治療、高齢出産を選ぶ女性が増えています。

子どもをもつ自由とキャリアの選択

子どもを持つかどうかは完全に個人の自由です。産むかどうかも自由です、里親制度もあります。また、子どもを持たないという選択も尊重されるべきです。でももし、あなたが子どもを望んでいるのであれば、会社やチームに迷惑をかけることや昇進が遅れることを恐れて躊躇しないでください。

仕事に復帰した後でも、必ず会社に貢献できる時がやってきます。キャリアが中断されたとしても、何度でもやり直せます。それは寧ろ、人生の伸びしろと考えることもできるのです。

おそらくこの記事を読んでいるあなたは、自分のことはいつも後回しにしてきたのではないかなと思います。断言するのですが、妊娠・出産・育児は仕事とは全く違う領域です。合理性が通用しない、仮説は外れまくる、検証しても意味がない、そんな世界です。

仕事に復帰した後でも、必ず会社に貢献できる時がやってきます。キャリアが中断されたとしても、何度でもやり直せます。それは寧ろ、人生の伸びしろと考えることもできるのです。

あなたが「子どもが欲しい」と思ったとき、その気持ちを後回しにしないこと「望めばいつでもできる」と思いがちですが、年齢を重ねるごとに現実は厳しくなります。

「早く産んだ方がキャリアを築きやすい」、または「キャリアを築いてから産んだ方がいい」という議論もありますが、自分の人生を損得で考える必要はありません。あなたが選んだその時期が、あなたにとってベストな時期だったと信じれば良いのです。

女性社員、女性管理職の出産をどう考えるか

女性社員や女性管理職の妊娠・出産について、企業側はどう受け止めるのが良いのか。結論「応援する」の一択なのですが、その考えが人事や経営だけにとどまり、現場まで浸透していない企業もあり、残念な対応をしている上司も数多く存在しています。そんな上司の下で、女性は働きたいと思うでしょうか。優秀な女性ほど、今の会社で「働き続けられるか」を真剣に考えているのです。男性の皆様、もし、ご自身が生む立場である女性だったらどうでしょうか。

【事例:私の場合】女性管理職のWLBとバイアス


私は、長年不妊で、管理職になってから不妊治療をしました。思った以上に不妊治療は辛く、苦しみました。排卵日前後になると、おなかやお尻に自ら注射を打つ日々…急に決まる病院の日程と時間(排卵する直前に行かねばならず調整難航)。

治療の一環でピルを飲むと、体はだるく精神的に不安定になりやすい。どれだけ努力しても、毎月来てしまう生理に、肩を落とす日々。前進している感じがまるでなく、こんなに辛いならば、いっそ不妊治療を辞めてしまおうか…そもそも自分は母になる資格がないということなのか…夫にも申し訳ない気持ちになり、勝手な妄想は膨らみ、不妊治療を継続して2年目、私自身のメンタルがどんどん病んでいきました。

不妊治療と管理職の両立の限界と原因

当時の私は、メンバーや上司に、不妊治療をしていることを隠していました。内心では、どうせ話しても理解してもらえないと思っていました。「大変ですね」みたいな言葉で、自分が傷つくのが嫌だったし、心配されるのも嫌でした。人に言うことで逆に自分への妊娠へのプレッシャーがかかるんじゃないかとも思っていました。

不妊治療と管理職との両立が私の中で限界に達し、私は泣きながら産業医に相談しました。カウンセラーはただ話を聞いてくれただけでしたが、誰にも話せなかった悩みを、誰かに話せたことで自分の頭が整理され、私は自分のバイアスが、自分を苦しめていたことに気づきました。

そこで、抜本的に自分自身のマネジメント手法をを見直すことにしました。そして、上司と部下に、不妊治療のすべてを伝えました。上司は、「オッケーオッケー!」と言ってくれ、部下は「大丈夫ですよ!」と声をかけてくれて、その時のみんなの顔が忘れられないです。もう…めちゃくちゃ泣きました。

私が捨てたもの、力を入れたこと

業績を作るための商談同行は全部捨てました。その代わり、1on1に力を入れました。アポ前に商談の進め方を確認し、顧客がしそうな質問を次々と投げかけ、メンバーには二の矢を必ず持たせてから、商談に向かってもらいました。

最初は、「不安だから同行してほしい」というメンバーもいました。でも、いざやってみると、メンバーたちは「自分で出来た」という自信で、どんどん挑戦するようになっっていきました。

1つ前の記事で同行を大幅に減らした挑戦を投稿しましたが、今回は同行0です。その選択は、正直めちゃくちゃ怖かったです。でも結果、同行しなくても業績は作れました。(私の営業力がなかったのかもしれないという説もあるのですが)私はこの一件で、何かが吹っ切れました。

マネージャー会議において席を外さねばならないときも、率先して上司が笑顔で「いってらっしゃい!」と見送ってくれたことで、会議の雰囲気を悪くしないようにしてくれました。

「人に恵まれたんだよ」で一蹴する話ではありません。自分が抱えている無意識なバイアスを取っ払って、「じゃあどうするか」でやり方を変えたら、仕事はかなりやりやすくなりました。おまけに成果まで出ました。

あなたの中で、「○○だから無理」と思い込んでることってないでしょうか。自分を苦しめているのは、いつだって自分なのかもしれません。

最後に

私が迷惑をかけたという事実は自分でも受け止めていて、みんなへの「借り」となって私のエネルギーになりました組織は常に全員が100%の元気であることはありません。その時に、どう乗り切るかを思考することの大事さと、試行錯誤が、今の自分を助けてくれる武器にもなっています。私は、この経験で、愛と優しさを学びました。

生みたい時が生み時です。女性社員・リーダー・マネージャーの皆さん、どうか自分の気持ちに素直に生きてください。今の自分には無理だ…と決めるのではなく、「どうにかする」ということを決めて、一点集中、これが葛藤を乗り越える方法です。

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