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「これ私の仕事ですか?」とメンバーに言われたら読んでください


「これ、私の仕事ですか?」

かつて私がPJTメンバーの一員として働いていたとき、同僚が上司に問いを立てていた。彼女は優秀だったし、元々ホスピタリティが高った。そんな彼女が、いつからかそんな発言をするようになった。

当時の上司はその発言に「むっ」としていた。PJTの納期はなんとしても死守せねばならない。「助けてほしい」という思いで彼女に依頼しているのに、突き返されたわけだ。上司自身も辛かったと思う。

ここで上司がやりがちなのは、この発言だけを切り取って批判したり評価してしまい、「彼女は仕事に対してやる気がない」というレッテルを張ることだ。確認すべきは、なぜその疑問が生じたのかという、彼女の言動の真因である。明らかに信頼関係はなく、役割の認識にズレが生じているのだ。

問題の本質を理解する

メンバーが「これ私の仕事ですか?」と言い出す背景には、上司自身の合理的な判断に基づいた短期タスクの分担であるケースが多い。

私たちが当時抱えていた大PJT案件は「納期を守れなければ死」だった。そのため、誰かが仕事を抱えたり、温めすぎたりして、スケジュールに遅延が起こると、後続のタスクが遅れていき致命的になる。だから役割分担とスケジュール管理はなによりも重要だった。

ところが、1人いつも遅延するメンバーがいた。「大丈夫、やっている」というが、期限になって確認すると全く進んでいなかった。こういうケースの場合、最終的には「出来る人」にしわ寄せがくることが多い。それが自分よりも年上で、自分よりも給与が高い人で、いわゆる働かないおばさんだったのだから、腹が立っているのだ。

マネージャーが改善すべき3つのポイント

1.適切なタスク配分と役割の明確化

それぞれの能力やスキル、仕事の進め方の癖を把握した上で、タスクを配分してく必要がある。事前にメンバーの情報を収集しないまま、「グレードが高いから出来るだろう」という配分はあまりにも危険だ。

2.合理性と信頼のバランス

プロジェクトの進行を最優先するあまり、短期的な妥当性だけを頼ると、長期的には信頼関係はボロボロだ。上司の設計がミスっていることを認めずに「ごめん、頼める?」で人は動かない。さらにカバーしている社員への配慮やフォローすらも欠けていたら、尚更だ。それらにも気づかず、何度も繰り返されて彼女はとうとう「これ私の仕事ですか?」を上司に問うたのだった。

遅延をリカバリーするには、出来る人で仕事を割り振ることが当然だろうと思う人もいるかもしれない。しかし、そのような判断が中長期的にはチームの信頼の欠如に繋がっていく。

3.責任感とマネジメント(PJT・人)

メンバーが自分の仕事に疑問を持ち始めるのは、マネージャーがタスクの全体像やプロジェクトの進捗を正しく把握していないことが原因だ。下からは、遅延メンバーへのマネジメントを放棄しているようにも見えたし、「私の仕事ですか?」と言ったメンバーとの会話も明らかに不足していた。

※この記事は、リーダーやマネージャーに向けた記事で、原因と対策をすべてこちら側に置いている。メンバーが変わるのは、上司の言動が変わった後の話だからだ。

チームは全員が常に100%元気であることがない

過去100名以上のメンバーと、いくつものチームを見てきたが、いつだってメンバー全員が100%元気であったことはない、それぞれの浮き沈みの中で、助けたり助けられたりして、チームは前に進んでいく。貢献の姿勢はとても重要であるという文化醸成も大事だが、いつも貢献してくれている人が、偏っていないか。貢献してくれた人への感謝と評価は忘れてはならない。

最後まで読んでくれてありがとうございます。どんなリーダー、マネージャーも失敗をして経験して、スキルと成功体験を生み出していくものだし、強みも弱みもあって、完璧ではありません。原因や課題を、自分の外に置いた瞬間に、課題はズレ、どれだけ行動しても空回りを続けます。

自分だったらどうするかな…と、問題を自分のこととして考えてみてください。きっとどこかのタイミングでその経験が生きるはずです。

こちらの記事が100スキを超えました😊どうしようもないくらい辛かった私の失敗談を見て、元気を出してください🚩ではまた!


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