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【ExperienceDay 2021 開催レポート】ストーリーがEXとCXを高める。熱量が循環する情報発信に欠かせない聞き手とは

※本セッションのアーカイブ視聴はコチラからどうぞ

オウンドメディアやSNSを通した企業の情報発信は、いまや当たり前のこと。自社の取り組みをコンテンツとして社内外に届ける「インハウスエディター」の役割も注目されつつあります。

企業が発信するストーリーは、顧客に共感され新たな価値を生むことがある一方で、自社の従業員のエンゲージメントを高める側面も持っています。本セッションでは、企業の情報発信に欠かせない聞き手の役割、顧客や従業員に熱量を届けるための取り組みについて議論し、ストーリーの機能や役割について考えます。

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ストーリーを通して伝えたいのは、つくり手のこだわりと商品への想い

川久保:
本セッションでは、「ストーリーがEXとCXを高める。熱量が循環する情報発信に欠かせない聞き手とは」と題して、企業が発信するストーリーがEXやCXとどのように関わっているのかを深掘りしていきます。

はじめに、お二人がいまの職場でどのようにストーリーに関わっているのか、なぜ発信しているのかという背景や、発信しているストーリーについて教えていただけますか?

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平山 高敏氏(以下、敬称略):
僕は3年前にキリンに入社して、「note」というプラットフォームで2年前に立ち上げたキリンの公式アカウントでコンテンツ発信の責任者をしています。ほかに、企業発信において広告では伝えきれていない部分をどのように掘り下げるか、SNS上の発信や報道向けのシナリオと連携しながらオウンドメディアとしてどう展開するかを考えています。

以前は「DRINX」というECサイトのコンテンツまわりを担当していて、お客様向けの読み物コンテンツを発信していました。僕が担当するまでは商品の楽しみ方を紹介する内容が多かったんですが、つくり手の尋常ならざるこだわりと技術力、商品に対するカルチャー的な視点からの“想い”を知り、それをもっと伝えられないものかと思っていました。そこで、試しにクラフトビールに関するインタビュー記事をやってみたところ、予想以上に反応が良かったんです。

あとは、社内の情報の乖離が起きている部分もありました。キリンは3万人もいる会社なので、グループ全体に情報がしっかり行き渡っていないと思えるような部分もあって、何か手がないかと考えた時に、オウンドメディアで想いを伝えてみようということになりました。

川久保:
読んでくださる方からの反応はありましたか?

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平山:
はじめはフォロワーがいなかったので、noteの投稿コンテストの機能を活用しながらキリンのアカウントを知ってもらって、そこから我々のクラフトビールの事業をはじめ、より深い情報にふれてもらうことをやってきました。

指標としてはTwitterでどれだけシェアされたかを見ていますが、キリンという大企業が、やわらかいタッチで想いをしっかりと丁寧に伝えること自体が新鮮だったこともあって、読者の方に好意的に受け止めていただけたと思います。

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たとえば、キリンが展開しているビール事業では、日本産ホップの栽培をしている東北の方々とのつながりがもともとありました。東北のパートナーさん達とnote上で一緒になって日本産ホップ産業への想いを発信することで、東北のみならず全国のホップ農家さんやビール造りに携わる方達から共感していただき、近いところから徐々に広がっていく感覚がありました。

最初はファンであるお客様に伝える目的でやっていたところが、むしろパートナーさんから同心円状に広がっていく空気感を感じたので、それはいまも大事にしながら取り組んでいます。

企業広報の活動すべてがストーリーの発信。つくり手の熱量をドキュメンタリーとして届けたい

川久保:
原田さんはどういった取り組みを実践されていますか?

原田 朋氏(以下、敬称略):
私は去年12月にスマートニュースに転職して、現在は PR・広報・ブランディングを担当しています。私の入社前にはPRグループがなかったので、広報組織の立ち上げからがミッションで、スマートニュースにとっての企業広報がどうあるべきかを日々考えています。

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コラム的な意味でのストーリーはもちろん、私にとっては企業広報の活動すべてがストーリーの発信だと思っています。それが必要である理由は、アプリとしてのスマートニュースの体験は日常生活のさまざまな場面で使われるがゆえに、点在して記憶に残りにくい面があると考えるからです。そういった点在する体験をひとつに紡いで、お客様に理解していただきたいと思っています。

もうひとつの側面は、我々はテックの会社なので、ともすると血の通った人の存在を感じないところがあります。その裏側に熱い想いを持ってアプリをつくり上げている人がいるという事実をドキュメンタリーとして届けることが、広報の仕事でありPRではないかと思っていて、その発信を通して我々の企業ミッションに共感してほしいと思っています。

ストーリーを伝えるモチベーションはどこからくるのか?

川久保:
原田さんがストーリーという部分に注目されたのはなぜでしょうか?以前から原田さんのなかにあったものなのか、転職を機にプロダクトを考えるなかでやっぱり大事だと感じたのか、どちらでしょうか?

原田:
そもそもなぜ広告をつくる人から広報・PRに転職をしたのかという話にもなるんですが、どんどん嘘がつけない社会になってきたと日々感じています。逆にポジティブな言い方をすると、企業が何を言うかだけではなく、実際に何をやっているかが生活者に問われる時代になっています。

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そういった意味では、PRはできあがった実際のプロダクトやサービスをどう伝えるかを考える仕事ではあるものの、それらが生まれる現場にPR視点を持って入っていくことで、プロダクトやサービスに社会性をインストールするような仕事ができないかなと以前から考えていました。
そもそもPRとは実際のファクトを通じた社会との関係づくりですから。

そんな時にスマートニュースとのご縁があり、企業ミッションを聞いて、自分がやりたかったことに近いことができて、貢献できるんじゃないかなと思って転職したんです。

川久保:
平山さんは、前職も含めてストーリーや情報発信に関わっていた経験をお持ちですが、個人的になぜそういうことに携わっているか、そういうことに対してモチベーションが湧く理由は何でしょうか?

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平山:
前職では旅のメディアに携わっていましたが、旅先を紹介することは、その旅先の人と旅をする人をつなぐことだと思っていて。最近は“暮らすように旅する”という言葉があるように、その街の日常に溶け込むような旅が求められていて、旅の仕方が変わってきているように感じていました。

そんな空気感があるなか、ローカルから発信している人たちとメディア上の発信を通じて関わることが多かったんです。そういうことをやっていくうちに、何かをつくっている人とそれを消費する人との距離がどんどん近くなっていると感じていましたし、この先も僕自身こういう立ち位置で仕事をしていくんだろうなと、何となく思っていました。

キリンではCSV経営(社会との共有価値)を掲げて地域貢献に関するさまざまな取り組みを行なっていて、その活動をたまたま前職時代に知りました。キリンはプロダクトを持っている会社なので、つくり手とお客様との接合点がより近くなるのではないかと感じて、転職したという経緯です。

運用とともにメディアの役割が変化。“キリンらしさ”を表現するツールに

川久保:
ストーリーの発信を行なうなかで、お客様からはどんな反応がありましたか?

平山:
お客様を“読み手”として捉えると、オウンドメディアを立ち上げた2年前からだいぶ変わってきていると感じています。もともとはビールそのものが好きな方に対して、キリンが考えているビールへの想いを伝えたり、あるいはビール市場そのものを盛り上げていくための記事を書いたりしていました。すると、クラフトブルワーさんやホップ農家さんなど近い方々が共感してくれて、その先の飲み手の人たちにつながっていきました。

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ただここ最近は、ビール事業だけではなく飲料事業や医薬事業も含めたグループ全体を見渡す立ち位置のメディアになっているので、 “キリンらしさ”を伝える役割も持ちはじめています。社員が読んでも「キリンってこういう会社なんだ」と腹落ち感を持ってもらえるような、社内のコミュニケーションのためのツールとしての受け止められ方も、付加価値的に出てきています。

川久保:
キリンさんの人格のようなものをストーリーで語ることができていて、それによって親しみやすさを感じていただけているんですね。

平山:
そこはすごく気をつけています。“何となくキリンはこういう人格だろう”という部分も、社内でのヒアリングを重ねて僕が解釈した言葉遣いで書いたり、社員の言葉をそのままなるべく丁寧に残したりすることで、できるだけキリンの人格を伝えたいと思っています。総合的に読み手にどう受け止められるのが理想なのか、これから言語化したいですね。

社員のパッションを伝えるため、自分自身がメディアとなりストーリーを発信

川久保:
原田さんはいかがでしょうか?

原田:
入社して半年が経ち、ようやく手ごたえを感じはじめているところですが、いま大きく言うと2つのことをやっています。

ひとつは、私たちはまだ急成長中のベンチャーで、採用をすごい勢いでやっているんですね。ですから、その採用候補者の方々にどうやって我々のミッションを伝えるか、社員のパッションを血の通った言葉で伝えるにはどうしたらいいかということに取り組んでいます。

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もうひとつは、生活者の方々向けの取り組みです。スマートニュースは、裏側に熱い想いで取り組んでいる人たちがいることを感じてもらえるタッチポイントが、日常生活のなかにないんですね。それを模索するなかで、私という人間がみずからメディアになろうと思って、Twitter「AdverTimes」のコラムで発信をしています。

「AdverTimes」で好評だったのが、29時間でワクチン接種状況に関する機能をローンチした話。今年2月、新型コロナウィルスのワクチンが医療従事者に先行接種されることが明らかになった時、ワクチンの接種状況に関する機能を開発することになり、ローンチまでの29時間をドキュメンタリータッチでコラムにして配信したんです。

そして採用イベントでも、それに関わったチームのメンバー全員がその29時間をドキュメントしていくようなイベントをやったんですが、それが非常に好評でした。

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もうひとつは個人的な話で、自分の両親にワクチン接種の予約をしたか聞いてみたら、まだできていなかったんです。そこで「スマートニュースのワクチンマップを見れば、家の周りでワクチンの予約ができる病院がわかるよ」と、スマートニュースで調べて「こことここの病院に電話してみて」と教えてあげたところ、予約が取れたと喜ばれたんですね。まさに自社のプロダクトによって自分の両親が助かる体験をしたので、それをツイートしたところ、800回以上のリツイートと1300個のいいねがついて、自分史上すごくバズったんです。

まだまだPR Groupの立ち上げ期で使える武器が少ないので、自分をメディアにしながら、自分の身に起きたユーザーとしての体験をドキュメンタリーしてツイートすることに取り組んでいます。たくさん反響をいただいたのは、ドキュメンタリーのストーリーが良かったこともあるんでしょうけど、それが実際に役立つ情報になっていたからだと思います。

川久保:
普通だったら「こういう機能ができました。便利だからみんな使ってください」というツイートになりますよね。もちろんそれも価値があって、誰かに届いたらうれしいんですけど、個人的な話を含めて本当に役立つことが伝わったんですね。

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原田:
新しい機能ができたから使ってほしいというのは、あくまで企業の一方的な想いであって、ニュースではないんですね。ただ、それによって助かったというエピソードが加わると、ひとりの人間の身に起きたドキュメンタリーになっていくんだなと思いましたし、ドキュメンタリーになると誰かに伝えたくなる、つまりニュースになるんだなと、今回身をもって知りました。

ストーリーが従業員に与えた影響とは?

川久保:
企業がみずから情報発信できるようになり、さらに近年ではそれが内部の従業員にも影響を与えることがより大事になってきていると感じます。お二人がストーリーの発信に関わるなかで、そういったエピソードはありますか?

平山:
コンテンツの発信を続けていると、社内から「私たちのこういう声を発信できないか」というご相談をいただくようになりました。最初はファンづくりをモチベーションとして取り組んでいたのが、いまはキリンの会社全体のミッションを届けていく目的に変わってきています。なので、肉声で届けたい声がより届くようになってきたことを感じますね。

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原田:
ストーリーを語ることは、いまいる従業員はもちろん、これから従業員になってくれる方に対しても影響力があります。我々の経験値ですが、すばらしい経験とスキルを持っている方ほど、「この企業にどういうストーリーがあるのか」という部分を重視して入社してくれるように思います。つまり、自分のスキルを意味のあるかたちで社会に役立てたいという気持ちを持った方が多くて、それはまさに、自分もその大きなストーリーの一員になりたいということなんです。

そういった意味で、ストーリーは採用において大事ですし、大いに影響を与えています。もちろんいまいる従業員も、社会に情報を届ける仕事を通して何かをしたいと考えて入社しています。いろいろなドキュメンタリーを発信することによって、自分たちがどういう気持ちで入社したかを再認識できて、「もっとがんばろう」とモチベーションが上がるきっかけになっています。

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川久保:
例えば企業広告で何か宣言する時、社会に発信することで企業の内部にも「こういう宣言をしたんだよ」と伝える意味合いもありますが、広告はあくまで宣言で、いま取り組んでいることはドキュメンタリーということでしょうか?

原田:
社員のドキュメンタリーに関していえば、自分ごとになる確率が広告とは全然違います。「◯◯さんはこういうことをしているんだ、自分もがんばろう」「◯◯さんはこういう想いをもっているんだ、ちょっと親近感が湧いたな」と、社員の間での共感が生まれて結束が強まることがあります。そういう部分は、社員が主人公のドキュメンタリーだからこその独特さだと思います。

“半分転校生”でいることが、社内の声を拾う聞き手としてのポイント

川久保:
お二人とも、ストーリーを発信したい、あるいは発信しなければいけないという想いがあって取り組みをされていると思います。そういった聞き手としての役割を持った人が企業のなかにいることによって、どのような影響があったかを教えていただけますか?

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平山:
社内での接点が増えましたし、転職してきた身としてはいい意味で “転校生”なので、「そういう視点が欲しかった」と言われることは結構あります。
外から来た身なので、単純に「それおもしろいですね」と思えてしまうし、「これはこういうふうに伝えたらすごく刺さります」というところは、いままでそういう人がいなかったからこそ語れることで、すごく重宝されています。そういったところにおける聞き手は、“半分転校生”でいることがポイントだなと思っています。
つくり手の想いやどういう背景があってその商品ができたのかというところのパッションをただただ深掘りすることも、いままであまりやっていなかったアプローチです。

僕がおもしろいと思った人に声をかけていくことが喜ばれるケースも出てきています。社内のいろいろな声を拾っていくことが、いわゆる「インハウスエディター」の役割でありスキルなのかなと。転校生であるということとピュアに楽しめること、この2つは結構大事で、いまはより一層求められますね。

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川久保:
顧客視点や生活者視点を持ち込む役割でしょうか?

平山:
生活者視点もそうですが、社会課題的な観点で見た時に、関心の高い世代や僕の近しい人たちがどういうふうに見ているかを素直に捉えることかなと。あとは切り口としても、同じような視座の方とnote上でコラボして伝えることで、より自分ごと化されやすくなるのでないか、とか。前職でメディアをやってきたからこそできることもあるんですが、そういうところが社内のニーズとマッチして必要とされて、結果的にそれがnoteのコンテンツとして出るという循環ができはじめています。

外部と内部の想いを汲み取る“半分素人、半分玄人”のスタンス

川久保:
原田さんは聞き手の役割という観点ではいかがですか?

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私の言葉では“素人感覚”や“半分素人”と言っていますが、やっぱり素人でいると社内のいろいろなことに対して純粋に「すごいなあ!」と驚くことができます。そういう感覚を持ち続けられるかどうかが勝負で、社内のことが当たり前に見えてきてしまったら、発信するドキュメンタリーもつまらなくなると思います。

「すごいなあ!」の背景にあるのは、驚く力と、スキルやキャリアの違う人生を歩んでいる人に対する尊敬です。現場で取材をするとやっぱり驚きと尊敬が湧いてくるので、社内への取材心みたいなものを持ち続けたいですね。

川久保:
取材なら外部の人でもできると思われる方もいるかもしれません。でも、内部で想いがあるからこそできることもありますよね。だから、聞き手や発信者となる内部の人が想いを持っていないといけないと思っています。

平山:
それはとても感じますね。同時に、いままで伝えきれていなかったけれど本当は伝えたかったことをnoteのコンテンツがしっかりと伝えられているメディアに見せることで、「このメディアで語りたい」と思ってもらえるようにもなるのかなと思っています。

実際にそういう風にnoteは見られるようになってきていて、noteで記事化したいという声はどんどん上がってきているんですね。その声を聞くと、熱量をもって素直に伝えることがnoteであればできるし、規模は小さくとも読者に着実に届いている実感がある、というのが多いんです。内部でどれだけ想いを持っている人を見つけるか、その上でクオリティを維持しながら伝えたいコアを守れるかがポイントだと思います。

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原田:
私はいまPR・広報としてメディアの方々の取材を助ける仕事をしていますが、いろいろなメディアがそれぞれに想いを持って取材に来られます。それぞれの想いを理解しながら、それに合った社内の人をアサインしたり、一方で社員の熱い想いを代弁するために「この記者さんにはあの話をしたらパッションがうまく伝わるんじゃないか」と考えたりします。外部と内部の想いを汲み取りながら自分の想いを真ん中に置いていて、どちらに対しても“半分素人、半分玄人”のスタンスでやっているところがあるのかなと。

ですから、記者さんの想いと社員の想い、その間に自分の想いがあって、その3つの想いを考えながら仕事をしています。そういう点では、それぞれの想いを受け取るプロセスも大事だと思っています。

ゲストがお互いに聞いてみたいこと

川久保:
最後に、今日の感想やお二人同士で聞きたいことはありますか?

平山:
広告として発信する言葉とドキュメンタリーとして発信する言葉に、つくり方の違いはありますか?思考のフローを知りたいです。

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原田:
かなり違っていて、最大の違いは与えられた時間ですね。例えばCMだと15秒しかなくて、興味を持ってもらったところで15秒が終わってしまう。もし1分なり2分なりもっと時間があったら、ドキュメンタリーとして伝えられると思うんです。そういう意味では、記事になったりオウンドメディアになったりすることで、やっとドキュメンタリーを伝えられると思います。

平山:
最近、広告とドキュメンタリーが接近しはじめている気がします。コンテンツが長尺になればなるほど、それが増えていけばいくほど、見られる確率は減ってきます。もっとちゃんと見てもらうためには、例えば1万字のコンテンツを3分の動画にするとか、Twitterで接点を見せるとか、入り口をつくっておく必要があります。そういったコンテンツは他社でも出しはじめていて、キリンでもやりたいと思っています。

原田:
おっしゃる通りで、例えばニュースではタイトルの付け方がすごく大事です。見出しで「読んでみたいな」と思わせることができるし、そうでない場合もある。だからこそ、記事の内容を集約した見出しを付ける能力は、広告的なスキルが役立つ部分かもしれませんね。

私から平山さんへは、弊社でもこれからオウンドメディアをつくりたいと思っていて参考にしたいのですが、大きな編集方針を明文化して持っているのか、それともご自身のなかにあるものなのかを知りたいです。

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平山:
2パターンあって、noteの場合はあえて編集方針を立てませんでした。大きくかまえると投資が必要で、KPIをどうするかとか、関係各所のコミュニケーションが必要になります。でもnoteはそういう場ではないという感覚があったので、徐々に自分のなかで血肉化したものを言葉に落として、それを徐々にフィードバックする方針でやっています。一方で、メディアをオリジナルでゼロから立ち上げる時には、コンセプトから編集方針、年間計画までしっかりつくり込む必要があると思っています。

noteの場合はプラットフォーム自体が変化する可能性があるので、そこに自分たちが「これだ」という旗を立ててしまうと、変化があった時に動けなくなることがあります。なので、あらかじめゆるく立てておいて、運用をしながら言語化しています。

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川久保:
それでは、本セッションはこちらで終了したいと思います。お二人ともありがとうございました。



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