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【emolで学ぶ ちょこっと心理学】脱フュージョン、アクセプタンス【第3回】

こんにちは!emol work心理チームの小澤です!
前回は心理的柔軟性の中で「今この瞬間との接触」と「文脈としての自己」について話をさせていただきました!

少し感覚的な話の部分も多かったので難しい箇所もあったかもしれませんが、今回からはより実践的な話に近づいていくと思います。

今回は心理的柔軟性の中で「脱フュージョン」と「アクセプタンス」を取り上げていきたいと思います!

脱フュージョン

第一回で「認知的フュージョン」の話をしました。もう一度説明いたしますと思考の中の自分と現実としての自分を混同させてしまい影響を受けてしまうことです。
脱フュージョンはこれと対をなす立場で、思考や私的出来事そのもの自体は変えずに言葉がもつ「機能」を変換させることを指しています。

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「自分は嫌われている」という思考があるときを考えてみましょう。
自分が実際に友人に言われた言葉や「自分は嫌われていない」という考えや思考が「『自分は嫌われている』=落ち込み」というふうに自分を落ち込ませるという機能を持つかもしれません。しかしこの考えを「自分は嫌われていない」というように変えたり友人に言われた言葉を変えるということはなかなか難しいと思います。

しかしその機能を変えたり弱めたりすることはできると言われています。上の例でいうと「『自分は嫌われている』という考えがあります」と言い換えた場合、「自分は嫌われている」というものが単に言葉としての機能となり、落ち込ませるものとしての機能が弱まるかもしれません。

言い換えると思考と現実を区別し、自分の思い込みや考えで世界を見ることなく思考そのものを見るスキルであると言えます。

前回お話ししたマインドフルネスの考え方に少し近いかもしれませんがこちら言葉は言葉そのものであり思考ではないという考えに持っていけるかどうかがキーポイントとなります。

アクセプタンス

これは言葉通りになるのですが自分を受け入れることです。もっと厳密にいうと自分にとって不快な出来事が起きた場合でもそれに対して回避をすることなく、意図的に柔軟でオープンな姿勢で迎え入れることです。一見ストレスが溜まりそうに見えますが、実はそうでもないのです。
ここで一つエクササイズをしてみましょう。

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まず犬を思い浮かべてください。リアルに自分で飼っている犬でもイラストの犬でもアニメでも大丈夫です。

 1. まずその犬を考えないように意識し、30秒ほどその辺りを歩き回ってみてください。
どうでしたでしょか?意外と思い浮かべないようにと意識していると逆にずっとその犬のことが頭に浮かんできませんか?

2. 今度はその犬のことを考えても考えなくてもどっちでもいいです。何を考えても良いので同じように30秒ほど部屋の中を歩き回ってみたりその場でぼーっと足踏みをしたりしてみてください。

するとどうでしょうか?先ほどよりはその犬のことがチラつかなくなったという人も多いのではないでしょうか?

もちろんこれには個人差があるのでどっちも思い浮かんだ、どちらも思い浮かばなかったなどの差はありますが、後者の方が思い浮かべにくくなると思います。
これがアクセプタンスを理解する上で重要な感覚となります。
私たちは嫌な出来事や不快な思考が頭の中にあるときにそのことを考えないようにしようと、つまり自らその思考から回避しようとしますが、それをすることで逆に脳内からその思考が消えにくくなります。

ですが、あえて回避しようとはせずにその考えがたとえマイナスなものであっても「そう考えてしまうことは仕方ないよね」と捉え、そう考えても考えなくてもいいやというスタンスでいることによってその思考に囚われないようにします。
思考にとらわれないようにしてオープンな姿勢でいることで目の前のことに対して柔軟に考えることが可能になります。

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これまで話をした「今この瞬間」との柔軟な接触、文脈としての自己、脱フュージョン、アクセプタンスはACTでいうアクセプタンス側の要素です。
これらを高めることで不快な思考でも受け入れ、そのネガティブな状態を引きずることなく前に向かうことができるためポジティブな状態に向かいやすいと言われています。

実際に、私もこれを知る以前はネガティブなことがあった時は考えないようにしようとしていました。ですが逆に受け入れようとするアクセプタンスの考えに触れたときに嫌な部分も受け入れていいのだと気がつきかなり気が楽になりましたしポジティブな思考へと向かいやすくなったと感じています。

次回からは最後の二つである価値の明確化とコミットされた行為についてお話ししたいと思います!

最後まで読んでくださりありがとうございました!



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