見出し画像

大野誠士さんとの対談①いま社会で起きていることって?

みなさん、こんにちは。ご訪問いただきありがとうございます。

現在Reapraという事業投資会社に所属している小堀です。今回の投稿から、Office Seiji Ohno 代表、ホリスティックコンサルタント/コーチの大野誠士さんとの対話を3回に分けてお送りします。
インターン生のBさん、Cさん、大野さんの4人で話したことから得られた気づきをこの場でシェアさせていただきます。今回も最後までお読みいただければ嬉しいです。

対談ゲスト:大野誠士さん

小堀さん:
まずは大野さんのバックグラウンドについて教えてください。

大野さん:
バックグラウンドとしては、アメリカに15年ほど滞在していました。きっかけは、インテグラル理論※1との出会いでした。そこから内面探求や自己を癒すというような分野に興味を持つようになりました。神話学の修士を取ったり、体と心が繋がっているというソマティック心理学の修士を取ったりしました。その後、日本でいう臨床心理士の資格をカリフォルニア州で取得しました。CIISという大学院で教えることもありました。

日本に帰ってからは、東京から離れてご縁があった富士山の近くの山梨に住んでいます。正直、自己紹介をする度に自分が何をしているか分からなくなりますね(笑)

今は、ホリスティックコンサルタント/コーチと名乗るようにしていますが、毎度自分のアイデンティティが変化している気がします。だから独立するときは自分の名前を使いました。

仕事では、Reapraをはじめ、政治家の方や助産師の方、教育関係者の方と関わらせてもらっています。トラウマヒーリングなどの観点から、関わっている方のポテンシャルを最大限に引き出すことをしています。

インターン生Bさん:
神話的なものや自己の内面から、世界に対してアプローチしていくことは当時は珍しいキャリアだったのではないかと思いました。どういうきっかけでその方向に進もうと思ったのですか?

大野さん:
ケン・ウィルバーの本を読んだことがきっかけですかね。本の中で実践が大事だという話があり、まずは自分自身が変わらなければならないというスイッチが入りました。

社会を良くしたいと思っている人と一緒に活動してみると、その人自身が負っている「傷」がその活動の中にも入ってきてしまうんです。その点で僕は、社会に対して目に見えることはしていないけど、20〜30代はずっと内側の掃除をしていたような感覚ですね。考えて進んだというよりは、スイッチが入って自己探求や自己癒やしを始めたという感じですね。

大学生卒業くらいの時期に、将来設計を全くしていなかったんです。だから神話学とかよく分からない道にも進めたのかもしれません。よくよく考えたら怖い選択ですね(笑)

インターン生Bさん:
ぼくは今、工学部なんですが、心理学系の院に行くか迷っています。心理学を取ったとしても、実利的なことを考えて「これで生きていけるのかな?」と思ってしまいます。なので、大野さんのような生き方もあるのかと知れてよかったです。

※1インテグラル理論:アメリカの思想家ケン・ウィルバーが提唱した「インテグラル理論」は、人・組織・社会・世界の全体像をより正確につかむフレームワーク。詳細はこちらをご覧ください。

「見えないもの」への価値

大野さん:
今は大きな変化が起こっていて、新しく訪れるであろう時代がもう始まっているのだと思います。新しい時代は今よりも、心などの「見えないもの」への価値が高まっていっている。だから、僕の仕事も成り立ち始めているのかなと思います。

小堀さん:
カリフォルニアで学んだとおっしゃってましたが、ボクの中でのカリフォルニアはすごくキラキラしてて、目に見える物質的な価値の方が重要視されてるのでは?と疑問に思いました。なぜカリフォルニアを選んだのですか?

大野さん:
カリフォルニアは大きいので僕がいたところは、皆さんが想像される映画とかのイメージとは少し違っているのかもしれませんね。そこはヒッピー文化の発祥地であったり、1960年代のヒューマンポテンシャルムーブメントなどの革新的な出来事が起こったりした場所なんです。なので自己探求や自己変容という文化が既に入っていたんです。僕にとってはカリフォルニアというよりサンフランシスコ・ベイエリアという場所に行ったことが重要でしたね。

瞑想やヨガをする人、食べ物に気を遣う人などがあたりまえにいる場所でした。意識が敏感になる場所にたまたまご縁があって行けたことがラッキーでした。

不自然なシステムに対する自然な反応

小堀さん:
ボク自身、感情との対話を実践することで、自分自身の身体感覚や感情を取り戻しにいくということをやっていたのかなと思っています。

環境から認知して脳で情報を処理し、身体感覚になり感情になって行動していくという一連の流れは、本来人間に備わっているサイクルなのだと思っています。ただ現代は、環境から脳に情報が入ってきてすぐに行動に移す、というように身体感覚や感情の部分が捨象されてしまうことが多いのかなと感じています。なにかその本人の感覚ではないところで、脳にプログラミングがされていて、物事が進んでいくことが多いように感じるんです。

ボクからはそういう風に見えているんですが、大野さんからはどう見えていますか。

大野さん:
不自然な状態ではあると思います。今、続いてきた世界は終わりなき成長を志向する社会だと捉えています。その観点からすると身体に起きてることは自然な反応だと思うんです。つまり、不自然なシステムに対する自然な反応と言えるかと思います。

ただ人間にとって何が自然な状態なのかと言われれば、小堀さんが描写したような脳で処理して行動に移すという機械的な状態、感情で味わったり媒介したりしない状態は不自然ですね。

しかしありのまま処理しようとすると、情報量が多かったり、情報の中身が辛いものだったりするので、感じ過ぎてしまいこっちがまいってしまうんです。だから自然な反応として閉じてしまう。その防衛反応自体は自然なものだと思います。そういう閉じなければいけない社会になっていることは不自然ですね。

小堀さん:
それは持っている器だけでは処理できないことが増えてきて、自然に閉じるようになってしまったということですか?

大野さん:
もちろんそれもありますが、その前に自然との繋がりが薄れてしまったこともあると思います。器と外の世界が完全に分離してしまっているんです。情報自体も大きくなっているし、器自体も小さくなっているということですね。

その結果副作用として、自分の器にも詰まりや麻痺が起きてくるんです。感じたくないから感受性を閉じるというようなことが起きてくるし、情報が多きすぎるから通さない、ちゃんと噛まないというようなことも。でもそうしないと生きていけないんです。

あとは、自然なものや豊かさとの繋がりが薄くなっているから自分の中に入ってくる栄養も少なくなっています。それに加えて自分の処理のフィルターの精度も悪くなったり、精度を上げ過ぎてるから栄養を受け取れなかったりという仕組みになっているんだと思いますね。

小堀さん:
ボクは実践するなかで、自分の状態に気づくこと自体が難しかったり、気づいたとしてもどうしたらいいか分からなかったりすることがすごく多かったです。シェアしたり器を貸してくれたりする人がいればいいんですが、自分自身に向き合うこと自体がまずは大きなハードルになっている気がします。

大野さん:
そうだと思います。だからこそ僕が今やっていることに繋がってくるのかなと思うんです。カルチャーやシステムも同時に変わっていかなければ、どれだけ内面を綺麗にしてもその綺麗さを維持することは非常に難しいんです。人間の本能として所属欲求があるので、孤独になるくらいならどんなにおかしな社会でも所属しようとするからです。だから僕は、共鳴する仲間たちと優しい文化をまずは小さく創っていければと思っています。

みんなどこかでおかしいと思っていても所属したいという気持ちが邪魔してしまうんです。新たな文化が立ち上がればその文化に所属しにいくということが起きてくるので、そこから広がっていければいいなと思います。

結び

今回は、大野さんのバックグラウンドと自分自身が抱えている問題意識についてnoteさせていただきました。

次回も引き続き大野さんとの対話をお送りします。内面を大切にしながら社会と繋がっていくことについて書いていこうと思いますので、ぜひそちらも読んでいただければ幸いです。

 もし今回の対談内容を読んでいただき、感じたことや考えたこと、「こんなことを話してみたいな」と思ってくださった方がいれば、ぜひご連絡ください。一緒に何かを学び合えたらとても嬉しいです。

▼対談させていただいた大野さんのnoteはこちらです。
https://note.com/seijiohno

▼連絡先
メール:yuto.kobori@reapra.sg
facebook:https://www.facebook.com/yuto.kobori/

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?