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HEROS展で案外ワクワク体験しちゃった話

「ボストン美術館所蔵品THE HEROS展」に行ってまいりました。
森アーツセンターギャラリーに入る手前、六本木ヒルズ66プラザ二階に現在展示されているのは、ダニエル・アーシャムによるポケモン。「A Ripple in Time /時の波紋」でした(2月 26日展示終了)


これは1000年先の未来の考古学博物館で出会う「歴史的遺物」ということをイメージして作成された作品で、ブロンズで制作されたポケモン像の中に金属の破片などもあったりして、未来から見た過去の遺物…

ポケモンを堪能したあとはエレベーターに乗って森アーツセンターギャラリーへ。こちらではボストン美術館所蔵「THE HEROS展刀剣×浮世絵‐武者たちの物語」が開催されていました。(3月25日会期終了)ちなみに隣では楳図かずお展やってました。(3月25日会期終了)
このHEROS展の展示はほんとうによくできていたので、ここでご紹介します。

武者たちの物語を描いた浮世絵「武者絵」と武者絵と同じ場面を描いた刀の鐔、そして刀剣がふんだんに展示してある当展示。工夫がいっぱいでときめきました!

HEROS展の工夫①
時代別のHEROたち。

展示は神代、平安時代、源平時代、鎌倉時代、太平記の武将、川中島、小説のヒーローという形式でカテゴリ別に展示されています。そのチョイスが、メジャーどころからちょっとあれ、これなんの話だっけ?ネタまで出てくるところがたまらない。


だって、五条戻り橋の話は知らない人はいないでしょうが、正直土蜘蛛の話は知らない人がいるかもしんない。椿説弓張月なんて、名前は知ってても内容は知らないではないですか。

HIROS展の工夫②
えらい!!と思ったのは徹底的な「はじめてのひと」のための対策。

その、武将が何者なのか?何のどういう場面を描いている作品なのか、というのを4コマ漫画で表現したところ。

若干、その表現は雑では?!なものもなくはない、とは思ったのですが、4コマだから、それはそれでいたし方なし!!
絵を伝える物語の表現に4コマ漫画、アリだと思いました。
もうちょっと詳しいことを…って思わせることもいいところだと思います。特に子どもだったら「面白そう!」って思ったら、自分でもたどり着けるので、子ども向けの平家物語を読んでみよう、とか思ってくれるような参考図書とかあったらなおいいですね。
私は「物足りない」ところも含めて素敵な展示だと思いました!

HEROS展の工夫③
すごい!と思ったのはその物語の舞台がどこだったのか観光ガイドのような大河ドラマ的おまけコーナーもついています。

(場所のイメージつくのはとてもいいですよね。)
刀剣コーナーも眼福でした。(しかし、刀剣はくわしくないので、ここまでにしたいと思います)
日本への里帰り展も毎年増えている感じしますが、これほどテーマをはっきりされると「貴重」というより面白さが勝るなあ!

展示は色々な人向けにあっていいと思うんですよ。前提がわかってる人に向けた解説があってもいいし、全く解説なし展示だってあっていい。子どもも大人も見て楽しい、読んで楽しい展示もあっていい!

というわけで駆け足でしたが、HEROS展、とても面白い試みがいっぱいあって、企画のやる気と力を感じました。ありがとうございました~


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