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"黒人"の友達と過ごした日々を思い出しながら、差別について今一度考えてみる

「警察官による黒人殺害」のニュースを聞いて、
 いわゆる"黒人"の友達と過ごした日々、
  差別について語り合ったことを思い出した。

そのときのエピソードを書こうと思うのだけど、
すごくセンシティヴなトピックなだけに、
正直、書く手が、重い。

何かや、誰かを、批判したり、批評したり、
自分の意見を主張したりしたいわけではない。

ただ、とにかく書かねばならぬ、という
鐘だけが鳴り響いているので、書き始める。
書きながら、きっと着地点は見えてくるのだろう。
(いや、見えてこないかもしれないけど)

これを読んでいるあなたと一緒に、
考える機会になればいいと思って
書いていきます。



2017年、ワーキングホリデーで
ニュージーランドへ来て最初の頃、
私はゲストハウスでハウスキーピング
(掃除やベッドメイキング)の
仕事をしていた。

そこには、いつも楽しそうに
音楽を聴いて体をくねらせ
踊りながら歩いたり、
料理をしたりしている
ゲスト(お客様)がいた。

絶対いい人そうなのに、
バスケットボール選手
のように大きな体で、
いかにも「ザ・黒人!」
という風貌に、多少
ビビっていたのか、
自ら声をかけることはなく、

ひそかに彼のことを
"Happy man"というあだ名を
つけて心の中だけで呼んでいた。

ある日、掃除機をかけようとして
共有ルームに入ったとき、
"Happy man"がソファに座っていた。

"Excuse me! Sorry to bother you!!"
(お邪魔しまーす!うるさくしてごめんねー!)

といって、掃除機をかけ終わった後、

"Thank you always for cleaning, lady!!
 You always smile. I like it!! "
(いつもお掃除ご苦労さん!
 君はいつも笑顔で素敵だね!)

と声をかけてくれた。

"No worries! You always look happy with listening to music, dancing....
That makes me happy!!"

(とんでもない!あなたこそ、
  いつも音楽を聴いたり踊ったり
 して楽しそうにしてるから、
 こっちまでハッピーになっちゃうよ!)

と答えた。

このときから、お互い打ち解けて、
会うたびによく話すようになった。

"Happy man"の本名は
「アレックス」といった。

英語が堪能なので、てっきり
アメリカ人かアフリカ人
だと思っていたら

アフリカ系のフランス人で、
フランス語も英語もペラペラだった。

日本文化が大好きで、
いわゆる「オタク」だと
いうことも判明した。

「きっと過去生は
 日本人だったに違いない」
とか言うほど、日本が大好き。

そんな彼は、
ダンサー、俳優に
なるのが夢だと
話してくれた。

「それなら、パリに居たままのほうが
 チャンスがありそうだけど・・・
 なんでニュージーランドに来たの?
 英語もネイティヴ並みに上手だし、
 語学目的じゃないでしょ?」

と聞くと、

「フランスは・・・差別がひどいから」

"because of my skin"
(この肌の色のせいでね)


と答えた。

ニューヨークのアクターズスクールに
通うためにお金を貯めたいけど、
フランスでは黒人差別がひどくて
働き口がない。だから、お金を
稼ぐために来たんだよ、と。

ニュージーランドは、
そんなに差別がないから、
すごく居心地がいいよ、
今のところね。



まさか、こんな話を
"Happy man"の彼から
聞くと思わなかった。

いつも明るくて、
フレンドリーな彼が
こんなバックグラウンドを
持ちながらニュージーランド
に来ているなんて
思いもしなかった。


つづく

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