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お笑い芸人には手が届かない

世の中にはたくさんの職業があるが、その中でもどんなに頑張っても絶対なれないのは「お笑い芸人」だろうと私は常々思っている。それじゃあ、外科医や宇宙飛行士ならなれるのかと突っ込まれたら、やはり外科医も宇宙飛行士も私の脳みそと肝っ玉では全く無理だが、その大きな理由のひとつは、私が勉強しなかったからだ。それじゃあ、子供の時からもっと勉強すればおまえでもなれたのかと突っ込まれると、私には元々の脳みそや体力も足りないので、いずれにしても無理だったとは思うが、それはさておき。

とにかく、芸人さんという仕事は私の中の永遠の憧れである。お笑い芸人になりたかったというわけではない。私ごときが「なりたい」と思えるほど簡単に手が届くようなレベルではないからだ。ネタを考える力はきっと勉強してもつかないし、それをお客さんを楽しませるように面白おかしく話すことなど練習したところで私にはできない。そもそもネタをきちんと覚えなければいけないし、その一方で、バラエティ番組に出ればアドリブを聞かせて機転よく面白いことを言わなければいけないのだ。

つまるところ、どうしたらそんな風になれるかがわからないから、手の届かない存在なのだ。外科医も宇宙飛行士も私には手が届かないし、ついでに言えば会社経営者とか会計士とかも、もちろん私には無理だが、それになるために私に何が足りないかはわかっているつもりだ。逆に言えば、それさえあれば私だってなれたかもしれないのだ。が、お笑い芸人はそうではない。

これはどの職業にもいえることであり、個々の人間にも言えることかもしれない。あの人みたいになるにはいったいどうしたらいいんだろう、と他人に言わせるような圧倒的な何かを持った人は、それが何であろうとも最強なのである。

(soejiさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございます)


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