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理由⑤自分が幸せになるのを許せていない

以前の記事で書いた、私の婚活がうまくいかなかった理由をもう少し詳しく書いていくシリーズ5回目(最終回)です。

「私の婚活がうまくいかなかった5つの理由」

①結婚したい動機がネガティブスタート
②自己肯定感と愛着スタイルの問題
③結婚生活や男性に対するイメージが良くない
④自分の理想が分かっていない
⑤自分が幸せになるのを許せていない

今回は、このうちのラスト、5番目についてです。

⑤自分が幸せになるのを許せていない


この理由は、気づくのに一番時間がかかった。
それだけ盲点だったし、信じられなかったからだ。

すべての人は、表層意識では「幸せになりたい」と思って生きている。
現状がどんなに辛く苦しいと感じる環境だとしても、望んで「不幸になりたい」と思い、意識的に選択した人はいないだろう。

しかしながら、今の人生が幸せでないという人は、実は他でもない自分自身が、あえてその不幸な人生を選んでいるという可能性が高い。

そう。
自分の人生が不幸だと感じるなら、
それは親のせいでも、彼のせいでも、会社のせいでも、時代のせいでもない。
自分が不幸であり続けることを選んでいるのだ。


心理学や精神について学んでいる中で、
はじめてこの考え方に触れた時は、衝撃的だった。
そんなわけないだろう!という怒りがわき、
そのすぐ後に、やるせない悲しみが襲ってきた。

だって、私は絶対に「不幸になりたい」なんて思っていない!
こんな惨めで辛い環境を望んでなんかいないし、
そこから脱するために、こんなに努力しているのに!
すべて自分の責任だとでも言うの?

意味も分からないし、とうてい受入れがたい説だったので、無視することにした。
しかし、自分の思考や感情、価値観を深掘りしていくにつれ、再度この考え方に向き合わざるを得なくなってきたのだ。

もしかしたら、私は、自分自身が幸せになることを許せていないのかもしれない。

なぜそんなことが言えるのか。
それには、ホメオスタシス(恒常性)とセルフイメージ、矛盾する気持ちが関わっていた。

ホメオスタシスの罠

人間の体には、ホメオスタシスという機能が備わっている。
日本語だと「恒常性」「恒常性維持」。
外的環境や体内の変化に対して、生命維持のために、常に内部環境を一定に保とうとする働きのことだ。
体温や血糖値、呼吸や代謝などが一定の範囲に保たれているのは、このホメオスタシスの作用だと言われれば、分かりやすい。

そしてこのホメオスタシスは、心にも作用する。
たとえ快適でなくても、幸せでなくても、とりあえず生存できている環境を変えるというのは、ものすごい恐怖なのである。
現状からの変化は、自分の生命を脅かすかもしれない。
少なくとも、その可能性はある。
「死」という最悪の事態よりは、今のほうがマシ。
そう判断した脳は、強烈な力で元の環境に引き戻そうとする。
ただの決意や意志の力では抗いがたいほどの力。

それはつまり、こういうことだ。
日々、暴力や暴言にさらされるのが普通の人間関係の中で育った人間にとっては、
健全な人間関係のほうが居心地が悪いという現象が起きることになるのだ。

客観的な判断基準で見れば、
自分を尊重してくれ、安心安全な関係を築ける相手を選んだほうが幸せであるはずなのに、
なぜか幸せになれそうにない相手……結婚する気のない人、モラハラ気質の人ばかりを選んでしまう。

仕組みなど知らず、私は見事にこれにハマっていた。


「私は幸せになってはいけない」というセルフイメージ

また、こちらの記事とも関連するが、セルフイメージも大いに影響する。

自己肯定感が低い人間は、そもそも「私は幸せになって当然の人間だ」というイメージを持っていない。

私は何をやってもうまくいかない
ありのままの私には価値がない
私は実の親からも愛されない

こういった自身の存在に関わるネガティブなイメージを蓄積してきた人間が、自然に「私は愛されて当然」「私は幸せになって当然」という相反するセルフイメージを抱くことはない。

逆に、根拠はないけれどうまくいく人というのは、

何ができてもできなくても私には価値がある
ありのままの私で愛される
私は幸せなのが当たり前

というセルフイメージを持っていると感じる。

ともかく、自分自身が強固に「私は幸せになれるはずがない」と思い込んでいる限り、すべての物事がその信念を叶える方向に動く。
つまり、いくら頭では「幸せになりたい」と思っていても、なぜか幸せではないほうへと突き進んでしまう結果になる。
その状況のほうが、自分のセルフイメージに相応しいからだ。


親への復讐心、あるいは罪悪感

もう1つ、私がうっすら自覚していたことがある。
それは、「私が不幸でいることで、両親の育て方が間違っていたことが証明できる」という思いだ。
自分の不幸と引き換えにした、親への復讐。

そして、これとは矛盾するようだが、
「私が幸せになるとお母さんがかわいそう」
「私はお母さんより幸せになってはいけない」
という罪悪感の気持ちもあった。

母娘関係ではよく見られるらしいが、
父がいかにダメで甲斐性がなくて酷い夫であるかを言い聞かされて育った娘は、母に憐憫の情を抱くようになる。
「かわいそうなお母さんを残して結婚できない」
「私が幸せになることで、お母さんの不幸を際立たせてしまう」
と感じてしまう女性も多いのだとか。

私もそういった気持ちが少なからずあった。


終わりに

さて、6回にわたって長々と、私の婚活がうまくいかなかった理由について書いてきましたが、読んでくださった方、ありがとうございました。

こうして並べてみると、お互い矛盾するような信念や考えが多くありますが、それらが複雑に絡み合って、自分自身が幸せになろうとするのを阻んでいました。
解きほぐしながら、気づき、理解していくのには、長い時間と労力がかかりました。メンターやカウンセラーさんたちの助けなしにはできなかったと思います。

今の私は、結婚ではない別の目標ができましたが、パートナーや家族を作るということは諦めていません。
自分の人生も両親との関係も、まだまだ色々と模索中ですが、これまで関わってくれた方たちに、改めて感謝します。

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