映画『私ときどきレッサーパンダ』
メイは時々レッサーパンダになる。でもそれは、自分で決めたこと。
ユラユラと流されず自分はこうだと言える13歳のメイはすごく立派だ。家庭環境に薄らと既視感を覚え
ながらも1時間40分を過ごした。珍しく長々書いた感想と経験、よければ読んでいって下さいな。
カラオケに行きたいけど、、、
お掃除をすることになっているからと、友達の誘いを断りお家へ帰るメイ。真面目でしっかりしていてママの言うこともちゃんと聞いて、良い子でいる。これってやっぱり兄弟がいないと、よりその傾向にあるんだろうなあ、と今更になって思う。私もメイと同じ歳の頃、皆が5時のチャイムが鳴っても遊んでいる中で「暗くなるし、早く帰ってきなさい」というメールが来たから先に帰った。本当は皆と遊びたかったけれど、親がそう言うんだから帰らないと、ただその理由だけで帰った。良い子でいた。
事あるごとに付いてくる
愛する一人娘のことが心配で心配で仕方がなくて、学校まで来て教室の外からメイを見守る。何か問題があれば、いやメイのママの場合は先回りして乗り込みに行ってるけど、全力で守りに行く。いや過剰だろ!と思うけれど、こんな感じの親はこの世にたくさんいるんだろうなと。ここまで過剰じゃないけれどほんの少しだけ同じエッセンスは感じてしまった。
好きなアーティスト
4★townが好きでライブへ行きたい!そんな熱い思いなんてつゆ知らず、こんなチャラチャラしたアーティストやめときなさい、と頭ごなしに否定される。13歳で200$のチケ代はだいぶ高いし、学校で小銭稼いでいるのも実際あり得ない話だけれど、ライブへ行かずとも好きでいるのは自由でしょって。M!LK推してた時代を思い出した。友達が教えてくれて初めてアイドルというものを好きになった。けれどその頃、休日一緒に出かけるのは親だったので、初リリイベも親と行くことに。親はそんなの興味ある訳もなく「そんなん見たって付き合える訳じゃないよ」と言った。いや、付き合いたくて推している訳じゃないんだよね。好きだ、と言うことは極力控える様にした。
どんな自分も自分
レッサーパンダの姿になってしまい、物や人を傷つけてしまった。そんな自分はだめだと反省しているメイに、パパがかけた言葉。
きっと親族は女の方が強くて、優しいパパは言えずにいたのかと思う。その通りだと思う、誰にだって短所はあるし、関わる人の数だけその人にしか見せない側面っていうのも持っていると思うし、どれが正解っていうのもないと思う。
勇気ある発言
メイはレッサーパンダに変身する様になったのをきっかけに私はこうだ!とか、嫌なものは嫌だ!と言うようになる。いかなる時も家族を優先してきたわ、と言うママに対して、私は違う!と。丸く収まればそれでいいやと、人対人の衝突を極力避けてきてしまった私からすると、本当に凄いことだと感じる。今からでも遅くないのなら、少しずつでも自分の意見を言える人間になりたい。
彼女の人生
親戚が皆レッサーパンダと乖離していく中、メイは共に生きる道を選択する。ママに来てと言われても、本当の自分が分かってきているんだと、自分の意思を告げる。ママは悲しい顔を見せるも、その選択をした娘を理解し、なんというか、子離れをしていく。身近で共依存を感じさせる親子をちらほら見かけた事があるので、自分が過干渉だと気づき子供のことを尊重しようと考え方を改めたママも十分凄いのではないだろうか。
さいごに
メイのこんな語りと問いかけで本編は終了する。思春期も後半に差し掛かっているのか、もうとっくに終わっているのか分からない私も、メイのようになれたらと思う。しなやかで強い芯を持った人になりたい。
公開:2022年
監督:ドミー・シー
製作:リンジー・コリンズ
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