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デザインプレナーを学ぶ最高の教材

デザイン経営ハンドブックが特許庁から公開されたように、デザインは経営にとって切っても切り離せないものであるという認識が進んでいると思います。

でも、これまでデザインに馴染みのないビジネスパーソンあるいは、経営や事業創出携わっていきたいデザイナーは、どのようにビジネス×デザインを学んでいけばいいのでしょうか。

本は理想論が多かったり、デザインファームやコンサルティングファームの情報も支援者としての立場で発信され、事業主体者としてのデザインプレナー(デザイン起業家)を学ぶ機会はなかなかありません。

High ResolutionというPodcastをご存知でしょうか。米国のスタートアップを創業したデザイナーや、Airbnb, Uber, Ebay, Google Ventures,などの企業で、デザイナーとして経営やマネージメントに携わるトップランナーのインタビューを公開している番組です。

デザインのトップに対して、小一時間、深く鋭い質問が繰り返されるため、質の高い学びを得ることができます。インタビュアーのデザインに対する理解も深く、頭の回転が非常に速く、かなり深い内容を聴くことができます。

例えば、MailBox(メールをTo-Doと不要なメールに仕分けるアプリ会社)のデザイナーで共同創業者のGentryさんのインタビューは面白かったです。MailBoxはDropboxにアプリ公開から1ヶ月ほどで買収されています。今はサービスを終了させています。

1つ印象に残ったポイントを紹介します。Gentryさんのインタビュー中では、繰り返し、「EGOの危険性」について語られていました。

素晴らしいアイデアを思いつくのを妨げるのは、ほとんどのケースでEGOが原因だと。EGOというのは、自分自身の価値観や重要性を示したい、人から認められたいという欲のことで、自分目線のアイデアで、ユーザーやステークホルダーにとって良いアイデアを生む機会を損ないます

そのエゴを避けるためには、

"Doing the work for love. People don’t have to show the value of themselves. Don’t care if I say this people think it’s great or not great. Sometimes people who don’t consider themselves as designer say good engineer and familiar with design methodology bring the great ideas. "
「愛のために仕事をしよう。自分自身の価値を示す必要ない。この意見が、素晴らしいか素晴らしくないか気にするな。自分のことをデザイナーだと考えていない人、例えば、エンジニアなんかがデザインアプローチに親しみがあるような人が、素晴らしいアイデアをもたらす。」

言われてみると、アイデアを出すときやディスカッションをする時に、自分の発言が人からどう思われるか、自分がデザイナーかどうか、自分のポジションでの発言、など色んなことが頭をよぎります。こういうのを考える事が良いアイデア(ソリューション)を生む足かせになると。

他にも、スタートアップでのデザイナーの役割、デザイナーの価値を伝える難しさ、デザインが組織で上手く機能させる方法、将来重要となるデザインのアプローチなどについて語られています。

こういったトップランナーのインタビューを10本、20本、隙間時間に聴くだけでも相当質の高いインプットになりますし、英語の勉強にもいいのではないでしょうか。

繰り返しですが、インタビューする人の質問力、頭のキレ、言葉選びが秀逸で、Greatだと思います。

特に面白かったものについてはまたご紹介できればと思います。

Photo at Helsinki, Finland


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