世界で1番選ばれる国を目指してーフィンランド本気の社会デザイン
"90 day Finland"というフィンランドのビジネスに興味がある世界中から参加するプチ移住&ビジネス支援プログラムに参加しています。
実際のプログラムは8月開始ですが、それまでの間、毎週オンラインにて、フィンランドの文化、ビジネス、社会システムについて学んだり、交流する機会があります。
今日は先日行われた「フィンランドの社会システム(特にスタートアップのエコシステム)」のプレゼンテーションについて、特に印象に残ったことや学びなどを簡単にシェアしたいと思います。
北欧 / フィンランドのこんなところが知りたいというリクエストがあれば、ぜひご連絡ください。私も色んな視点から機会を活用したいと思います。
フィンランドの危機感
今回お話を聞いたのは、Finnish Startup Communityという200以上のスタートアップやVCからなる、次世代の社会・経済の柱を構築することを目指しているコミュニティです。
2030年までに、フィンランドの「金属産業」や「森林産業」といった主要産業並みの輸出額を創出するという野心的な(これでも、コンサバな目標だと言っています)目標を立てています。
資料をそのまま共有することはできませんが、
・2010年時点で「スタートアップの輸出額はほぼない状態」
・2022年時点で「5,000億円以上」
という実績があり、これを踏まえると、2030年までに目標を達成していけるはずだというのが予想・目標なのだそうです(GDP換算で20%を超えるレベル?でスタートアップから経済が押し上げられる予想ですー計算間違っていたらすみません)。
この10年間で、SupercellやWoltなどの日本でも名前を聞いたことがある巨大スタートアップが生まれているように、国全体の経済を押し上げるような存在感が出てきています。
この背景にあるのが、「フィンランドの危機感」だそうです。
1番の理由は「高齢化社会」で、日本と同じように高齢化が進み、労働生産人口が減少しているという状況があります。
超社会福祉国家で有名な北欧のフィンランドですが、出生率は年々下がっており、日本と同水準です。生産年齢人口が減り、支えなければならない高齢者が増える、この構造的な問題はフィンランドも日本と同様に切実なんだそうです。
また、今も戦時中のロシアと国境を接しており、これからの経済の見通しも決して楽観視できるものではないと言います。
スタートアップを次世代の経済の柱とする
そこで、スタートアップのコミュニティやその成長を支えるエコシステムを政府と民間が一体となって、整えているようです。
このスタートアップ・エコシステムについては、以下の記事が詳しいです。このnoteでは、次の社会全体のデザインとして、次世代の経済の柱をつくる仕組みについて重きを置いてご紹介したいと思います。
優秀な人材に選ばれる社会をデザインする
特に印象的だったのが、フィンランドのスタートアップから経済の柱となるようなビッグ・インパクトを残すために重要なのは、「人口が減少するフィンランドにおいて、いかにして、世界各国の優秀な人材を魅きつけることができるのか」という問いだそうです。
そして、優秀な人材がフィンランドがベストな場所だと思ってもらうために「ビジネス面」でのサポートだけではなく、「ライフスタイル面」でのサポートやサービスの磨き込みが欠かせないと言います。
例えば、海外からフィンランドに来た時の移住に関われる手続き。
多くの場合、市役所へ行き、不動産会社へ行き、保育園へ行き、郵便局へ行き、と様々な公共性の高いサービスに対して、足を使って色んな機関を巡る必要があります。
その「移住体験」が非常に面倒で、ユーザーフレンドリーになっていないと考えているそうで、フィンランドではそのハードルを徹底的に解消して最も移住しやすい国を作っていくという考えがあるそうです。
確かに、私の経験上、日本語の通訳をつけてもらうことができたり、外国人でも市役所に行って順番待ちをすることなく、保育園へ行ってよければ入園の申し込みができたりと、非常にフレキシブルな対応がありました。
また、現地後の学習が無料で来たり、子供を育てながら金銭面の支援が受けられたりと、非常に充実していた印象があります。でも、これではまだ不十分ということで、世界一になるためのサービスの磨き込みをする、という本気度を感じました。
そして、今回私が参加している90 day Finlandというプログラムは、そのサービスの一貫でもあるし、ある意味では、「プロトタイプ」として、これからも色んな人に使ってもらいながらサービスを磨いて、より大きなムーブメントにしていくためのきっかけなのでしょう。
8月に始まるプログラム。前回の留学時には気づくことができていなかったことや最新の状況をお伝えしていければと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
写真:Helsinki Partner Websiteより引用
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