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栃尾江美(とっちー)
2016年6月9日 17:11
彼女はいつも泣いていた。涙は出なくても、心は泣いていた。彼女は孤独だった。田舎には両親もいる。地元で就職した弟もいる。月一で女子会する友達もいる。ときどき飲みに行く男友だちもいる。でも、東京の片隅で、毎日片道1時間の通勤をして、仕事をこなし、ひとりで帰る毎日は孤独だった。飲みに行っても、結局はひとりで家に帰る。毎晩、夜にはひとり寂しく泣いた。「孤独って、考えたことないなあ」バーのカウンター