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可愛い王子様③

おはよう……
彼の寝起きのかすれ声で今日が始まる
こんな大学生みたいなことするの?って思っていたのに
いつの間にかそれが当たり前になった。
夜も彼の声を聞かないと眠れなくなっていた。
ついこの前まで無かったものが
今では無いと落ち着かないという不思議な現象。

それから彼とは
何度かデートを重ねた。
不器用だけど楽しませようと頑張る彼が
私はたまらなく愛おしかった。


ある日、そんな彼で頭がいっぱいになり過ぎて
自分の時間が減っていることに気づいた。

彼は正直知らないことが多い。
一般的知識においても恋愛においても。
私が年上だから、私が知っとかなきゃ!
そういつしか思うことが増え
彼に頼ることを恐れて、甘えたい自分を隠してしまうようになった。

ほんとはもっと……
そう思いながらも自分にプレッシャーをかける。
そんな自分にいつしか疲れてしまい
気づいたら彼と距離を取るようになっていた。

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