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卒業


3月21日、大学を卒業した。

卒業式には行かなくて、今日郵送で卒業証書が届いた。


卒業式に出なかった理由は特にない。去年同級生のほとんどが卒業したから、卒業式に行っても多分つまらなかったと思う。

それでも、去年卒業した仲の良い友達は私の卒業を祝いたかったと寂しがってくれて、今年卒業する同級生は卒業式で会いたかったと残念がってくれて、嬉しいような寂しいような、そんな気持ちになった。



届いた卒業証書を見ながら、なんだかすごく感慨深くて、5年間を振り返ってみた。


大学1年生


大学受験は失敗とまではいかないまでも、納得のいく結果を出せなくて、第何志望だったかは覚えていないけれどそこまで志望度が高くなかった大学に入学することになった。


お世辞にも晴れやかな気持ちで入学したとは言えなかったし、友達もなかなかできなかったし、入学早々新しい環境と初めての一人暮らしに疲れてしまっていた。


それでも、自分なりに授業やバイトを頑張って、1年生が終わる頃にはそれなりに大学生活を楽しめるようになっていた。



大学2年生


大学2年生は、大学生らしく遊びに精を出し、ぎりぎり単位を取るという生活を送りつつも、多方面に充実した1年だった。

親友と呼べるような友達2人に出会い、暇さえあれば遊んで、楽しかった。夏休みにはイギリスに短期留学した後、高校時代の友達と車校の合宿に行って免許を取った。


夏の終わり頃から1年の留学に向けて準備を始めて、3年次の休学を決めた。何度か恋もしたけれどどれも叶わなくて、この時の恋は未だに少し引きずっていたりもする。



休学と留学


大学3年目、大学を休学して韓国に留学した。異国という未知の環境、言葉が分からないもどかしさ、人間関係のストレス、最初はただただ苦しかった。苦しさを乗り越えて安定しつつあった時、大腸炎になった。一難去ってまた一難ってこういうことを言うのかな、と痛みと苦しさを耐えながら思った。


大腸炎が治ってから、テストを乗り越えて夏休みに一時帰国した。帰る場所があるありがたみと友達のあたたかさが身に染みた。この時、高校生ぶり且つ人生2度目の彼氏ができた。再び韓国に戻ってから、以前のように勉強に励みつつ日本から旅行に来てくれた友達や彼氏と楽しい時間を過ごした。


留学中、課題と授業の準備に追われる毎日だったけれど、ルームメイトや友達、先生にたくさん助けられて、いろいろな面で成長できた。もっとああしとけばよかった、みたいな後悔もたくさんあるけれど、それを差し引いても良い1年で、きっとずっと忘れられない1年になった。




大学3年生


大変だったけれど充実した濃い1年の留学を終えて、同級生からひと足遅れて大学3年生になった。友達と大学で過ごせる最後の1年、全力で楽しむはずだったのに、コロナが始まってしまった。


4月の開講に合わせて一人暮らしを再開したけれど、開講は大きく遅れた上に授業のほとんどがオンラインになり、登校することも、大学で友達と会うこともほとんどなかった。それでも、仲の良い友達とは定期的に遊んでいたし、彼氏ともそれなりに順調だった。


夏、1年記念日を迎えてほどなくして彼氏と別れてから、何かが狂い始めてしまった。男遊び、クラブ通い、過剰な飲酒、何かから逃げたかったのだろうか。3年の後期は単位をたくさん落とした。そんな中でも素敵なお店に出会ってバイトさせてもらったり、新しい彼氏ができたり、救われることもあった。


そんな私がより深く暗いところに堕ちてしまったきっかけが、同級生の卒業だった。分かっていたことだったはずなのに、1人になってしまったと思わずにはいられなくて、どうしようもなく悲しくて寂しくて苦しくなってしまった。


大学4年生


4年生になってからも、しばらく暗闇から抜け出せなかった。お酒、性行為、自傷行為に逃げて、逃げている自分がどうしようもなく嫌で、将来なんか考えられなくて、毎日が地獄だった。鬱、不安障害、間違いなく私の人生の中で今がどん底だと思った。

卒業できるのかどうかも分からなかったから、就活もしていなかったし、授業には出れていなかった。いつの間にか夏になって、ゼミの先生と面談をした。「大丈夫、卒業できるから」その一言に涙が止まらなくて、そこから卒論を書き始めて就活を始めた。


下ではなく前を向いて歩けるようになるまでには少し時間がかかったし、就活でどうしようもなく辛くなってまた暗闇に戻りかけてしまったこともあったけれど、冬になる頃には笑っていられるようになった。


1月には卒論をなんとか提出して、納得のいっていなかった就活をもう一度やり直して、2月には以前よりも納得のいく形で就活を終えた。そして3月21日、無事に卒業を迎えることができた。








お疲れ様、よく頑張ったね。自分にそう言いたい。
ありがとう。支えてくれた人にそう言いたい。


ただの通過儀礼だと思っていたけれど、こうして卒業を迎えられたことはやっぱり誇らしい。



5年間、楽しいことばかりではなかったけれど、良いことも悪いことも含めて、たくさんの思い出で溢れている。


でも、思い出に、過去に、縋ってしまわぬように。


"笑い合った思い出を追いかけてしまわぬように 進んでゆく"
HERO COMPLEX -桜前線


友達が私の卒業に際して「おめでとう」という言葉と共に送ってくれた曲の歌詞が妙に心に刺さる。





長い長い学生生活を終えて、これから私はどんな人生を歩んでいくのだろうか。


大きな期待はしていないけれど、暗闇で1人で泣いたりせずに、明るいところで笑っていられたらいいなと思う。




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