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私の就活日記(完)「こんなはずじゃなかった」

私が就活を終える決断をしてから約1ヶ月が経った。

就活を終えてから、一人暮らしをやめたり、大学の後期が始まったり、卒論の執筆で忙しかったりと、あっという間に時間が経った。


今日はなんとなく、私の何とも言えない就活の終わりについて書いてみようと思う。



大4の7月末、私は周囲からひと足もふた足も遅れて就活をスタートさせた。

大学のキャリア支援課がやっていた就活講座やイベントには一度も行ったことがなかったから、何をすればいいのか、右も左もわからない状態だった。そんな時に縁があって就活エージェントを利用することになった。

最初は何もわからなかったし、正直内定をもらえればどこでもいいと思っていたから、紹介してもらった企業は一通り受けてみた。

エージェントの担当の人がESの添削や面接対策も丁寧にしてくれたおかげで、最初の1ヶ月の間で内定を2つもらった。

でも、就活を始めた時のなんでもいいという気持ちとは裏腹に、どんどん欲が出てきて、働きたい業界もはっきりしてきて、申し訳なかったけれど2つの内定は承諾期限ぎりぎりまで粘ることもなく辞退した。


この時は、第一志望の最終面接をまだ受けていない状態だったけれど、なぜか受かる自信があった。それまでうまくいっていたから。けれどダメだった。

その時受けていた他の企業もほぼ全滅。絶望的だった。当たり前だけれど内定2つを蹴ったことを後悔した。まさに後悔先に立たずだ。


そんな中で、唯一最終まで穏やかに進んで、内定をもらえた企業が1つあった。もう9月末だったということもあり、そこで終わらせるのが安全で無難だとは思ったけれど、どうしても自分を納得させるまでに時間がかかった。

ここでいいのか、ここに入りたいのか、何度も何度も自問したけれど、出てくる答えはノーだった。面接や面談を通して出会った社員の人たちはみんないい人で、会社の雰囲気も良さそうだった。けれど、志望業界とは全く違ったし、仕事内容もやりたいことにはほど遠かった。

新卒という一度きりしか使えない切符を、そこに使いたいとはどうしても思えなかった。かと言って、志望業界で受けていた企業が全滅した状況の中で他に受けたい企業もこれといって見当たらなかったし、何よりも精神的に限界だった。

たった2ヶ月の就活で、私は疲弊しきってしまっていた。毎日毎日就活のことを考えて、思わしくない結果が出るたびに執拗なほど自責を繰り返して、面接官の放つ一言一句を全力で受け止めて考えて考えて考えて、どんどん自分が分からなくなっていった。

私は一体何者なのか、こんな私に何ができるのか、私に一体どんな価値があるのか、考えてもキリがないと分かっているのに、考えてもマイナスな方向にしか進まないと分かっているのに、考えることをやめられなかった。

そうしているうちに、本当に本格的にしんどくなってしまった。1人で抱えきれなくなって、友達に電話しながら2、3時間泣きやめない時も何度もあった。就活前までしばらく落ち着いていたのに、気づいたらまたリスカをしてしまっていた。


心が限界だった。これ以上就活を続けたところで、もっと辛くなるだけだと分かっていた。

だから私は、逃げることを選んだ。その時出ていた内定を承諾して、それ以上就活を続けることを辞めた。

それが、あの時の私が自分を守るためにできる最善の選択だった。それでもやっぱり、いまだに就活に未練は残っている。

「こんなはずじゃなかった。」

そう思ってしまう。でも、人生ってそんなものなのだと思う。今までだって数知れず「こんなはずじゃなかった」を繰り返してきたはずだ。だから、そこからが始まりだと思う。

「こんなはずじゃなかった」を、どうやって「これでよかった」にしていくのか、それを考える方が気が楽だと気づいた。

だから私は、その会社でとりあえず頑張ってみて、そこで満足できなければもう一度改めて納得できる選択肢を探していこう。それでいいんだ。

そうやって私は私を納得させた。


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