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「そのさきの、むこうに」自分は何者か

幼い時の自分を振り返ってみる。
もしもあの時の自分に会えるのなら優しく抱きしめてあげたい。

そして、こう言いたい。
「だいじょうぶだよ」

ただ、それだけでいい。
ただ、それだけで、どんなに安心しただろうか。

「ガイジン」とは言われたけど、特別にいじめられたことはない。

そんなの、なんでもなかった。
チビ、デブ、ブス、バカなど、昭和の時代の子供はズケズケ言ったのを覚えている。

だから、たまたま私は「ガイジン」なだけ。そう思って、なんとか乗り越えた。

お友達はみんな優しかった。
嫌な人も何人かいたけれど、本当によき友人に恵まれた。

自分が一体何者なのか気になりだしたのは、中学生になってからだ。

夜の帰り道で、たまたま月を見つけた。
それまで、月を見るのが好きだったのに、
中学生になったら、月がいつまでも自分についてくるのにうんざりした。

神様にどれだけお願いしても、わからない。

そして、いつもこう思った。
「どうしてわたしだけ、みんなとちがうのだろう」

「どうしたら、みんなとおなじになれるのだろう」

「このさき、どうやって生きていけばいいのか」


答えは、いつも、わからない。


そして
「わたしは、いったいなにものなのか」


日本語を話すけど、                                                    でも顔は日本人ではなかった。                       母の母国語は話すけど、                        その国のことはよく知らない。                               


この答えを見つけられたのは、

30年後。


やっとみつけた。