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お母さんは愛情の土台。大っ嫌い!だけど大好き...


〇〇は 大事な子
お母さんが 世界中の敵から
守ってあげる … 


愛してる 愛してる
愛してる 愛してる
愛してる 愛してる





湊かなえの短編小説
ポイズンドーター ホーリーマザー
をドラマ化したものが
アマゾンプライムで視聴できる。


その時に流れるエンディングテーマが
この「大事な子」という歌だ。


〇〇にはそれぞれのストーリーの
主人公の名前が入る。


ドラマが面白かったので
原作も読んでみたが
この歌はドラマオリジナルで
ドラマの内容も原作とは若干違う。


ドラマを観たら分かると思うが
この歌がしばらく頭から離れなくなる。


子供を守るための母親の行動が
子供にどんな心の傷を残すのか…


あなたのためなの!という言葉が
本当に愛から出たものなのか…


そして、親への怒りは
感じてはいけないのだろうか…


湊かなえが
イヤミスの女王と呼ばれてるなんて
今まで知らなかったが
(イヤミスとは読後、イヤな気持ちになる
ミステリーのことらしい)


そこはさすが湊かなえで
ドラマも原作もドロっとしたものが
心に残るような作品であった。


個人的には生理前の鬱期間に
こういうイヤな気持ちが残る作品を
欲する傾向があり ↓



しかも、生理や婦人科のトラブル
というのは母親への怒りが関係してる
と思うので、特に最適な作品だと思う。


ホメオパシー的な同種療法で
心の傷を癒していけると感じている。


ちなみに、母親への怒りはみんなあるけど
自分では気づいてない場合がほとんどで
みんないい子ちゃんの仮面を被り
親への怒りは深いとこに仕舞い込まれてる。


私も母親への怒りが湧いてきた時に
こんなにも母を恨んでいたのか…
と驚いたくらいである。


普段は仲のいい親子なのに
心の底では母親みたくなりたくない!
と強く思い恨んでいたのだ。


私なんかが子供なんか産むべきじゃない!
そう深いところで思っているのは
これ以上愛されない子供をこの世界に
増やしたくないと思っていたからだった。


と同時に
自分を愛することもできないくせに
よく子供なんか産んだもんだ!という
親への強い怒りと反発心もある。


愛が分からない大人たちが
子供を産んで大人ぶっているが
子供が子供を育ててるようなものだ。


自分一人愛せない私が
子供を愛することができるだろうか?


どうせ母親の二の舞になり
愛情という名のエゴで子供を
自分の都合の良いように操るのだ。


そんな負の連鎖をどこかで止めなくては…
これ以上不幸な子供を増やしてはいけない。


これ以上
愛に飢えた子供を増やしてはいけない…


そんな心の傷が疼いていた。


どうしてお母さんは
私を愛してくれなかったの… ? 


強い憎しみというのは
私を愛してよ!という強い心の裏返しで
愛情の基本は両親である。


パートナーや友人に対する怒りも
両親への怒りが反映してるだけ。


母親にも限界があるのだ…
お母さんも愛を知らなかったのだ…
そんなことは百も承知で怒ってる。


まずはこの怒りを出すことが
心の癒しには必要であるのだが

ホーリーマザーを読んで



親に対しての怒りを持つ自分を
責められてる気持ちになる人は
少なからずいるような気がする。


誰よりも自分が、親に対して
そんな気持ちを抱いてはいけない!
と本当は思っているのだから。


ポイズンドーター ホーリーマザー


毒親をテーマにした内容かと思いきや
タイトルは毒娘と聖なる母である。


個人的にはエンディングに流れる歌が
全てのストーリーを象徴してるようで
ドラマ版も観て欲しいところ。





内容はどれも面白いが
特に印象的なストーリーは
罪深き女優しい人という話。


罪深き女という話は
近所の可哀想な男の子を助けることで
自分は必要とされてると思い込んでる
主人公の女の子の目線で語られる話と



殺人犯となったその男の子が語る話が
全く噛み合ってないところに面白さを感じた。


私たちは本当に見たい世界を見るのだ。


可哀想!という言葉を多用する人に
幸せな人はいないと私は思う。


可哀想な人を助けたい人って
可哀想な存在を仕立て上げ支えることで
自分の存在価値を高めてるから。


あの人には私がいないとダメなんです…


なのではなく


私はあの人がいないと
自分の存在意義を見出せないんです

ということろである。


恋人を、子供を、親を、パートナーを
可哀想な存在として見下すことで
自分自身を支えてないか?


私自身もこれに気づいた時に
自分の存在価値を高めるために
不幸な存在を探していたことに気づき
愕然としたことがある。


あぁ、私は良い人ではなかったのか…
自分よりちょっと可哀想な人を助けることで
役に立った感を得たいだけだったのか…


人を助けたい!人を救いたい!
だって必要とされたいんだもん!


人を助けたい欲が強い人が
どこか不幸そうに見えるわけは
全て説明がつくのだ。





優しい人という話は
自己犠牲的な優しさを繰り返した結果
とんでもない結末になってしまう話だ。


以前、海外の事件で
心優しい少年が「何でも言ってよ!」
と言って近所の老人の面倒を見ていたが


その老人の要求がエスカレートしていき
その老人に我慢ならなくなった少年が
その老人を殺害してしまった実話がある。


良い人だった彼がなぜ殺人を…?


ふとそんなことを思い出した。


優しい人でありなさい!
そんな母親の言葉を忠実に守り
自分が犠牲になることで人を喜ばせ
その度に母親は主人公の女の子を褒めた。


その子は優しい女の子に育ち
ついに殺人犯になった。



私も子供の頃に「お姉ちゃんでしょ!」
と言われて妹に何かを譲ることで


優しい子だねぇ〜と取って付けたような
褒め言葉をもらったことがある。


それが優しだと思っていた。


イヤなことでも我慢し他人を喜ばせ
他人を優先し譲ることが優しさなのか…?


そんな我が子を「優しい子」と
思い込みたいのはどこの誰だろうか。


真の優しさを知る人になりたい。


そんな人にもオススメしたい小説だ。


あなたのためなの…
優しい人でありなさい…
人を助けなさい…
こうしなさい、あぁしなさい…


愛してるから、言ってるんだ。


〇〇は 大事な子
お母さんが 世界中の敵から
守ってあげる … 


愛してる 愛してる
愛してる 愛してる
愛してる 愛してる


私にはこの歌の「愛してる」が
どことなく暗く重いものに感じた。


お母さんの深い愛とエゴが混じり合う。


お母さんなんて大っ嫌い!
だけど本当は大好き!


私たちの心に
そう叫ぶ子供がいないだろうか?


お母さんから得られなかったものを
私たちは何で埋めてるのだろうか?


素敵なパートナーだろうか
子供だろうかお金だろうか仕事だろうか…



それともとうの昔に何かで埋めるのを
諦めたのだろうか…


本当の愛を知るために
心の傷を直視する必要があるんだよ。


そんな心の傷を刺激してくれる
ポイズンドーター ホーリーマザーは
自分の中に何か変化を起こすのではと
私は思っている。


あなたは愛を知ってますか?



最後までお読みいただき、ありがとうございます♡