辿りついたソウルの宿で
アカデミー賞受賞の「パラサイト」以降更に評価高まる韓国映画ですが。
韓国には青龍映画祭という華やかな映画祭があります。(日本での日本アカデミー賞みたいな)いつもキムジャンが終わった時期にあるので、これが終わるとぐっと寒くなる気がする季節の風物詩。その映画祭の司会を長年務めたキム・ヘスという国民的女優がいます。彼女が纏うドレスは毎年話題になりました。人よんで「青龍の女神!」
1970年生まれ数え年55歳、抜群の美貌と若々しさに加えてシリアスからコミカルまでこなす高い演技力。まさに韓国映画やドラマの看板女優。出演作全部面白いのも良い。他にも大女優はいますが、この方をトップに据える事に異議ありの韓国人は多くないんじゃないかと。
ここからが大変大変言いにくいことなのですが(書いてますが笑)
以前から韓国人相手に口にしてみたかった冗談がありまして。
それはキム・ヘスが登場する冗談。でも上記のようにキム・ヘスは韓国の国民的大女優なので下手には言えないな~という冗談でした。だけどちゃんと言えたら、人がどっかーん笑いそうだなあ、家族以外に言ってみたいなと思ってました。それがとうとう先日叶ったので、嬉しくて書いてます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ソウルでイベントを開催する関係で一泊した日、
友人の紹介で「ユジンハウス」というゲストハウスを訪れました。
ソウルのヘファ駅(恵化駅)からほど近い伝統韓屋でした。
庭をぐるっと四角く家が囲んでいるスタイル(ミウム字型)でした。
大家族が出てくる韓国ドラマのセットみたい。ソウルの街中にこんな所があるなんて!ヘファの大学路は舞台公演が多く、また東大門市場からも近いので観光客にとても便利な場所でした。
夜遅く出迎えてくれた感じの良い女主人キム・ヨンヨンさんは、とても日本に好意的な方でした。日本に1年半住んだ関係で日本語も喋られました。韓日交流に関心が高く日本人の御友人も多いと。思い立ったらソウルから釜山まででもすぐにkTXで飛んで行ってしまうフットワークの軽い素敵なアラカン女性でした。
キム・ヨンヨンさんのインタビュー発見!↑
なんと!ご自身が運営するゲストハウスの事を本に書いて出版した人。それも既に日本で翻訳出版されてた。すごい!(ユジンはお嬢さんのお名前です)
韓国伝統家屋 オンマのおもてなし日記 キム・ヨンヨン著
日本のみなさん「ユジンハウス」へようこそ!
到着した時間からついつい12時まで喋ってしまい、翌朝も出発するまで喋ってました。いっそ同じ布団で寝た方が良かったのかもしれません笑。ご好意で朝食を頂き、大学三年生の可愛いお嬢さんも同席しての楽しい朝ご飯の席で。私はとうとうその冗談を口にすることができました!夜も朝も宿の奥さんが私の服装を何度も褒めてくれたので「今だ!ここだ!」と思ったのです。
「すごく良い服着てる。カッコいい!すごいモッチェンイ(お洒落さん)」
「全部高そう!」
「ありがとうございます。イタリア製です」
高額なものじゃないけどイタリア製なのは本当。
お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません!
はい、その冗談と言うのは
服は好きなんだけど溜まっちゃうから川に流すの~。
ある日テレビ見たら青龍映画祭でキム・ヘスが着てた服!
私が漢河(ハンガン)に捨てた服だった!
身長と体重が同じだからきっと着てるのよ。
ああ困っちゃうわ~!
これを韓国人相手に言ってみたかった!
キム・ヘスと身長体重年齢が同じなのは本当です。
目とか胸のデカさも色々違うけどさ笑
さらっと言ったら奥さんと娘さんが身体を半分に折って大爆笑!
やった~!!!!笑ってもらえた!
絶対起こりっこないという話なのでただ笑える。ついにこの冗談を言えた。やっといえた!愛してる!(アイドル笑?)
とにかくキム・ヨンヨンさん母子に笑って頂き(二人とも優しい)、私は長年の望みをソウルの韓屋で果たしたのでした。相手に恵まれました!懐が深い相手じゃないと言えない~。感謝!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
実はこのネタには元ネタがあります。10年以上前ですがNHkの生活笑百科という番組で西の女帝上沼恵美子さんがこんな事を仰いました(大筋ですが)
もー!テレビ出して頂いてありがたい事ですけど
どんどん服溜まりますやろ、
しょうがないから淀川に流しますねん。
こないだテレビ見たらそれをあの女優さん!
誰やと思はります?
松嶋菜々子さんが着てまして!
ビックリしましたわ!もー困るわあ
松嶋菜々子さんは時のトップ女優。(家政婦のミタ辺りだったかな)だったのでこれは絶対ありえない。松嶋菜々子が淀川で拾った服着わけない笑
破壊力ハンパない!スケールデカすぎてただ笑える。いつか私も言ってみたい!と思いました。こんなことが望みだなんて変だけど、これずっと言いたかったのです笑
(ちなみにこの番組でした笑 上沼恵美子さんありがとうございます)
このジョークはデカい話好きな韓国人向き!韓国で誰もが知る国民的女優って誰だ?キム・ヘスがいい!と、勝手にキム・ヘス様にご登場頂いたのでした。「どっかの日本人オンマが捨てた服をキム・へスが着てた!」 なんて噂が御本人の耳に、、届くと面白いな!
同じ事でも笑いながら笑顔でやりたい。いつもそう思ってきました。ウケると嬉しい大阪辺りのDNAが骨髄まで沁みて笑 韓国でもそう生きててます。同じ道であってもお花を摘みながら進むように。だってその方が美しい。だけど国民的女優キム・ヘス様とあっては難易度高し!話は受け手があってこそ。そしてついに出会ったそのお相手はなんと作家さんだった~!キャッチがいい人には実に話しやすい。私は自分が行くべき宿にちゃんと辿り着いたらしい。
今回お世話になったユジンハウスはソウルで韓国人と韓国語で会話してみたい方には、すごくおススメの良いお宿だと思いました。日本には韓国語勉強なさってる方も多いので。韓国のゲストハウスでも宿泊者同士のコミュニケーションのない所もあります。
お布団も韓国の時代劇に出てくるようなお布団でしたね。四角いお庭の水道で、デカすぎるたらい使って大量の野菜洗うような「韓国ドラマごっこ」も出来るのじゃないかしら。韓屋を背景に韓国ドラマごっこして、写真や動画撮って遊べそう~ ユジンハウスの女主人は愉快な人なので、一緒にのってくれるのじゃないかしら。オープンマインドな方でした。
私が最近書いたエッセイを簡単に紹介したのですが「韓日の事で、歴史が正しいとか間違ってるとか、もーいい!今から韓日で手を取り合って出来る事!一緒に楽しめること一緒に笑えること、そういうことを書いていきたい!」という私の意見に「それがいい!そういうのがいい!」と強く同意してくださり、嬉しい限りでした。こんなエッセイ↓
ちなみにキム・ヨンヨンさんとは、これっきりで終わらず今後もご縁を大事に、でもお互い無理せず付き合って行きましょうという話に。懐の大きな柔らかなスタンスがありがたいです。暖かいお人柄だけど暑苦しくなくてさっぱりしてて、昔風の韓国人のように押しが強すぎるわけでもなく、でも心熱くて風通しのよいお姉さまでした。目がキラキラしてるの。
「あなたはラバンやりなさい!(ライブパンソンlive放送)絶対ラバンがいい!あなたの話は面白い」と私に積極的に勧めてくれました。今は個人発信の時代だから!と。自分をブランディングしていく時代だ。あなたは発信するものが既に沢山あると。なんかもう形も出来てるし!と。
それは3月3日ひな祭りの夜だったのですが、そういえばひな祭りのお雛様ってレッドカーペットに載ってますね。多くの韓国人がキム・ヘスを好きなのは彼女の美しさや演技力もさることながら、あのレッドカーペットがこの上なく似合う堂々した感じに惹かれてるような気もします。オムネのラインが見えすぎる露出の高いドレスだろうが、きりりのパンツスーツであろうが「わたしはわたし!」オーラを発する彼女の在り方に。日本で言えば米倉涼子さんや天海祐希さんでしょうか。
確かに今は誰もが「自分発信」出来る時代。一人一人が自分をレッドカーペットに載せてあげる、歩かせてあげる時代なのかもしれません。ラバン、、やったことないけど、やってみたいな!そう思った夜でした。ラバンで韓国語で青龍映画祭でキム・ヘスが着てた服って、私が漢河(ハンガン)に捨てた服なのよ~困るわ~ 出来たら面白い笑
女性が主役としてレッドカーペットを歩く許可を出す、堂々と美しく。自分を「お雛様」扱いしてあげること。それは別に男性を踏みつけたり犠牲にすることではない気がします。成熟した女性は男性も勝手に幸せにするのでは?映画祭で女神キム・ヘスをエスコートする男性俳優さんはとても誇らしそうに見えます。やった~オレ栄誉を賜った~みたいに。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?