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ロックダウン生活開始を振り返る

2020年3月中旬以降、ヨーロッパで猛威を振るいはじめたコロナウイルスの感染拡大により、各都市でロックダウンが遂行され、住民はステイホームを余儀なくされました。
私の街フランクフルトももちろん例外ではなく、ドイツは「家族との1日1時間以内の家の周りの散歩」は認められたものの、それ以外の不要不急の外出はなるべくしないように、との呼びかけがされました。

これは本当に「あれよあれよ」という間に決定され、私たちはものの40時間くらいの間に、それまでの日常とは全く違った日々を過ごすことになったのです。
それもそのはず、イタリアなどはこの決定が遅れ、その間に国外に移動した人が多かったために感染がさらに広がったという批判があったからですね。

今でも忘れない3月12日の木曜日、いつもの先生のいつものZumbaクラスが終わり(この日はすでに挨拶のハグやレッスン後のハイタッチなどはなし)、来週も無事にクラスできると良いよね、と話しました。
翌金曜日、娘が午前中の授業を終えた後、今日は学童は中止でそのまま帰される事になる、と連絡があり、帰宅した娘は学校に置いていた荷物を全て持ち帰って来ました。この時点でもう嫌な予感が確信めいたものとなりました。

案の定、その日の夕方にメルケル首相より緊急事態宣言で、学校や幼稚園などの教育機関の閉鎖が発表され、会社勤めの人もホームオフィスの推奨を受ける。

14日土曜日、この日は子供達が通う日本語補習校の卒業式。うちは息子がちょうど幼稚部卒業でした。
それまでの練習もフイになるかなと思いましたが、参列人数を極限にまで減らし、何とか卒業式を決行してくださいました。
これは今振り返っても本当に感謝です。

日曜日は街を避け、お友達家族と森歩き。休憩に入った森のレストランは、普通に営業しておりました😅。
その時はまだ屋内でのマスクの着用義務もなく、客席同士の間も今のように距離をとっておらず、窓も閉まっており三密に近い状態…
当時から手洗いや消毒の推奨はされていたので、それは守っている人も多かったです。が、その時消毒液やハンドソープなどはどこも品薄状態。
果たして全員ができているかはちょっと疑わしい。

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この時ドイツで感じた事は、日本と比べてとにかく手動ドアが多い事です。
レストランやお店の入り口、マンションの入り口など、自動ドアは滅多に見られません。
電気の無駄遣いを避け、寒い冬に室内の暖かい空気を逃さないようにする、という節約的な考え方からだと思いますが、これと挨拶の時の握手の文化により、感染拡大が日本と比べて多かったのでは、というのが私の個人的な考え。
ドアノブに素手で触れないよう、肘で下に押してみたり、上着の袖を手に絡ませてみたりとやっていました。が、薄着の季節はこれもキツい…😓
その他にも「公園に水道がない」とか「レストランでおしぼりやお手拭きが出ない」とかありますが、長くなるので今回は割愛します。

その数日後にはロックダウン発動の発表。私たちは長い自宅待機生活に入りました。
かつてない頻度で、日本領事館からの注意喚起や現状アップデートのメールがバンバン来るという事態も発生。
(あまりに頻度が多いと、なんだか重要性が薄いように感じてしまう人間の順応性が悪い方向に働く例😅)

さて、普段から創作などで家に引きこもりがちな生活をしていた私にとっては、あまり不便を感じるようには思えませんでした。

が!私にとってとても困る事態が。それは

「創作中は一人でいたい(誰にも家に居て欲しくない)」問題。

ロックダウン中に一番厄介なのはこれでした。
創作中でなくても、私は一人の時間が好きだし、必要不可欠なのです。
自分を保つためというか、自分と向き合う時間が必要というか…

子育てを経験されている方はお解りと思いますが、特に子ども達が在宅という事は、何をするにしろ「作業が途中で中断される」可能性が高いという事。
こうなると私はもう「絵を描く」作業が非常にやりにくくなります。作業にノッているときに途中で邪魔されると、発狂しそうになるから。

縫い物はどうだろう?まだ試していなかったので、帯作りの続き、そして前々からやろうと思っていた、ポリマー(樹脂)粘土を使った帯留めなどのアクセサリーの制作に取り掛かる事を決めました。
粘土はもしかしたら、子ども達と一緒にレクリエーションっぽくできるかもしれないしね。

こうして家族全員ステイホーム状態、お籠り&創作の両立に奮闘する日々が始まりました。

つづく

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↑散歩の風景。服装と木々の様子から、まだ春の気配をうっすらと感じる季節であった事が伺えます。

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