地位と名誉と名声と…その果てには?その故人の死を本当に悼んだ者は居たのだろうか?

 私の長い間の、心の奥にある疑問である。

 私には、中学時代からの友だちで、22歳の若さで没した、同人誌界でけっこう有名だった友人がいた。

 彼女の中学生時代は、ぱっとしなかった。
 
 そんなに美人でもない、成績も良くない、体育もできない、なんの取り柄もなく……私が友人になったことでも、喜んでくれた。

 ただ、性格が、すこぶる良かった。


 私と彼女は、別々の高校に進み、
 彼女とは、その後も 彼女が亡くなるまで友情が続いた。

 ところが、高校に入った頃から

 彼女の漫画の才能が 花開き始めた。


 高校の部活でやっていた漫画の活動で、先輩に誘われて同人誌界に入った。

 そこで、メキメキと頭角を現し始めたのである。


 そして、私は 大学に進み、


 彼女は、社会人に。


 社会人になり、自由に同人誌にお金を掛けることができ、活動量が飛躍的にアップした彼女は、その実力で、同人誌界では、有名人だった。

 そして、私の周りでも、

 少し、良からぬ変化が起きた。

 私を利用して 彼女に近付く者も出てきた。


 世の名声、名誉を得るとはこんなものか………



 その彼女が、急逝した。


 病死だった。



 葬式には、全国から「友人」が訪れたが、


 私は、彼女らが 本当に私の友人の死を悼んでいたか分からない。


 私は、身体を壊していたが、


 火葬場でずっと見守っていた。


 「友人」たちは、火葬場の待機室で、何かをとても楽しそうに話していた。
 わらっていた…………。


 中には、有名人と繋ぎを取るために来ている人もいたのでは無いか………?


 そんな、ひねくれた勘繰りさえも生まれてしまうほど……

 彼らは、有名でない人には冷たく、

 有名な人にだけ、一生懸命ついて行った……


 私の思い過ごしだろうか……


 私の目が、ひねくれているのだろうか………



 答えは、敢えて出さないことにした。


 ただ、私のお葬式には、

 本当に悲しんでいる人にだけ 来てもらいたい。

 ほんの小さな星だけどね☆


            おわり

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