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【創作童話】わが家に幼児がやってきたー最終回・苺ちゃん結婚式💒ー

このシリーズは、このマガジンに収録中、よろしかったらどうぞ。

わが家にやってきた、親友 菜々子さんの娘、苺ちゃんが、とうとう結婚式を挙げる👰
私、苺の「まま」(現在の)と、苺ちゃんの本当の母、菜々子さん、それから「ぱぱ」は、苺ちゃんに知られないように準備を進める⭐
あー、あの頃は3歳だったのに……💔


ちゃちゃちゃちゃーん✨ちゃちゃちゃちゃーん✨✨と、結婚式のファンファーレに合せて、式場の扉が開く。苺🍓ちゃんの結婚式だ。
苺ちゃんの彼氏は、檸檬🍋くんと言ってキラキラネームの果物夫婦♥だ。

こんなお似合いの2人はいるだろうか?(名前が?それとも、他のこと?)
苺ちゃんは、すこし顔を赤くして(もともと顔が、赤っぽい。紅顔の美女!♥)檸檬くんの腕をとって入場してくる。まっ白なウェディングドレス💖

檸檬くんは、その名の通り、爽やかな 背が高い、側によると柑橘系の柔軟剤の匂いのするような好青年だ🍋。苺ちゃんによると、勉強はそこそこだけど、喧嘩をするととても腕っぷしが強い。元・マラソンランナーだ。

体育会系なのに、苺ちゃんの話をただうんうんと聞いてくれるんだって(根気強く)。
ままも、ぱぱも一目でお気に入り。

そして、会場にひとり隅の方に参加した、苺ちゃんの本当のお母さんは、少なからず、涙ぐんだ。

(ごめん、苺……。ネグレクトしたのに……)

苺ちゃんには、苺ちゃんが成人したとき、「本当のお母さんは、苺ちゃんが赤ん坊の頃に病気で死んだ」と伝えられた。それは、菜々子さんの希望でだった。苺ちゃんは、本当は、菜々子さんの望んだ子供でもなく、本当のお父さんは誰も知らない人だった。お父さんも、「病気で死んだ」と、伝えられた。

「ただね、苺。本当のお母さんは、とても良い人で、苺を産んでから、お父さんがいなくても、本当に頑張ったの。独りで頑張ったのよ」
と、苺ちゃんには伝えられている。

苺ちゃんは、目をきらきらさせて聞いていた。
「ほんとう?」
「ええ、本当よ」
ままは、言い聞かせるように言った。

苺ちゃんの過去のビデオが流される♥

苺ちゃんの知られたくない過去!⚡どーん!(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)

「ぱぱぁー♥ぱぱぁー♥」
抱きまくらに巻き付いて、いかがわしい(くも見える)「ぱぱ遊び♥」をしているシーン♥♥♥⚡(⁠・⁠∀⁠・⁠)よだれ垂れてます。

苺「ぱぱーーー!(●`ε´●)💢」
ぱぱ「はいー!?」
苺「なんで、こんなの撮っとくのぉーー!💢⚡」

過去のピデオはつづく……(笑)。

「ぱぱ遊び」シーンの終わりは
「見られた〜、もうお嫁に行けない〜〜💔💔」
会場中、どっ(爆笑)。
苺ちゃんの友人の一人が「来てるじゃん(笑)」

進行係「つぎは、苺ちゃんがぱぱ達に、ディスコに連れて行ってもらえなさそうになったとき〜〜🎉⚡」(ぱんぱかぱーん🎵)

苺「ビスコ……ビスコ……(泣きながらお菓子のビスコをやけ食い)」

会場(失笑😁)

苺ちゃん、真っ赤になってぷんぷん観てる。
ぱぱの方をみながら。
(ぱぱ、いつの間に撮ったの!💢)
(ふふふ。苺は僕の大事な子だからね)

「苺ちゃんは♪すーぱーっ!🎵3歳児!🎵🎵🎵」
これは、卵を大量にばんばん割って「お料理」しているシーンだ。

まま「あら、懐かしいわ。このとき、夕食は、オムレツやだし巻き卵、天津丼も作ったのよ?ふふふ」
苺「………💔」
真っ赤になって、うつむく。

次は、檸檬くんの過去ビデオだ。
檸檬くんは、元・箱根駅伝のランナーだ。

箱根を走る檸檬くんを観て、苺ちゃんの友達は、黄色い声をあげる。苺ちゃんの目つきは鋭くなり、その女友だちにガンをつける⚡。側で、檸檬くんは、その初めて見る苺ちゃんの表情をみて、震え上がる💔💦

将来の、苺ちゃんの嫉妬深き結婚生活を匂わせながら、結婚式はきらきら✨と、さわさわと、にぎにぎしく終わり、

苺ちゃんは、ぱぱとままへのお礼の手紙を読み上げる。

「ぱぱ、まま、ありがとうございます。ここまで、育ててくれてありがとう。特に ぱぱ。ぱぱは、私の初恋の人でした……」
こんなところでも、苺ちゃんは、ぱぱを贔屓する。今度は、檸檬くんがぱぱを睨みつける⚡⚡⚡

新たな、家族間紛争の予感を漂わせ……、
苺ちゃんは、結びのほうを読み始めた。

「最後に、私をほんとうに産んでくれたお母さん、天国で聞いてください。
私の友人たちも、私がもらいっ子だというのを知っていますが、とても仲良くしてくれます。
それは、お母さんがとても人に愛される人だったからなのだろうと思います。
今のままから聞きました。
お母さんは、とても頭がよくて、美人で、みんなの憧れだったと……そして、みんなに優しくするのでとても好かれる人だったと……。
私は、そんなお母さんに会いたかったけど、天国で会えるようにします。
お母さんに恥じないように、優しく、みんなに愛される人になります。
お母さんが、私を産んでくれたから、私はぱぱ、まま、檸檬くん、友だちに会えました。
こんな素晴らしい人生をくれてありがとう。
母の日にカーネーションを贈ったり、肩たたきしたり、恩返ししたかったけど、今はそれが叶いません。
いつか、天国に行ったとき、お母さんにたくさんお土産話ができるように、檸檬くんと幸せな家庭をつくって、子どもたちや、孫の話まで、たくさんの思い出話を持っていきます。
今のぱぱ、ままに愛されたことを話します。
その日まで、待っていてください。産んでくれてありがとう。しばらくの間さようなら」



菜々子さんは、会場の片隅で涙を流していた。
そして、苺ちゃんを産んだ朝のことを思い出した。

(苺……、苺。私は、あの朝、苺ちゃんを産んだあと、初めて食べたのが、私のお母さんの差し入れた苺だったの。
甘くて酸っぱくて……。苺、あなたを初めて見たとき、ほっぺたが その苺みたいに真っ赤だったわ。
こんな、ちいさな可愛い子が、この苺みたいに人に癒やしを与える、ちいさくてもいい、冬を越えて春に人にさわやかさを与える、清涼感を与える、そんなちいさくても大きな存在になって欲しかったの。
苺は、それ以上になってるかもね。こんなに愛されて。
私も、もう大丈夫。ひとりで歩いていけるわ)


ままは、そんな菜々子さんの涙を見て、菜々子さんのなにかも消えたのだと思った。

春、輝く緑。店頭に並ぶ苺も、もうそろそろ終わる頃。苺ちゃんは、ジューンブライドになった。

   

             おわり🍓

トップ画像は、メイプル楓さんの
   「みんなのフォトギャラリー」より🍀
    ありがとうございます♥

©2023.5.21.山田えみこ

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