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作戦会議のカレー屋さん
家の近所に、インド・ネパール料理屋さんがある。
最初は看板に書かれていた「チーズナン」に惹かれて何の気なしに入ったのだが、今ではすっかり店主の虜だ。
(もちろん、チーズナンもカレーもおいしい)
店主の接客が丁寧でかつほどよく、思わず長居したくなる心地よさ。
食事をしながら、わたしはここで様々なことについて「作戦会議」をしている。
・新しく買う掃除機はどれがよいか
・次の旅先はどこにするか
・まとめ買いするお茶の銘柄をどうするか(冒険してみる?それともいつもの?)
・友達への贈り物は何がよいか
などなど、日常のちょっとしたことからイベントごとまで。
意気込んで「あのカレー屋で作戦会議をしよう!」と思っていくわけではないのだが、料理を待っているうちに決めたいことをふと思い出し、そういえばどうしようか?といつの間にか会議モードになっている。
ビールを飲みながらどうしようか、サラダを食べながらああでもないこうでもない、カレーと絶妙なとろけ具合のチーズナンをほおばって方向性が定まってきて、だいたい食べ終わるところで絞り込みにかかる。
で、不思議なことに、カレー屋を出るといつも結論が出ている。
店主はにこにこしながら見送ってくれ、それに嬉しくなったわたしは、また来店するのだ。
さて。
作戦会議をすると結論が出る不思議なカレー屋さんの、カレーの部分もぜひ記しておきたい。
常時8~10種類くらいのカレーがあり、辛さも甘口・普通・中辛・辛口・大辛の5段階から選べる。注文するときに辛さを選ぶのだが、店主はいつも「辛さは? 大丈夫ですか?」と親切に聞いてくれる。
きっとメニューに標記している辛さと客の辛さのバロメーターに乖離がないかが心配なのと、お客さんとコミュニケーションを取りたいのと、半々なのだと思う。
シーフード、キーマ、バターチキン、どれもおいしいけれど、特に、ほうれん草のパニールカレーがお気に入り。
(パニールとは、インドのチーズで、モッツァレラチーズに似ている)
時折ネパールビールを頼むこともある。さらっとした飲み口。ご機嫌になれる。
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カレーのセットはものによってはタンドリーチキンなどがついてきて、これがまたスパイスの風味はするけれど刺激的な辛さではない。おかげで辛いものが苦手なわたしでも、ぱくぱく食べ進められる。
そういえば。
カレー屋カレー屋と言ってきたが、ほんとうは「インド・ネパール料理屋」だった。
でもわたしは、店内に入るとカレーのいい香りに負けて、毎回カレーとチーズナンセットを頼んでいる。
ほかの料理を頼む日が来るかはわからないが、何を頼んでもきっと作戦会議をして、すっきりして帰れる気がする。
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