今年で全通90周年の高山本線・車窓から眺めてほしい飛騨の風景
以前、旅先の書店で見つけた一冊の本。
『50歳からのごきげんひとり旅』山脇りこ(大和書房)
何気なく手に取ったこの本、気になってふと開いてみると、数ある旅エピソードの中から、なんと!一発目で『飛騨高山を旅したエピソード』が紹介されていました。これは買わなきゃ!と即決購入。私もひとり旅が好きなので、楽しく読ませていただきました。
さて、この本によると、筆者山脇りこさんは、富山市→飛騨高山→名古屋のルートを通るのに「高山本線」を使って移動することを試みました。そして、以前から気になっていた特急ひだ(この時は旧式のキハ85系)に乗車します。
その富山ー高山間の様子がこちら。
高山本線は飛騨の山の中に敷かれた線路であることを知り、秘境のような光景に驚かれている様子が伝わってきます。
こうして無事に高山駅に到着したりこさんは、高山での観光を終えて、また特急ひだに乗り込み、名古屋を目指します。
そのときの様子がこちらです。
ここでもりこさんは飛騨の鉄道の風景に感嘆されています。
地元に住んでいると、あまりに見慣れた光景のため「当たり前」のように感じていましたが、JR高山本線の車窓から見える飛騨の風景は、初めてこの地を訪れる人々には魅力的であり、畏怖の念を感じさせるほど感動的なのだな…と、この本を読んで気づかされました。
高山本線は、飛騨川や宮川沿いを走る国道41号線の近くを通っています。国道から見える高山本線は、確かに渓谷沿いの険しい場所に橋が通っていたり、トンネルが続いたりとなかなかの難所です。
改めて振り返ると、確かに絶景ですよね。そこで、ふと「この路線、一体いつ、どのようにして作られたんだろう?」と疑問に思った私は、地元の図書館に行き鉄道に関する資料を読んで調べてみました。そこから着想を得て書いたのが、こちらの記事です。
現在の飛騨地内の線路は、今から90年以上昔の敷鉄工事によって作られたものでした。
明治時代、全国各地で鉄道が引かれていき、ここ高山でも「いつか飛騨にも鉄道が欲しい!」という声が挙がったものの、この山岳地帯に鉄道を引くことは地理的に困難さを極め、なかなか話が進みませんでした。ところが、地域の人々の粘り強い運動と熱意によってようやく国の許可が下り、岐阜県を縦断する鉄道が敷かれることになります。当時の最先端技術を駆使して工事が執り行われ、1934年(昭和9年)に高山本線が全通しました。
以来90年間、冬は厳寒と雪に見舞われる厳しい自然環境の中を列車は走り続け、現在に至っています。
山脇りこさんが感激された高山本線は、私たちの先人が命懸けで築き上げた貴重なものだったのです。
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そして、今週末8/10(土)から8/18(日)の一週間、高山本線全通90周年の記念イベントが高山市内で開催されます!
高山線ファンクラブ実行委員会さんが開催する『高山本線全線開通90周年記念展覧会』。場所は飛騨・世界生活文化センターです。
入場料→展覧会受付で購入できます!
【当日券】大人:1,200円、学生:500円、小学生以下無料。
実は、この展覧会を主催している高山線ファンクラブ実行委員会の委員長は、私のいとこなのですよ。(下のサイトに、実行委員長の挨拶文が掲載されています)
私が、飛騨高山観光協会の市民ライターとして(上でご紹介した)「高山本線90周年記念」の記事を書かせていただいた後に、いとこがこのイベントの主催メンバーであることを知り、「えっーー!そうだったの!」とビックリ。
いとこの話によると、旧国鉄マンだったおじさん(いとこの父)の鉄道関係の遺品も展示されるようです。
その他、高山本線の貴重な歴史的写真や模型の展示、復刻駅弁の販売、いろいろ見どころ満載のすごい展覧会みたいですよ。
お盆で飛騨に帰省される皆さま&高山へ観光旅行でいらっしゃる皆さま&全国の鉄道ファンの皆さま、ぜひ全線開通90周年記念展覧会にお越しくださいませ✨
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