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ルーツ探しの旅〜白川郷編011〜

展望台から戻ると、次の移動の時間が迫っていた。
バス乗り場へ戻る道すがら、郷の入り口あたりに土産屋があったので、そこで野沢菜漬けを購入した。
この旅の最終目的地は実家なので、手ぶらで帰省する訳にもいかなかった。
やたらと土産に厳しい人はいないだろうか。
親がそれにあたる。

土産を買い込む文化があるのは日本人くらいだという話をどこかで聞きかじって以来、私は土産を買うことをなるべく控えている。
身近な人や自分のため以外に、気の利く人物を演出したいときなど、無意識的に「おみやげ!」という発想に至っている。
初めて行った海外であるサンフランシスコでは、土産物屋はあるものの、日本ほど気の利いた場所に、しのぎを削るほど存在しない。
そのときはスーパーで買えるものを土産として調達した。
プラハは観光地なので土産屋多いが、ご当地の温泉まんじゅうのような物はなかった。
日本ほど気の利いたお土産文化はないと思う。
悩まなくても手軽にプレゼントを渡せるのだ。

でも、日本のお土産品はおいしい。
そこから観光の口火が切られることもある。
土産で現地にお金は落ちるが、現地に行って、そこで食事をし、活動した方がお金が落ちる気もする。
土産よりも土産話をして、そこに行ってほしいとも思うが、人によってはそれを自慢とも取られかねないので、そういうことを考え出すと少し落ち込んでしまうので止めることにする。

15時台のバスに乗車した。
この頃にはバス乗り場の混雑も落ち着きを見せており、乗ろうとしているバスも乗客が少なかった。
次のルーツの地は富山県の魚津である。
この日は、太平洋側から日本海側に出て、移動だけでなく、世界遺産で観光までできてしまった。


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