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ルーツ探しの旅〜白川郷編006〜

20分くらい待っただろうか。
名前を呼ばれたので店に入ると、L字のカウンターの店だった。
厨房を半分囲う形でカウンターがあり、イスが並べられていて、その後ろに客の通路がある。
店は狭くなかったが、その通路は狭く、人が1人通るのがやっとだった。
案内された席は入口から一番遠く、背負っていたバックパックを他のお客さんにぶつけないように、少し肩をすぼめて通った。

激しくお腹がすいており、いつもより多めの食事を体が欲していたので、そばとおいなりさんのセットを注文した。
1人に与えられたスペースも狭く、ここでも肩をすぼめて、そばをすすった。
食事が済み、お会計をしようと先の通路を逆に戻った。
この時、背後で何かが落ちる音がした。
振り返ると、他のお客さんの荷物が落ちていた。
バックパックに引っかけて落としてしまったと思い、「ごめんなさい」とひと言謝り、バッグを拾おうとその人を見ると、外国から来た観光客だった。
とっさに「I'm sorry」と言うと、その方はニコっと微笑み返してくれたのだった。

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