蝉と父と息子たち
父が亡くなってから2ヶ月が経ちました。
あっという間なような、そうでもないような。
時間の感覚がいまだにちょっとおかしいです。
正直、夏休みが始まったのとコロナ禍のおかげで父のことを考える暇なく、
いろんな思いに蓋をしたまま7月8月と過ごしてきました。
父からのサプライズ
東京に住む我が家は、このコロナ禍でひたすら引きこもっています。
習い事も今月は自主休講しているし、外に出るにしても近くの公園に行くくらい。
朝から公園で虫捕りをして、帰り際にリリースする毎日をしています。
先日いつもは行かない大きな公園に蝉をとりにいったところ、
父と同じ年代の男性が私たちのところに寄ってきました。
(虫捕りしていると声を掛けられることって結構あるんです。)
そしたら、
『あっちにも蝉がいっぱいいるよ!』と教えてくれました。
長男の膝丈くらいにいた蝉を捕まえようとしたら失敗・・・
するとおじさんが再び、長男が背伸びして虫捕り網が届くか届かないかくらいのところにいる蝉を教えてくれました。
がしかし!どう考えても長男が捕れる筈ない。。。
木の高いところにいるし、私もさすがにもう長男を肩車とかできないし。。。
内心どうしよう~と思っていたら、その男性が『のりなよ!』と、
長男を肩車してくれました。
そして無事蝉を捕獲!
その時思ったんです。
父がもし生きていたら、こうして息子たちと蝉を捕まえに行って、
きっと届かないだろうところだったらこうして肩車してくれたんだろうなって。
肩車から長男を降ろしてもらう際に、男性の帽子が落ちてしまったんだけど、その時にマスク越しで父のにおいがしたんです。
男性用の化粧品のにおい。あの独特で、ちょっとメンソールな感じのにおい。
あぁ~懐かしいなって思ったら、涙が溢れそうになりました。
もう二度と嗅ぐことなんてないと思っていたから。
家に帰って夕飯の時に今日はおじさんに肩車してもらって蝉を捕れたという話を夫にしていたら長男が、
『あのおじさん、じいじと同じにおいがしたよね!』って。
長男は父にとっての初孫だから、それはそれは可愛がられていたし、
肩車も抱っこもよくしてもらっていたもんね。
長男が覚えていてくれて私はとても嬉しかったんです。
天国からうまいことあのおじさんをアシストしてくれたかな。