🖼絵画の中の帽子🎩🎓👒
頭を守るために作られた、Bowler hat・ボーラーハット・山高帽
1枚目:René Magritte・ルネ・マグリット作
《 ゴルコンダ 》1953年 黒いオーバーコートとボーラーハットを被った同一の男性が多数浮遊しているあの絵です。
2枚目:《 人の子 》
1964年これは彼の自画像。 普段からをボーラーハットをよくかぶっていたそうです。
『 Bowler hat・ボーラーハット・山高帽 』
堅く加工したフェルト製の帽子で、半球型のクラウンと巻き上がったブリムが特徴。
レスター第2伯爵の弟であるノーフォークの貴族エドワード・コーク
( Nobleman Edward Coke, younger brother of the 2nd Earl of Leicester )は、
gamekeepers (狩猟管理者) のために、馬上で低木枝から頭部を保護できるような iron hat という堅い帽子、シルクハットよりも優れた帽子を望んでいました。
彼は1849年8月25日にロンドンの紳士帽子店 James Lock & Co. を訪問し注文。
プロトタイプは、ロックのチーフハットメーカーであるトーマス・ボウラー Lock’s chief hat-maker, Thomas Bowler によって迅速に製作。
帽子工場はSouthwark サザークにありました。
12月17日にエドワード・コークはロンドンでこの帽子を手にした際、その耐久性を評価するために帽子に飛び乗ったり、2回強く踏みつけたとも言われています。
サザークにはさまざまな帽子工場あり、その一つの跡地がホテルになってます。
その名も"THE MAD HATTER HOTEL"
不思議の国のアリスに出てくるあのキャラクターの名前がついていて、ホテル内にはアリスのイラストとフェルトハットがたくさん飾っています。
詳しくは↓の記事を。
フェルト帽子を作る工程で、フェルトを硬くするためにゴムを染み込ませているので、とても硬く水にも強い帽子になっています。
ウィリアム・ボーラーが作ったのでボーラーハットや、
エドワード・コークから、コークハットなどとも呼ばれていたり、
ダービー伯爵が黒い飾りバンドを巻いたグレーのボーラーハットを被ってエプソム競馬場に現れたので、ダービーハットとも呼ばれています。
のちに紳士のシンボルとしてシルクハットやトップハットより、日常的に被られるように。頭を保護し耐久性もある帽子なので、19世紀後半にはイギリス、アイルランド、アメリカの労働者階級にも人気に。
当時イギリス・ストックポートに設置された工場では、年間50万個も生産していたそうです。*現在ストックポートには、工場の跡地を帽子博物館にして、ボーラーハットができるまでの工程を見せてくれます。
20世紀初頭からはロンドンの金融街で働く銀行家にも人気が出て、ウェスト・ヨークシャーのビングレーに本拠地を持っていた銀行、ブラッドフォード・アンド・ビングレーのロゴマークにもなっていたそうです。そのせいでしょうか、日本で初めてボーラーハットの工場を作ったのは、かの渋沢栄一氏です。
映画だと1964年のメリーポピンズのロンドンの銀行家ジョージバンクス。
時計じかけのオレンジの主人公アレックス。
今日では日常で被ることは少ないですが、Oxford University Police・オックスフォード大学の守衛さんが被ってる光景をテレビドラマなどで目にします。
先日のエリザベス女王の国葬の際、郊外のウィンザー城に場所を移して埋葬式が行われたました。棺が城内に到着すると、通り沿いにはウィンザー城に勤めるスタッフが並び、女王の最期の帰還を出迎えました。
その中には、生前女王が愛したポニーのエマが、主任厩務員のテリー・ペンドリーに伴われて佇む姿が、彼が被っていたのもこの『 Bowler hat・ボーラーハット・山高帽 』
英国の女性警官や女性警察コミュニティサポートオフィサー(PCSO)のユニフォームにも使われているそうです。
頭を守りたいときには、ぜひボーラーハットを被ってください。