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高校で学ぶ公式の探究

0.はじめに

 数学ヒストリーツアー3本の軸の1つである「公式の探求」の時間の続きです。中学の公式を探究したら,今度は同じように高校の公式も探究してみます。中学の公式の探究の様子は以下のnoteをご覧ください。

 探究する範囲を高校数学に指定したところ,5人の生徒が選んだテーマは次の通りでした。

・積分
・虚数
・正弦定理,余弦定理
・ベクトルの歴史
・三角形の重心

1.発表スライドの作成

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 それぞれ工夫したスライドを作成していました。Google Slidesに数式機能はありませんので,「記号」の変換候補から探したり,画像で用意したりすることで対応していました。

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 参考文献を読んで得た知識をスライドにまとめるためには,伝えるべき大切なポイントや理解しやすい数式・図を準備する必要があります。

2.公式の有用性から体感方法へ

 数学で学んだ内容を日常生活で意識することは困難を極めます。Chevallardが述べるように,社会機構がますます数学化される一方で,われわれの日常生活はますます脱数学化されるためです。

 そのため,あえて意識して数学を通して日常生活を見る経験を大切にしています。例えば,三角形の重心について探究した生徒は,次のような例を出してきました。

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 また,どこで使われているかだけだと,講義式の授業を聞いているのと同様に,深い理解にはつながらないでしょう。そこで,体感方法も考えてみます。

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 この体感方法を実践することで「重心」という名前を納得とともに理解することができるでしょう。

3.ルーブリック

 このスライドの評価はGoogle Classroom上でルーブリックの機能を使って採点しています。まだまだ改良の余地はありますが,例えば次のような項目を用意して採点をしてみています。

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 次回はいよいよ「創って学ぶ数学」の心臓である制作活動の内容をご紹介していきたいと思います。

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