見出し画像

桃より甘い、ゆめのようなトウモロコシの収穫体験@国分寺 榎戸農園

こんにちは!イートローカル探検隊(E探) 探検部のいずみやまです!

私たちE探 探検部の活動は、ずばり「大人のための社会科見学」。多摩地域の食材の生産現場を訪ね、作り手である「名人」の方々から話を聞いたり、食べ比べをしたりしながら、地域の魅力を深堀りしています。年代も仕事も違うメンバーが集まって、元気に活動中です!

今期記念すべき第1回目の活動は、トウモロコシ狩りをしよう!でした。

今回訪問した名人:国分寺市の榎戸(えのきど)農園さん
訪問日:2022年7月2日
作物・商品:ゆめのコーンビッグ85(トウモコロシ)

私たちが向かったのは、国分寺市北町にある榎戸農園さん。JR国立駅からバスと徒歩で15分ほどの住宅地にあります。このエリアには、ほかにも農地や野菜の直売所があるなど、「まちなか農業」を感じることが可能です。

案内してくれた名人は、榎戸秀晃さん。30代後半、20年近く農業に携わっている名人です。

今回お話を聞いた名人、榎戸秀晃さん

榎戸農園さんは、トウモロコシやトマト、ナス、ピーマンなどを育てています。今回はトウモロコシ狩りがメインの目的ということで、トウモロコシの話から。

桃より甘い!? トウモロコシ栽培の秘密

榎戸農園さんで栽培しているのは、「ゆめのコーンビッグ85」という品種のトウモロコシ。85は85日間ほどで収穫できるという意味なのだそう。

畑には、時期をずらして植えられたトウモロコシが整然と並んでいます。なんと、太陽の当たり具合や受粉のしやすさ、機械の通りやすさなどを考え、すべて同じ間隔で並んでいるとのこと!また、何らかの理由で倒れてしまっても、トウモロコシが自力で起き上がれる間隔なのだとか。榎戸さんが試行錯誤して出した、トウモロコシ栽培に最適な間隔なのだといいます。

農業に正解はありません」と榎戸さん。それぞれの野菜に適した環境をつくるべく、日々取り組まれています。

トウモロコシ畑を歩いていくと、ヤングコーンを発見!ヤングコーンは収穫できる時期が限られていることから貴重な野菜のひとつ。タイミングの難しさから、榎戸農園さんでも販売はしていません。今回は、まさに今が食べ頃のヤングコーンがあったので、特別にいただけることに!実際に畑に足を運ぶ収穫体験ならではのラッキーですね。

ほのかに甘く、歯ごたえがあるヤングコーン

ヤングコーンで小腹を満たしながら、さらに畑をぐんぐん歩いていきます。すると、ヒゲが茶色く大人になったトウモロコシを発見!榎戸さんに指導してもらいながら、食べごろのトウモロコシを自分の手でもぎ取り、その場でいただきました。

もぎたてのトウモロコシのおいしさといったら……!うまく表現できないので、ほかの参加者の発言をお借りします。

桃よりも糖度が高いじゃないか!

自分の手でもぎ取ったトウモロコシ!

トウモロコシは、収穫後にすぐ冷やすことで、もぎたてのおいしさをキープするなど、名人直伝のトウモロコシの楽しみ方も聞けました。

榎戸農園のトウモロコシは背が低め

トウモロコシはタイミングがとても大切。一日違えば、味が大きく変わってくるのだそう。今年は例年よりも真夏日がはやくやってきたなど予想外のこともあり、難しいことも多いそうです。

意外?人気トマト「麗夏」の栽培を始めた理由

さて、榎戸農園さんといえば、トマト「麗夏(れいか)」も人気!麗夏は、ほかの品種と比べて、香りが強く、味が濃いことが特徴的。身がかたくしっかりしているため、火で炒めてもOK、本当の完熟を楽しめます。

今回の訪問では、麗夏がハウス栽培されている様子も見学しました。

榎戸農園の麗夏、ハウス栽培の様子

現在は多くのファンがいる榎戸農園さんの麗夏ですが、栽培を始めたきっかけを聞くと、ちょっと意外に思う人もいるかもしれません。

以前は違う品種のトマトを育てていた榎戸さん。ある年、そのトマトが全滅してしまったのだそう。どうすればいいかと友人に電話したとき、たまたま友人が提供できるといったのが麗夏の苗だったのです。

早速、以前作っていた品種と同じ作り方とタイミングで収穫をしたところ、満足できる味を引き出せない結果に……。
一方で、だからこそポテンシャルも感じたといいます。「栽培方法を変えてみたら、どうだろう」

トマトというと、多くの農家が育てているのは、桃太郎。だからこそ、麗夏で勝負してみたいとも思ったのだそうです。

(「なんておいしんだ!こんなトマトがあったなんて!!」という感動的な出会いを想像していた人は、ちょっとびっくりしませんでしたか?笑)

そこから試行錯誤を始めた榎戸さん。肥料バランスや収穫時期を変えながら、麗夏の可能性を引き出していきました。

その後、徐々に、麗夏はエマリコのお店をはじめ、多くのお店に評価されるようになり、今では「榎戸農園さんといえば麗夏」という声も多く聞かれるようになったのです。

大切にしているのは「顔の見える農業」

「顔の見える農業」であることを大切にしていると榎戸さんはいいます。榎戸さんの日々の活動や、農業に対する想いを知る人たちは、「榎戸さんが作った野菜」を求めます。どれだけ心をこめ、手間を惜しまずつくっているかを知っているからです。

100%自信を持てない野菜は絶対に出荷しない」と榎戸さんは言い切ります。「顔の見える農業」をしているからこそ、その責任感がより強くなるのかもしれません。

☆☆☆

スーパーや飲食店で、農家さんの情報を掲示しているのを見かけることも多くなりました。「どこで、どんな人がつくっているのか」がわかって安心ということもありますが、一歩踏み込んでその農家さんの野菜への向き合い方や想いに触れれば、また見方が変わるのかもしれません。

「お得だから」「〇〇産だから」もいいけれど、「この料理に使うニンジンならAさんが作ったもの」「そのドレッシングにはBさんのキュウリがおすすめ」なんて、自然にいえるようになりたいと思いました。

ライター:隊員いずみやま

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?