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閉ざしている扉を開いて子供の頃のことを思い出す

今、ある本を読んでいて、
ある閉ざされた記憶を開くことを試しているんだけど…

一人でゆっくりと、ここは安全だと感じる場所で
ひとつひとつ思い出しているんだけど、
なかなか開かなくて、

ただ今日は、寂しかったということだけ思い出せた。

その時から心を押し殺していたから、はっきりとその頃の私に戻ることはできなかったけど、
その時に朧げに考えていたことを少しだけ思い出せた。

小学校の先生に呼ばれて、教室の前にある先生の机の所に行き「最近、お母さんはいないの?」と聞かれたこと。
そのまま言うのは駄目な気がした(母親の世間体に傷をつける気がした)けど、どう言えばいいか分からなくて、
「離婚するかもしれないから、お母さんは実家に帰ってる」
とそのまま言ってしまったこと。
先生は一瞬止まったように見えて、「そうなのね、分かったわ」と答えたこと。
それで済んでホッとしたこと。

長い休みの時に母の居る実家へ行った弟と2人きりで乗せられた帰りの飛行機で、
弟が窓の外を見ながら隠すように静かにかすかに泣いていたこと。
私はそれを見て「寂しいのは私だけじゃなかったんだ!」「でもお姉さんだし、弟も隠したいだろうから気付かないふりをしよう」「弟はこういう時素直に泣けていいなぁ」と思ったこと。
後で母に「弟が泣いていた」と告げたこと。
それは弟がかわいそうで、どうにかしてやってほしくて言ったこと。

父親との生活の中で、朝食はピーナツクリームのロールパンだったこと。好きだった。
日曜日にロールパンでホットドッグ作ってくれて、その美味しかったこと!
父の膝の上が大好きだったこと。

母が「たまにしか育児しないから父親の方が好かれて、いつも面倒見てるのは私なのにそのぶん怒ることが多いから私は嫌われて損だ」と言っていたこと。
怒られている時の顔が「そういう顔が父親にそっくり!」となじられたこと。

本当は寂しかったこと、可愛がってほしかったこと、実家に行ってほしくなかったこと。

あの頃は母を責める気持ちなんてひとつも無かったこと。
お願いばかりだったのに、言わずに押し殺していたこと。もっと泣き喚きたかったこと。

自分自身を、かわいそうに、と思った。

今日はここまで。

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