見出し画像

きみと一緒に居られるなら、絶対に現世がいい。




 つい先日、元恋人から連絡がきた。もうすぐ別れて丸2年が経つ。
 3月に学生時代のバイト仲間でこっちに来るから、会えないかという内容だった。彼と、彼つながりで知り合った子も、相互フォローとして残っているSNSは、特定の人たちをフォローから外すのも、退会作業を行なうのも面倒という、わたしの怠惰のせいでまだ残っていた。Twitterは彼と付き合っている頃に設定した、アイコンとヘッダーのまま。きょう、この記事が書き終わったら、そっと退会作業をしようと思う。




いい子を演じて

 元恋人とは、友人の紹介で知り合った。かわいい子だった。半分ひとめぼれみたいな、そんな感じだったと思う。その日の飲み会で、わたしがその子を気に入ったことは、その場にいた全員に勘付かれていたに違いない。3次会のお店で、その飲み会を主催してくれた子の機嫌を損ねたわたしは、みんなが連れ立って帰るのを横目に1人で帰路についた。乗り気ではなかったようだけど、「送って行ってあげないの?」と周りから背中を押されて、彼が追いかけてきて、家まで送ってくれた。わたしに興味がないことは明白だったけど、わたしの心は小さく弾んでいた。1か月くらいして、付き合うことになった。
 これまでに、”重たい”という理由で別れを告げられたり、別れないにしても、そんな風に言われたことが多々あったので、純粋に彼を好きだったし、彼を信じようとした。彼が好きな女の子になれるように、と。隠される交友関係も、チラつく元カノの影も見えないふりをした。
 あとから知ったのだけど、高校の終わりごろに付き合い始めて、遠距離になって別れた元カノとは、成人式の日に和解していた。春休み、その子をバイクの後ろに乗せてツーリングに行っていた。彼女のSNSからは大学時代の友達との写真は消されたのに、その写真だけが残っている理由がわからなくて、添えられた「連れて行ってくれてありがとう」の文字が、どうしても目の裏に焼き付いて消えなかった。



占いで破産寸前

 ちょっと前の記事でも話したけれど、彼と別れてから、どうしたことかSNSの広告が占いばかりになって、その中のひとつに大金をつぎ込んだ。わたしに、あの闇から自力で這い上がる強さがあったなら、こんなことにはならなかっただろうななんて思う反面、彼のことがどうしようもなく大好きだったわたしがいなくなってしまったことを不思議に思う。
 その占いでは、前世とか、自分の守護霊とか、そういうのを見てくれるようなものだった。わたしとツインレイ(双子の魂)とは3度同じ時代を共にしていて、全ての人生で一緒にいたことが伝えられた。ただその魂は弱っていて、あなたにしか救うことができないのだと。そして、わたしは彼がその相手だと思っていた。
 わたしが、そろそろここから抜け出さないとと、占いをやめようとすると、”そうやって逃げるのか”とか、”金銭に関する問題は、この問題がなくなることで、解決できる”とか、”いまの仕事をやめて、もっと金銭を手に入れられる手段を選べ”とか、脅しのような言葉が届くようになって怖くなった。そのサイトの口コミには、いい言葉ばかり並んでいて、これが全てサクラだったらと思ったら…。過ぎたことは考えても仕方ないけれど、きっとあんな風に占いに大金をつぎ込むことはもうしない。



来世に期待なんてしない

 とても大切な人ができた。わたしのnoteでも時折登場する、”大切さん”。だいたい月に1度、ありえないほど気が沈んで、面倒な女になる。そんなわたしのことも、面倒くさがったり、ぞんざいに扱うことなく、「どうしたの。そばにいるからね。」と、ちゃんと向き合ってくれる。実際には果てしなく感じる遠距離で、物理的にはそばにいられないのだけど、ココロはいつてもそばに置いてくれる、そんなあったかい人。
 好きとか、大好きとか、いくら言っても足りないくらいに大好きで、言葉にしたってちっとも軽くなったりしない、いつもちゃんと届くように大好きを伝えてくれる人。わたし、やっぱりきみと一緒に居られるのは、絶対に現世がいい。なんだかさ、わたしの親はきみのことについて、ちっともいい顔していないし、きみの存在についてはなかったことにして、話を進めるところがあるけれど、わたしはきみのことが本当に大好きで大切なんだよ。だから、いまのわたしの家族がきみのことを傷つけようとしたら、ちゃんと守るから。だから、来世でまた逢えたらなんて、来世に期待なんてしないでさ、わたしたち絶対に現世で一緒になろうよね。




 元カレからの連絡には、「もう、会えないよ。」と返して、「そっか。」なんて返信が来て。そのあとも、数回届いた世間話には、最低限の返事をして。そういえば、働き方に関する考え方とか全然合わない人だったななんて思い出した。わたしは家庭を顧みずに仕事に専念して、たくさんお金を稼いでくれる人よりも、ごはんは一緒に食べて、「おやすみ」と言って布団に入ったはずなのに、どうしようもなく変わり映えのしないきょうの話を、半分諦めながら聞いてくれる人と一緒になりたいんだよ。
 成人式で再会して仲直りしたあの子のようにはいかないよ。わたしは、元恋人とは友達に戻らないこと、あなたが一番よく知っているはずでしょう。もしかして、わたしがあなたのことをまだ好きなんじゃないかなんで思ったりしていたのかな。そんなことないよ。わたしとは交わらない世界で、どうぞお幸せに。

 きょうも、読んでくれてありがとうございます。またね。





わたしのペースで、のんびり頑張ります。よかったら応援もよろしくお願いします。