見出し画像

イベントレポ:春だ!野外だ!オタ芸だ!「ANIMAN〜春の宴2024〜」

 砂塚ユートです。今回は、2024年3月16日に名鉄太田川駅前で開催されたサブカルチャー総合イベント「ANIMAN〜春の宴2024〜」のイベントレポート(アニクラターン中心)になります。個人的には今年に入って初の野外系イベントであり、本格的な野外アニクラのシーズン開幕にふさわしい最高の盛り上がりであったと思います。

ANIMAN〜春の宴2024〜

 本イベントは毎年3月に太田川駅直結の大屋根ステージで開催されている、愛知県東海市のイベントです。アニソンやコスプレ、声優アーティスト、アイドルに痛車、そして東海市が聖地となった作品「五等分の花嫁」のパネル展示などさながらサブカルチャーの総合フェスといった趣でした。

ここでしか見られない夢の共演(大嘘)

ハイライト

 今回もイベントの名場面を振り返っていきます。開幕はアーティストの佐倉ユキさん。のっけから有り得んほどのオタ芸ソング「R.R.~Rainbow Roses~」を披露。午前中からいきなり会場のボルテージを引き上げていました。

 さて、本レポートの中心となるアニクラターンでは、名古屋のオタ芸特化イベント「なごうて!」から4人のアニソンDJが名を連ねていました。いずれも野外での実績と信頼の厚いDJで、一般参加者や通行人をも湧かせるやり方を心得ている人たちです。ゼア イズ サンクス オンリー…信頼しかない。


Pフィーバーサンダースネイク(設定6)

・Preserved Roses(『革命機ヴァルヴレイヴ』OP)

 構成:パチンコスネーク

 備考:アニソンDJターンのトップバッターは「ステップ踏会議」の主催、DJた(´・_・`)(たかお)さん。いつもお世話になっております。
 さて、画面で流れているのは主題歌だけがひとり歩きしている伝説のアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』のオープニングテーマ「Preserved Roses」。当時の基準に照らしても豪華過ぎる歌い手に反し、本編の評価は散々なものでしたが、パチンコになることで『ギルティクラウン』と並んで一定の名誉回復に成功しました。
 そんな事情を反映してか、この曲で打つ技はオタ芸の合間にひたすら右打ちを擦る、通称「パチンコスネーク」です。これ久し振りに現場で見たな。地味に反転打ちを挟むので無駄に難易度が高め。課題曲というほどでもないですが、同じく奈々様歌唱のパチンコアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズのオープニングでもたまに見かけます。この場合、注意したいのは目下、パチンコになっているのは4期『AXZ』までなので、2024年現在5期の『XV』は範囲に含まれないということです。(どうでもいい)

名前のない怪物~2024 Sprinter~

・名前のない怪物(『PSYCHO-PASS』ED)

 構成:(画面左側から)Sk-Ⅱ、ガンダムエピオン、相撲スネーク、パク・チソン体操、諸刃の剣、いとうあさこスネーク改、鉄道スネーク、棒立ち、セイキンスネーク

 備考:あーもうめちゃくちゃだよ!すっかりオタクの万国博覧会が定着して久しい「名前のない怪物」。究極的にはこの曲だけで野外アニクラの最新トレンドが大体把握できます。これらの列は概ね1クール周期で密かに勢力図が入れ替わっていますが、最近特に伸びているのは緑シャツの列「相撲スネーク」とごんぐぃさんの「いとうあさこスネーク改」、そしてピンクの列「鉄道スネーク」の3種類でしょうか。

・相撲スネーク

 備考:もとは地下アイドル界隈が発祥の特殊芸。四股を踏む動作など見たまま相撲がモチーフ。野外アニクラ現場では「こうそく」さんという、もはや界隈の誰よりもいちばん創作ダンスでお遊戯しているオタクがそこら中で擦っているため、このような技もよく見かけるようになりました。
 余談ですが、最近の地下ドル現場は「ナマステスネーク・天」などアニクラでいう特殊芸が流行する一方、サンダースネイク等を適切な尺で打てるオタクがあまり居ないという皮肉な環境になっているそうです。(追記:ナマステ天ももう居ないらしい。じゃあなにやってるんですか怒)

アイドルvsオタク

・アイドル(『推しの子』OP)

 構成:ハイグリ(ハイテンショングリーティング)

 備考:久しぶりのハイグリワオ部。以前まではこの曲もインドダンスの影響が色濃くありましたが、ついに完全に駆逐されてハイグリ一色に。この技も地下ドル界隈の由来なので、作品テーマ的にもこちらの方が合っているかなと個人的には思う次第。端っこで黒川あかねさんが正しい振りコピをしていますが、オタクの圧に押され気味。

2技いとこスネーク

・燦々デイズ(『その着せ替え人形は恋をする』OP)

 構成:サンダースネイク→(ムラマサ→)ロマンス/いとうあさこスネーク改→いとこスネーク

 構成:『着せ恋』の主題歌。何度か記事でも紹介していますが、この曲のサビ終わりには、いとうあさこスネークの短縮版「いとこスネーク」が綺麗に入ります。
 この曲で物申したい事があるとすれば、いとこ抜きでも尺的には2技入るのでロマンス移行はほんの少し勿体ないという事です。基本的にどの曲で何をしようとも他の参加者に迷惑をかけない限りにおいては自由なのですが、個人的にはそう多くはない2技尺を1技で済ませてしまうにはこう、まだ可食部の残った手羽先を見るような気分でムズムズする感じもあります。この冬休みはストイックに通常技を擦り続ける打ちイベに赴いていたため、若干そっち寄りの目線が入ってしまっているなと思いつつ。

璃奈ちゃんボード「オタ芸」

・ツナガルコネクト(『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』天王寺璃奈)

 構成:振りコピ、おうすいステップ、いとうあさこスネーク

 備考:なんと、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会から天王寺璃奈さん本人(?)が太田川駅に来てくれました。オタクが自分の曲で思い思いに高まっているのを見てりなりーもにっこりん。この日一番のインプレッションを稼いでいました。

野外アニクラで流行る?ミュージカル「刀剣乱舞」

・クロニクル(ミュージカル『刀剣乱舞』)

構成:ムラマサ→ロマンス

 備考:近ごろオタ芸マンの間で密かに打ち曲としての評価を受けているミュージカル「刀剣乱舞」の楽曲。コンテンツのメインターゲットである女性陣の黄色い歓声以上にオタクが「バッケモーーーン!!」と叫ぶ声が木霊する。刀に縁のある作品なのでサンスネよりはムラマサを打つ方が気持ちいいらしいです。

蓮ノ空Mix_shake炭酸開封クラブ

・Mix shake!!(『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』スリーズブーケ)

 構成:アーリークロス→アマテラス→ヴァイスシュヴァルツ→いとうあさこスネーク→ムラマサ→サンダースネイク→ロマンス→セイキンスネーク→「ハイかんぱい!!」

 備考:伝説となった異次元フェスを経て、オタ芸界隈で新たに根付いたリレー打ちの文化。Cメロから〆のセイキンスネークを含めた7技が繋がります。普段はなんとなく打つ技順も決まっているのですが、今回は史風さんの曇りなき「いとうあさこスネーク」が光る。なお元ツイには20件近く鍵垢による引用が付いていますが、結局のところ現場に来てない人間の言う事など聞く義理はなく、基本的に無意味なので気にせずやっていきましょう。

げんかい線 むりかもね

・HAPPY PARTY TRAIN(『ラブライブ!サンシャイン‼️』)

 構成:鉄道スネーク

 備考:なぁにこれぇ。野外勢はわりと鉄オタとの兼任が多いため、この「HAPPY PARTY TRAIN」のように電車と関係する曲では多彩な小道具で溢れかえります。お誂え向きに「太田川」と書かれた手動方向巻取り機は実際に使われていたものを競り落とした本物なんだとか。現場では他に近鉄の「特急ひのとり」と掛けてRoseliaの「FIRE BIRD」などでも同じような光景が見られます。

・鉄道スネーク

 主な課題曲:Burning Heart(魔王魂)

 備考:こんな強い曲がフリー音源でいいのだろうか……。
 さて、先述の「名前のない怪物」でも列を形成していた特殊芸の一つがこの「鉄道スネーク」です。モチーフは元ポストの通り。これほどまでに膾炙したのは、ひとえに制作者が福岡から全国津々浦々の現場に毎度現れては啓発して帰っていく努力の賜物といった所でしょう。現場至上主義というのも言い過ぎですが、実際何かを広めたければ顔を出してナンボではあります。

アレ!?今日って「ステップ踏会議」でしたっけ

・North Child(内田真礼)

 備考:メインステージの反対、太田川駅東側の広場ではサブステージとして別途でDJブースが設けられていました。こちら側では特に「ステップ踏会議」の新レギュラーとなったDJおじょう君が徐々にギアを上げ始め、ついには踏会議のアンセムにして、世にも過酷なオタ芸「ツーステスネーク」(連続技なので実質はツーステドライブ)の課題曲を連発。特にこの「North Child」は通常3技の合間に逐一ツーステップを挟むという最もイカれた構成をしています。以下がその実例。有り得ん運動負荷ですが、本当に楽しいのでこれからも流行ってほしい。僕はこれで筋肉痛が4日続きました。

 構成:ツーステスネーク(ドラグーンスピア→ツーステップ→ムラマサ→ツーステップ→サンダースネイク→ロマンス→ツーステップ)

・Just Awake(『HUNTER×HUNTER(2011)』1期ED)

 備考:こちらも踏会議でよく流れるツーステスネーク(2技)。おい、全部やってるじゃん。

オタクサークル、略して”オタサー”

・回レ!雪月花(『機巧少女は傷付かない』ED)

 備考:野外アニクラでほぼ見ない日がない「回レ!雪月花」。自分は今年1月の「東京eスポーツフェスタ2024」で早くも作曲者本人のもと回ることが出来ました。オタクは回るよ、どこまでも。

アニレーク名物「ごちうさタペストリー芸」出張版

・Daydream cafe(『ご注文はうさぎですか?』OP)

 備考:「DAYS of DASH」の琵琶湖ダッシュと並び、滋賀のアニレーク二大名物である、ごちうさタペストリー展覧会が太田川駅前に出展。恐るべき事にチノちゃんの等身大パネルも含めてこれらほぼ全てがアニレーク主催、ほよさんの私物。広げてると結構、腕が疲れます。

五等分のガンダムエピオン

・五等分の気持ち(『五等分の花嫁』OP)

大嫌いから (ガンダムエピオン)
大好きへと (ガンダムエピオン)

変わる心に ついていけないよ

どんなことも (ガンダムエピオン)
あなたさえ (ガンダムエピオン)

五等分です
でも私 私 私 私 私は

ガンダムエピオン

ギターと孤独とガンダムエピオン

・ギターと孤独と蒼い惑星(『ぼっち・ざ・ろっく!』第5話劇中歌)→ギターと孤独と蒼い惑星(ZAQ)→ギターと孤独と蒼い惑星(『ぼっち・ざ・ろっく!』第5話劇中歌)→ギターと孤独と蒼い惑星(ZAQ)→ギターと孤独と蒼い惑星(『ぼっち・ざ・ろっく!』第5話劇中歌)/ギターと孤独と蒼い惑星(ZAQ)マッシュアップ

 構成:ガンダムエピオンモッシュ

 備考:『ぼっち・ざ・ろっく!』、いいアニメでしたね。僕も大好きで、放映終了後の現在も毎日「ぼ喜多」を検索してはニコニコしてます。さて、そんなぼざろが生み出した名曲「ギターと孤独と蒼い惑星」がどのように扱われているかというと……ひどいなこりゃ。昨年秋のアニレークでも見た光景ですが、ある意味、ダイブモッシュありきのバンド現場っぽくはあるのだろうか。あからさまにモッシュ慣れしてないオタク特有のまごつきに関しては目を瞑る方向でお願いします。普段は大人しい種族なので……。

 まったくの余談ですが、年始の「アニメメメビッグサイト」の折、手を伸ばせば届くような距離にZAQさんが佇んでいて、オタクと二人で思わず息を呑みました。彼女の目にはどうか、この奇行が触れないことを祈って。

オタ芸の起源は白亜紀に遡る(民明書房)

・This game(『ノーゲーム・ノーライフ』OP)
・Astrogation(水樹奈々)

 構成:サンダースネイク→ロマンス(画面左)/アストロドライブ(画面右)

 備考:「なごうて!」レギュラーのアニソンシンガー、愛未莉叶さんの歌唱。さらに磨きがかかっているのを感じました。さて、地方でティラノサウルスレースが催されるなど、密かに流行っている恐竜のキグルミ。この姿であればオタ芸さえもどこか愛嬌のある動きになるので不思議なものです。

元祖いとうあさこスネーク

・限界突破×サバイバー(『ドラゴンボール超』OP)

 構成:いとうあさこスネーク

 備考:かつて一世を風靡した「いとうあさこスネーク」の原点とも言うべき課題曲。少々アレな様子ですが、鳥山先生亡き後でもこうして「ドラゴンボール」の影響はどこかに遺り続けるのです……R.I.P. あの頃少年だった不器用な俺達から、あなたに捧げるレクイエムです。

落雷警報

・天武の舞、暁の門(イケてるハーツ)

 構成:落雷警報→サンダースネイク→ムラマサ→ロマンス/ナラステイモムシ

 備考:野外アニクラで頻出のオタ芸代表曲。サビ前サンダースネイクの予備動作である「落雷警報」はほぼこの曲でしか見かけません。会場のキャパシティにも依りますが、日本では縦一列に並んで打つことが多いです。画面右側ではこうそくさん率いる創作ダンス勢が、いまや「MY舞☆TONIGHT」以外で見かける機会がほぼない「ナラステイモムシ」と呼ばれる珍しい技打ってるのが見えます。この曲でそれ流行ってたの4年くらい前ですよ!?

領家大明神召喚の儀式

・創聖のアクエリオン(『創聖のアクエリオン』OP)

 構成:領家大明神召喚の儀式

 備考:画面中央におはしますのが領家大明神その人。野外アニクラに通いたての人間が「領家大明神ってなに?」と一様に首を傾げるのは通例ですが、まさか特定個人を指す固有名詞だとは思うまい。身内ネタもいい所なのに技だけがひとり歩きしてイケイケの箱でも披露されるまでに。

 最近では片割れである「綾女弁財天」とセットで降ろされる事が多いので、領家さん単体だと正直物足りないという声も。嫌だ嫌だと言いながら常に揃うので、ついに次回のアニレークでは仲良く演者枠に放り込まれてしまいました。

小島よしおスネーク 完全版

・残響散歌(『鬼滅の刃 遊郭編』OP)

 構成:小島よしおスネーク

 備考:日本が誇るコメディアン「小島よしお」のギャグを網羅して作られた特殊芸「小島よしおスネーク」。国民的アニメ『鬼滅の刃』のオープニングで打つのは大体がこれ。特にこの「残響散歌」ではこれまでなかった「ズイズイズイー」、「ラスタピーヤ」などのギャグも取り入れられた完全版としてリリースされました。
 この技の開発者はアニクラ界隈から居なくなって久しいとのことですが、主に史風さんが遺志を引き継いで完成に漕ぎ着けたという心温まるエピソードも。

おジャ魔女カーニバルを30日間踊り続けた男

・おジャ魔女カーニバル‼️(『おジャ魔女どれみ』OP)

 構成:インドダンス

 備考:各所でバズった結果、「野外アニクラ三銃士」の名声を轟かせるきっかけとなった「おジャ魔女インドダンス」。現場ではすっかり定着して久しく、ピークも過ぎて落ち着きを見せ始めていましたが、Tiktokではこれを30日間欠かさず練習する人のショート動画が数万単位で再生されるなどして再び盛り上がりを見せているのだとか。

 ……とかなんとか書いてる間にちょうど公式がオリジナルのダンスを出してきた! ネットミームの漂白に余念がない。 今後は公式振りコピの派閥も増えそうですが、インドダンスの明日はどっちだ。

これが野外アニクラだ!

・Q&Aリサイタル!(『となりの怪物くん』OP)

 構成:滋賀スネーク

 備考:「ANIMAN〜春の宴2024〜」を締めくくる一曲は、これまた野外では大アンセム「Q&Aリサイタル!」でした。記事に書きすぎて付け加えて言うことが見当たらないくらい流れてます。そういえばつい最近、ようやく「あまね式」ではないオリジナルの電波スネークを目撃したんですが、思いのほか滋賀スネークがそのままの動きで妙に納得してしまったり。

終わり

 ほとんどアニクラの様子しか取り上げられませんでしたが、実際はアイドルターンでコーレスしたり、コスプレパフォーマンスでもツーステ踏んだり、声優・伊藤昌弘さんの歌唱でドカ湧きした挙げ句「お水美味し~?」でレスポンスを貰うなどして一日をフルに楽しみ尽くしていました。個人的に面白かったのはFLOWの「COLORS」の「自分を 世界さえも変えてしまえそうな 瞬間はいつもすぐそばに」という歌詞でちょうど目の前にルルーシュの痛車が置いてあった時です。
 さて、自分は今年初の野外現場ということで長い人だと3か月ぶりにお会いしましたが、皆さん変わらず話しかけてくださって大変嬉しかったです。イベント後の打ち上げでも久しぶりに色んな話が出来てよかった。あらためて今年もよろしくお願いします!
 そして末尾になりますが運営に携わった皆さん、本当にありがとうございました! 来年も是非、この地でよろしくお願いいたします。


 マガジンを設置しました。これまで参加した野外アニクラの様子をまとめたレポートです。オタ芸など興味のある方は参考にしてみてください。

この記事が参加している募集

イベントレポ

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?