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【設定資料】「プリメシアと地球連合との間の安全保障条約」
プリメシア憲法においては同国が軍隊を保有することを禁じているため、他国からの侵略が生じた場合は何ら対処ができないという問題を抱えている。
現在のところ島内の地球人がいかなる反応を示すのか予測できないため、いずこの国もプリメシアに軍事的干渉をおこなうのは手控えているが、「永世中立及び内政不干渉に関する宣言」を文字通りに解釈すれば、どこの国がプリメシアに侵略しようとも地球軍は出動できないことになる。
この軍事的に不安定な状況については、同国の経済にも深く影響を与えており、島全域が地球の租借地であった時代に世界中から流入していた豊富な外貨が、独立後の軍事的空白という不安定要素に危機感を抱いた各国経済筋によって一斉に資金が引き上げられた。
これによってプリメシア経済は手痛い打撃を受け、他国から侵略されるよりもさらに切羽詰まった状況に直面している。
プリメシア政府と財界は軍事的問題と経済の建て直しから地球の軍事的支援が法的に要請できる施策を考え、「プリメシアと地球連合との間の安全保障条約」という軍事条約を締結すべく活動を開始した。
しかしながら各国は軒並み条約の締結に反対しており、それはつまるところ「地球人がプリメシアを足場にして軍事的進出をおこなうのではないか」「今後はプリメシアだけではなく他の国(反対している国の敵対国)と軍事条約を締結して自分たちに脅威を与えるのではないか」「プリメシアに地球の科学技術が流入して世界の軍事バランスが崩れるのではないか」という理由からであった。
反対する国々はプリメシア政府に有形無形の圧力をかけ、「条約締結をおこなうのなら、地球連合とは国交を維持するが、プリメシアとは国交を断絶する」と水面下で恫喝をかけ、あるいはプリメシア近海で海軍の演習をおこなうなどそれは様々である。
他方でプリメシア国民のなかにも安全保障条約締結に反対する者がかなりの割合で存在しており、「条約を締結すれば独立が形骸化して自由が失われる」「条約の存在がかえってプリメシアを戦争に巻き込む」というのが主たる理由である。条約反対の市民団体が日夜抗議行動をおこなっており、なかには過激な反対行動も見受けられる。
内外で板挟みになっているプリメシア政府はいまだ安全保障条約を締結できずにおり、それが実現する可能性はまったくの未知数である。
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