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【TSLA】誰も口にしない、テスラとイーロン・マスクの野望

最近のイーロン・マスクとテスラ【TSLA】の動きと野望について話します。

1.人員10%削減

テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスクは固定給従業員の10%の削減を発社内メールで告知。

参考(イーロン・マスクが出した人員削減に関する社内メール):https://www.cnbc.com/2022/06/03/heres-the-email-elon-musk-sent-all-tesla-employees-10percent-job-cuts.html

テスラの従業員数は2021年終了時点で約99,000人を雇用、10%削減であれば約9,900人が解雇されることになる。今月に入り、複数の有名IT企業のリストラが発表されているが、テスラの人員削減を心配する声もあがっている。

私の見解としては、テスラにとって必然的な決断だと思う。迫り来る米国の不景気に対する対策ではなくて、テスラが今後本気で成長するための施策だとみている。発表タイミングも絶妙である。

人員10%削減はテスラの従業員数を考えれば小さい数ではないが、社内メールで書かれている「Note this does not apply to anyone actually building cars, battery packs or installing solar.」が重要ポイントである。訳すと、「自動車、バッテリーパック製造やソーラー設置に当たっている従業員は削減対象ではない」なので、テスラが直面している生産問題には影響がない。むしろ、固定給従業員を削減することで業務効率化がより実現できることになる。

これは私がアメリカの大手IT企業で勤めてた頃に感じたことである。従業員が多すぎて、全員が売上や利益に最大限貢献しているのかを疑問した場面は多々あった。特に今の米国市況を考えると、利益率を残すのが重要、赤字経営をしてしまうと最近の株主はすぐに株を売って、株離れしてしまう。

イーロン・マスクが今後テスラを本気で成長させるために、業務の効率化を見直した上で人員10%の決断をされたと解釈している。当社の採用ページを見ても採用を完全に止めている様子ではないようで、恐らく必要な人材をまだ募集している。業務効率と利益性を改善するために、テスラは人材の質を高めようとしているのが今回の人員10%削減の真の意味だと考えている

もちろん解雇はとても残念で心苦しいことですが、アメリカの企業であるテスラは実力主義を全面に出していて、今後解雇対象された従業員のスキルアップや転職の成功を願いたい。

2.在宅勤務禁止

イーロンマスクは人員削減告知前に在宅勤務禁止の社内メールも出していた。最も重要なポイントは最後の段落。

参考(イーロン・マスクが出した在宅勤務禁止に関する社内メール):https://twitter.com/heydave7/status/1532015935002816514/photo/1

「Tesla has and will create and actually manufacture the most exciting and meaningful products of any company on Earth. This will not happen by phoning it in.」
日本語訳「テスラには世界中のどの企業よりもエキサイティングで意味のある製品を今後も生み出し、そして実際に生産していく。電話会議によって実現されない。」

個人的にとても重みかつ野心満々の言葉である。要は世界一の製品を作る、やる気がないなら辞めていい。

コロナ禍で多くの企業は在宅勤務を許可して、永久的にリモートワークを許している企業もある。ただ、デジタルサービスや直接接客がないビジネスであれば、リモートで良いと思う。ただ、テスラは「今」、自動車メーカーであって、工場に立っている従業員もいる。従業員も実際に自分の目で製品を見たり、触ったり、(テスラの場合は)実際に試乗したりしないと到底本気で仕事に取り組めると思えない。職種に関係なく、人事や経理部でもオフィスや工場に出社して、自分たちの製品を目の前でみることが何より大切と深く思っている。

この発表により、多くのテスラ従業員が退職するだろうと報道されているが、そもそもイーロン・マスクが目指していると思う「人材の質の向上」はここでも発揮できるかもしれない。やる気のない従業員は去り、テスラのミッションに本気で挑むやるきのある従業員が残ることによって団結力が高まる。

最後にこれはふと思ったことで経営者やマネージャーであれば誰しもが考えることだと思うが、人員削減をすれば会社が解雇手当を支払わなければいけないのだが、自ら退職するなら手当は不要。結果、経費削減で利益率が良くなる。これがイーロン・マスクの狙いかは分からないが、可能性は無くはない。

3.テスラの野望

テスラはよくEVを生産している他社自動車メーカーと比較されるが、個人的な見解としてテスラはただのEVメーカーではない。むしろ、いつかEVからかけ離れた物凄い企業になると予想している。

参考(テスラの未来図):https://twitter.com/ValueAnalyst1/status/1517484075719827456/photo/1

テスラEVの売上は好調。特に2022年第1四半期の純利益率は昨年対比で319%増(2022年Q1純利益率 17.7%)。EV業界の先駆者であり、今ではEV市場シェアを大きく占めている。ただ、他社メーカーも急速にEVを手掛けていて、近い将来テスラのEV市場シェアはどんどん小さくなっていくでしょう。

しかし、テスラは今、FSD(完全自動運転)ソフトを開発している。まだテスト段階だが、近々テスラ車に導入され、目的地まで完全自動運転が実現される。FSDが浸透すれば、テスラの次プロジェクト、Robotaxi(ロボタクシー・自動運転タクシー)が道を走ることになる。今も提供中の太陽光発電のソーラー事業は好調に売上を伸ばしている。最後にAIロボットの開発が最大のビジネスチャンスである。AIロボットが完全化すれば、個人と法人の両者に利用されるでしょう。

完全自動運転のテスラ車でハンドルを握らずに仕事、読書、休憩などで目的地までの時間を過ごす。公共交通機関の代わりにRobotaxiに乗る。自宅に帰ったら、愛車のテスラ車の充電や家中の電力を低費用のソーラーに任せる。そして家中の電化製品をAIが管理して、生活の快楽さを提供する。私たちの生活はこうなるでしょう。

法人観点では、Robotaxiが普及すれば、レンタカー会社はまず購入するでしょう。タクシー業界に激震を巻き起こしたウーバー【UBER】も自動運転タクシーの開発に取り組んでいて、テスラとの闘いが注目されている。だが、テスラを大きく変えるのはAIやAIロボットである。AIロボットが浸透すると、テスラ車がロボットによって生産され、一気に生産量(24時間稼働)が増加して経費削減ができるので利益率がさらに改良される。

上記の参考表を作成された「Yaman Tasdivar」はかなり細かくテスラを分析されているので、ご興味のある方は見てみて下さい。ユーモアたっぷりなご意見も多いのですが、鋭いご意見もたくさんあり、かなり勉強になります。

4.最後に

私は最近のテスラに関するニュースの後、さらにテスラ株を買いました。

株価が600ドル台まで落ちたときに少しずつ買い、700ドルまで上がってから株式市場全体を見ながらテスラ株の様子をみていました。そして人員削減、在宅勤務禁止、ツイッター買収などのニュースにより株価落下で再度買っています。

直近ではテスラ株価が9%以上落下

個人的にこの株価でEV、完全自動運転ソフト・タクシー、太陽光、そしてAIの会社がまとめて買えると思ったら、かなり良い投資だと信じています。

また、先日のテスラ決算発表では第2四半期の売上は60%増とイーロン・マスクは主張していたので、株価がまた上がる可能性は十分あると思います。もちろんウクライナ侵攻、中国ロックダウンによる上海工場の生産不足、半導体不足、米国インフレ、不景気危機などの問題はしばらく続きそうだが、短期的に不安定な株価は中期・長期的にみれば、かなり格安であると考えています。

※株情報はあくまでも個人意見のため、投資は自己責任・自己判断でお願いします。

参考資料:
https://www.cnbc.com/2022/06/03/heres-the-email-elon-musk-sent-all-tesla-employees-10percent-job-cuts.html
https://twitter.com/heydave7/status/1532015935002816514/photo/1
https://twitter.com/ValueAnalyst1/status/1517484075719827456/photo/1


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